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EXtended(MSGEX)/セルフライナーノート

◆はじめに

作詞家の葉月リョウヘイ/Ryohei Hadukiです。
こちらの楽曲のセルフライナーノートを書き綴りたいと思います。

お世話になっている作曲家のGAKUさん率いるサークル「MSGEX」のアニバーサリーライブ
MSGEX 10th Anniversary Music Festival MSGEX presents "REAL-PAVILION" #01(通称りあぱび)のテーマソングです。


【Credit(敬称略)】

Words: Ryohei Haduki (U-RASIA)
Music: GAKU×Yuu Ito (U-RASIA)
Arrangement: Yuu Ito (U-RASIA)

Vocal: REAL-PAVILION ALL STARS
(あいの、恋摘もなか、ことの、咲良ゆの、月乃、はらもりよしな、まるもこ、miya、芽羽みなせ & 勿忘うた)
Chorus: GAKU
Programming: Yuu Ito (U-RASIA)

Vocal Mix & Mastering: Kenta Sato(Moonbow Music Studio)
Co-Manipulation: 9Tailしっぽ
Illustration: 葉月京、折笠りょこ
Art Direction & Design: SHI-DOU(MSGEX)
Movie Production: 鱈谷


自分でもびっくりするくらいの豪華メンバーの中にいます、、、、笑
同じU-RASIAの由宇くんも共作曲/編曲って形でいるので、U-RASIAとMSGEXのコライトって形でもあります。

今回がくさんからの執筆依頼を受けて書いているのですが、僕自身とても想い入れの深い楽曲になりました。
それは、僕がこの曲の歌詞を単なるテーマソングとして書いたわけじゃないからだと思います。
そういった話をさせていただければと。


◆きっかけの話

MSGEXとのはじめましては2022年。
その年の秋M3用に作詞をお願いしたいという依頼をがくさんから受けた時です。

22春M3でMSGEXのCDにうちの由宇くんがアレンジで参加してたので、名前は存じ上げてました。
彼が自分のサークル以外で参加するのは(今もだけど)珍しかったですからね。
サウンド聞いて「いつも通りの中に、いい意味での違和感がある」と思ったのを覚えています。

そういった縁もあってご依頼いただけたのかなと。
余談ですが、この時突発で仕事帰りに何も考えずに名古屋に旅行に行ってて、ホテルに着いた時にDM来て「え???」ってなったのを覚えてます笑
その翌日熱中症になりかけてそそくさと横浜に帰りました。

そんなこんなでやりとりを重ね誕生したのがこちらの「My style,My Story」という楽曲です。

手前味噌ですがすごい気に入ってて、この曲についてのストーリーもあるんだけど脱線of脱線になりそうなので避けます、、、笑

僕が言っちゃうのホントあれなんですが、がくさんはこの曲を経て僕の歌詞に「手ごたえ」を感じてくださったみたいで。
いわゆる作詞専門の人に頼むのは僕が初めてだったのもあったようです。

僕自身、「作詞家に頼む/作詞だけを別に人に頼むのはあなたがはじめてです」って言われるケースが結構ありまして。
作詞家として、U-RASIAのメンバーとして、
ここまで積み重ねてきたモノが生きたのかなとその度に思います。

その後、翌年のM3にも2度参加させていただき、今回のテーマソングに繋がるというわけです。

話聞いた時はビックリしたのが本音です。
「そういうフェスありなん!?」ってライブの趣旨に純粋に驚いたのもそうですし、
そんな大事な役割を、あえてこう言いますが「身内でない」僕に任せていただけたのですから。
緊張と言うかプレッシャーは感じてましたね。


◆歌詞の話

というわけで歌詞の話です。とりあえず貼ります。

Lyrics by Ryohei Haduki(U-RASIA)

タイトルの「EXtended」は、MSGEXの正式名称である「Mechanical Sound Generation EXtended」から拝借しました。
この辺りの詳細はがくさんのnote.を参照いただければと思います。

ちなみに正式名称についてはお話をいただく前から知ってました。単純に「MSGEXってなんかの略なんかな?」って調べたことがあったので。
作詞しつつタイトルを考えた時に思いだして「これだ!」ってなった次第です。
その辺は後述します。

話自体は確か去年の早い段階であったかなと。
その後Discordでやり取りを重ねたり、がくさんと実際にリアルでお会いして打ち合わせしたりしました。
その時行ったピザ屋マジで美味いからみんな行こうな。

リアル打ち合わせは12月、1月初めには2人の作曲・編曲もある程度終わって僕の番になってきましたが、ここで問題が、、、

何を書けばいいんだ????

