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異年齢保育について

異年齢保育とは

多くの保育園で取り入れられているのは同じ年齢でクラス分けを行う「年齢別保育」です。これに対し「異年齢保育」または「縦割り保育」は年齢の異なる子ども同士を同じクラスとして保育することを言います。こちらでは異年齢保育についてみていきたいと思います。

異年齢保育のメリット

まず、異年齢保育を取り入れるねらいについて「協調性や社会性が身につく」ことがあげられます。年上の子どもが年下の子どもの面倒を見ながらお互いに成長したり、年下の子どもが年上の子どもから遊びのルールなどを学んだり、他者への思いやりの気持ちを育むことができます。実際に異年齢保育を取り入れている園で見られる光景とすれば例えば、年下の子どもが上手く遊具で遊べないときに手助けや見本を見せてあげたり、上着のボタンがとめられない年下の子どもを年上の子どもが手伝ってあげたりと、この他にも一日の色んな場面においてこういった助け合いの姿がたくさん見られます。以前自分たちもお兄さん、お姉さんに手伝ってもらったことを思い出して、今度は自分たちも年下のお世話をしたくて仕方のない子どもたちです。また少子化が進み、最近では近所の子ども同士で遊ぶことも少なくなった中でこのような異年齢での集団生活の場というのは、様々な能力を育む重要な場となります。同い年ではない、異年齢との接し方やコミュニケーションの仕方を学び、年下の子どもの言葉を理解しようとしたりして、これから社会に出たときに必要になってくる「生きる力」を養うこともできます。

異年齢保育のデメリット

このように、異年齢保育では様々なメリットも見えてきましたが、反対にデメリットがあることも事実です。まずは年上の子どもが年下の子どもに対して威圧的な態度をとってしまうこと。年上の子どもの方が体も大きく、遊びの中で力の差というものが発生してしまい、例えば年下の子どものおもちゃを取ってしまったり、仲間外れにしてしまうなどがあるかもしれません。また、その子どもの年齢に合わない遊びだと飽きてしまい楽しめない可能性があります。年下の子どもの遊びに合わせると、物足りなさを感じて一緒に遊ばなくなってしまうこともあります。

気を付けたい点

このようなデメリットを解消するためにも異年齢保育をするときの配慮が必要になってきます。まずは、力の差が出たときに保育士がフォローをしてあげること。年下の子どもへの接し方がわからない子どもに対しては丁寧に教えてあげたり、一緒に遊べるように仲介してあげるなど子どもたちが仲良く遊べるように関わり方を提案すると良いです。また、年齢に合った遊びやおもちゃを取り入れること。異年齢の子ども同士が遊ぶ場合は、飽きないようにそれぞれの年齢に合った遊びやおもちゃを用意し、全員が楽しめるような工夫をしましょう。続いては安全性を確保する事。年下の子どもはまだ歩くことがままなかったり、できないことの方が多いため子どもたちには、約束事を定期的に伝えて、安全を確保した活動をするよう意識づけるようにしましょう。また、子どもを見守るということも大切です。先ほどの安全性の確保を考慮して、年上の子どもが年下の子どもの面倒を見ようとし、抱っこしようとすることを拒否するのではなく、子どもの思いやりの気持ちなどは大切にしながら、細心の注意を払って保育士が援助してあげなければなりません。

最後に

今回は異年齢保育についてご紹介させていただきました。メリットもたくさんある中、デメリットが発生しないように保育士が工夫することが大切だというのが分かりましたね。異年齢保育には、年齢の違う子どもが関わることによって思いやりの気持ちが育まれ成長に繋がります。それぞれの子どもの気持ちに寄り添いながら、異年齢保育のメリットが活かされる保育ができるといいですね。

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