ローポリの詩

失望に失望しなければいい/歳をとらなくても数え続ければいい、きみはそうして浮かび上がる/クロマトグラフィーに引き延ばされ/産みだすことも取りだすことも/光に羽化するように、影と分裂することも/できてしまうのだ/ぼくは/こんなにもできないのに/きみにもできないのに/きみに/きみにできてさえいれば、ぼくはできても、できなくてもよかった/ただ眠りたかった/視線の点滅が縞模様になる/空と地面になる/分岐するのではなく、流れていくように/目を閉じたらなにもなくなると/何度もいいかけていわなかった/ぼくの喉につまっていたのは/灰/ぼく自身を燃やした灰と/青い存在の穴/きみの穴/ぼくときみがどうしても交じり合わない/毛穴/から絶望が垂れるような乱反射…………/それを/すべり台の裏側に見る/宇宙の角度/星として見ること/は/きみを夢にみることは/もう/存在ではなく/きみをきみであらしめるものの/忘却する主体としての/ぼく/ぼくだ/ぼくはもう/罪も罰も通りすぎてしまった/ただ時間が暴くのだ/ぼくの息苦しい渇望/きみにもあるもの/灰みたいに/きみはどこまでもデフォルメされている/呼吸/する/点/P/、/?/ぼくは/きみに触れてはじめて/水に触れたみたいだ/氷結していたものが/くるくると/くるっくる/二度と思い出せなかったはずの/ぼくが生まれる瞬間を/きみは何度でもくる/何度でも産まれてくる/くるくるくる、/くる/食い荒らしてしまう/るるく/くるく/きみは形のない形としてまわる/肉が/くるくるくるくるくる/きみが見えない場所がある/うそじゃないよ/ぼくの食べ残した皮として/骨として/いくらでもここに/くる/きみが産まれる/うつくしい歯型の/名前として/きみは浮かびあがる/いつでも忘れられるが/くる/くる/ぼくに張り詰めた/線画にすぎない/フェンスのもつれが/きみの名前の由来に読めることを

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