というのも、がくさんから歌詞に特に細かい指定があったわけではないんです。
打ち合わせというよりは、がくさんが自身のnote.で書いたことを聞かせていただいた感じでしたしね、、、あと雑談。
そこから得たものは無論多々あれど、それをどう歌詞にアウトプットしていくかに時間がかかった気がします。
単純にこの時別件含め5-6個作詞の話来てたってのもある。

こういう時って考えすぎるとこんがらがっちゃうなって思ったので
一旦置いて普通に休みの日を過ごしてたんですよ。
動画見たりゲームしたり友達と通話したり。
案件抱えててそれ?ってのはわかる。

そんな時に多分なんかのアーティストのインタビューを見たと思うんですが、それで方向性が決まりました。
ただアホなことに、何を見てたのか全く思い出せないんですよね、、、、笑
Twitterにそのこと書いてたけどこれじゃわからん、、、

詰まるところ、僕が書くべきことは「MSGEXのこれまでとこれから」についてだろうなと気づきました。
というよりも、歌詞を書き下ろすってことは、その人のこれまでとこれからについて書くことだって再認識した感じです。
Cメロの部分とかはこのことまんま書いてますね。

これまで 手にしたものも
これから 手にするものも
代わりのない宝物だ
そうだろう?

EXtended/MSGEX

タイトルの「EXtended」は方向性が決まったタイミングで思いつきました。
と言うか思い出しました。
「拡張する、拡大する」といった意味合いで、テーマソングと言う背景にぴったりだと感じました。

それらを経て、最初に思いついたのはサビ頭でした。

奏でに行こう 僕らだけの音になる
それが幸せのカタチ

EXtended/MSGEX

奏でに行こうというフレーズは、ライブのテーマソング故に出てきたんだと思います。
ベタですが、サビ頭は次のサビ頭と韻を踏むことを意識してます。
1個出てくれば後は出てくるんですよね、、、

Aメロはほぼほぼ打ち合わせで聞かせてもらったがくさんの実体験から思いつきました。
がくさんもワンコーラス渡した時点で察してくださったようです。
note.みてくれれば解説要らないレベルで多分わかりやすい表現だと思いますw

というか、僕の歌詞は基本的にわかりやすい方です。
作詞や音楽のルーツがゆずなので、シンプルだけどグッとくる表現に影響を受けてるのだと思います。
だから、このEXtendedに関してもそこまで細かく言うことはないですが、意味が無いわけではありません。
ここまで3,000文字近く書いて何言ってんのって話はなしで。

最初に単なるテーマソングとして書いたわけじゃないと言いましたが、これはMSGEXだけでなく、僕含め参加してくださったクリエイターの方々に向けて書いたという意味があります。

元々僕はリスナーに向けて歌詞を書きません。
この曲にある“君”ってフレーズはリスナーのことじゃなくて、一緒に組んでくれたクリエイターのことを指してます。

リスナーを蔑ろにするわけでは無論なく、作詞とは楽曲とクライアントに対してどれだけ誠意を見せれるかが全てであり、そういった作品こそリスナーの方々にも気に入っていただけるのだと確信しているからです。

そしてその誠意とは、自分がこの曲で書きたいと思ったことをフィルターなしで書くことだと考えています。
要するに自我ですね。

先の通り、がくさんはこれまで共に音楽をやってきた仲間に歌詞を頼むという選択もあったと思います。
少なくともその方が背景は知ってますからね。
それでも僕に頼んでくれたのであれば、その歌詞は「僕にしか書けない歌詞」でなければならない。
それがフィルターなしで書くゆえの「葉月リョウヘイらしさ」に繋がってくるのだと思います。

