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夜明け 15/100

長く真っ暗な夜の闇の中
夢も希望もない日々でも

俺は信じていた…

明けない夜はないと

だが

進んでも
進んでも
光は見えず

いつしか俺は
絶望感で一杯になった

そして、
そんな社会を
憎むようになっていった…

この腐った世の中は、
俺がきれいにする‼️

根拠のない正義感を振りかざし
俺は、
悪者と決めた政治家たちを
次々と成敗していった…

ある日、
見知らぬ女が
俺の目の前にあらわれた

真っ白な
オーラに包まれ
微笑みを湛え
俺を見つめている

『誰だ、お前は』

その問いに応えようとせず
黙って俺を見つめていたが

次の瞬間、
一発の弾丸が俺の心臓を貫いた

『お、おまえは…』

そうつぶやき、
俺は膝から崩れ落ちた
彼女の右手には
拳銃が握られていた

彼女は…
息絶えた俺にくちづけし、

『こうするしかなかったのよ。
あなたは…生まれ変わるの』


長い夜が終わり、
朝焼けが
暗闇をオレンジ色に塗り替えて行く

彼女の頬を涙が伝う…

そして

彼女は真っ白い
大きな羽根を広げ


オレンジ色の空に
飛び立った…


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