そうつまり、たとえ提供する立場であっても自分に重ねて書くことが多くなるんですよね。
それがBメロに表れています。

いつかの明日を追い越して
夢も理想も追い越して
ただ心-ここ-にある 衝動が本物なら

EXtended/MSGEX

伝えたいことを真っすぐに
悲しみさえも真っすぐに
ただ鳴らしていこう “瞬間は本物”だと

EXtended/MSGEX

この今は、作家としてもがいて苦しんでいた自分にとっての明日で。
それは望んでた景色と全く同じではありません。

でも、違う景色だとしても。
望んでいたその明日では、見れなかった景色が目の前にあります。

がくさんをはじめ、この曲に参加してくれているクリエイターのみなさんにも、多かれ少なかれこういった経験があったり、感情を抱いたりしたことがあるのではないかなと勝手に思いました。

過去も今も未来も、全部地続きで。
夢見た未来と違っても、だからこそ見えるものがある。

それがこの曲のキャプションである「広がる未来が、目の前にある。」につながります。

M.S.Gでは見れなかった景色。
MSGEXだからこそ見れた景色。

逆もあったかもしれないけど。
そこに善悪をつけるなんて、比較するなんて、
野暮ったらありゃしない。

一秒先だって未来なんです。
目の前にあるそれが未来なんです。
そしてそれは、確かに広がっている。
これまでも、これからも。
なら、その目の前の未来をどう彩るかじゃないかな、と。

この曲がクリエイターに向けて書いたことが表れているフレーズがサビにあります。

明日が 僕らの音楽が
答えになるから

EXtended/MSGEX

そう、僕らの音楽というフレーズです。

僕は今まで「音楽」というワードを歌詞に使ったことはありませんでした。
メロディーとかミュージックとかはありますけど。
でも、この曲の良さを最大限に出すには
この言葉が不可欠でした。

「僕らが創り上げてきた音楽」に間違いなんてない。
これからも正解であり続ける。
だってそれは、あなたがやりたいと思って作った音楽だから。

僕が今立っている同人音楽と言う名のフィールドは
クリエイターの“好き”が凝縮された音楽で溢れているフィールドだと感じています。
U-RASIAの作家として活動してて特にそれは感じます。

好きじゃなきゃ音楽なんて続かない。
僕も好きで歌詞を書いてるんですから。
仮にお金目当てなら、もっとマシな方法がいくらでもありますw

常々、僕はクリエイターはナルシストであれと思っています。
自分で自分の作品好きになれないのに、誰かが気に入ってくれるはずがありませんからね。

周りの評判がどんなに芳しくなくても。
自分が作った音楽が本当に心から好きなら、それで良くないですか?

自分の好きな音楽を好きなようにやって、その結果みなさんに手に取ってもらえる。
それを理想と言うならそれまでですが。
少なくとも僕の周りには、その理想をかなえてる人がいっぱいいます。

「自分の好きを詰め込んだ音楽は、どこまでも正解なんだ」って。
がくさんが、参加してくれたクリエイターのみなさまが
この曲を聴いて、僕の拙い文を見て、
少しでもそう感じてくれたなら、なんて。

烏滸がましくも思ってしまったけど。
やっぱ自分に嘘はつけないので。笑


◆おわりに


なげえ!(n回目)

人のテーマソングで自分語りするのどうなん????って今更思ったんですけど、気にしたら負けだろうなって思います。前もやったし。

振り返ればいつも通りの僕の歌詞だなって感じます。
でもそれが化学反応を産むと思うので。
作家はこれだからやめられません。

1か月後にはライブがあります。
この曲は、僕を、僕らをどんな未来へ連れてってくれるのでしょうか。
今から楽しみで仕方ありません。

ではまた。
広がる未来の先で。


かっこつけすぎたな


葉月リョウヘイ/Ryohei Haduki from U-RASIA