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プロ野球 オープン戦の思い出②

2010年3月10日(水) 対楽天イーグルス戦@明石
この年は広島東洋カープの選手としてプレーしており、この試合は昨シーズンまで一緒に戦っていたマーティー・ブラウン監督(当時楽天監督)との初対戦となった。

ブラウンシフト

場面は、9回表5-5 ノーアウト満塁

ピッチャーはモリーヨ
(モリーヨはMAX160㎞を超えるストレート投げるというウワサだった!)
そしてキャッチャーに中谷仁(智弁和歌山野球部監督)
中谷仁は、同級生でタイガース時代に切磋琢磨した球友である。
知っている仲だけに何となくやりづらいイメージがあったし、「何かやってきそうだな」という雰囲気があるキャッチャーだった。

自分が打席に向かうと
楽天のブラウン監督が動いた!!!

内野陣、キャッチャーがマウンドに集まる

何か話しているけど、なんかニヤニヤしてる、、、

そしてそれぞれポジションに散らばると

内野手が5人!!!外野手2人!!!

『ブラウンシフトーーーーー!!!』

「ブラウンシフト」とは、広島東洋カープ・東北楽天ゴールデンイーグルスの元監督で「ベース投げ」が得意技のマーティー・ブラウンさんが使っていた内野に選手を5人配置する特殊な守備体形。

普通の守備体形では内野手は4人ですが、そこに外野手が1人内野の守備に加わり、内野5人、外野2人という形になります。

当然のことながら外野の守備が1人足りませんから、通常の試合ではありえませんが、外野フライの1点でも試合が決まってしまう場面などで使われることなるはずなのですが。

日本での5年間の監督時代にオープン戦を含めて7回披露

■2006年4月22日 vs. 中日ドラゴンズ 4-4の12回表 1アウト満塁
→井端選手をサードゴロに打ち取りホームで封殺し、成功。ただし、次のバッター福留の場面でキャッチャー倉選手のパスボールで失点して敗戦。

■2006年7月14日 vs. 横浜ベイスターズ 1-1の10回裏 1アウト満塁
→ピッチャー永川選手のワイルドピッチによりサヨナラ負け。

■2009年3月29日 vs. 福岡ソフトバンクホークス(オープン戦) 3-3の9回裏 ノーアウト三塁
→柴原選手をセカンドゴロ、続く中西選手をレフトゴロ。2アウト三塁となりシフトは解除。最後は高谷選手をファーストゴロで三度目にして完全成功。

■2009年5月6日 vs. 中日ドラゴンズ 2-4の2点ビハインドの8回裏 1アウト一・三塁
→荒木選手を三振に打ち取り成功。

■2009年6月14日 vs. 埼玉西武ライオンズ(交流戦) 4-4の12回裏 ノーアウト満塁
→黒瀬選手をレフト正面のゴロに打ち取り、”7-2-3”のレフトゴロ併殺打(通常の野球ではあり得ない結果が記録)。その後シフト解除して、再び敬遠で2アウト満塁の後、江藤選手を内野フライに打ち取って試合終了。

■2010年3月10日 vs. 広島東洋カープ(オープン戦) 5-5の9回表 ノーアウト満塁
→古巣との一戦。先頭の喜田選手に一・二塁間を破られ、普通ならライト前タイムリーとなるががら空きのライトに打球が転々と転がり、ランナー一掃のタイムリー三塁打。さらにカープは2点を追加して5-10。ところが、この試合は九回裏途中で雨によってコールドゲームとなり、記録上、9回の攻撃は両チームとも無かったことになった。試合は8回終了時点のスコア5-4で楽天の勝利。

■2010年6月7日 vs. 読売ジャイアンツ(交流戦) 0-0の10回裏 1アウト満塁
→小笠原選手にあわやサヨナラ満塁ホームランかというフェンス際の犠牲フライを打たれ、0-1でジャイアンツのサヨナラ勝ち。

こんな感じで、すべてが成功という訳ではありませんでした。
特に最初の2回の結果は悲惨でしたね。

俺にしてくるんかいーーー!!(笑)

というのも
ブラウンシフトはブラウンがカープの監督をしていた時代に何度か公式戦で試みたシフト
自分も守備側でブラウンシフトを仕掛けたことがあり、2009年の交流戦(対西武ライオンズ)でおかわりくん(中村選手)をゲッツーに仕留めた経験もある。

「そのシフト、ここでしてくるかねー」と思いながら打席にたったのを覚えている

ふと、守備位置を確認すると
ライトがいない!
外野はレフトとセンターでライトがガラ空き状態

そして内野を見ると
三遊間に3人、一二塁間に2人

上記で書いてあるようにピッチャーはモリーヨで160㎞のストレートを投げる
そうするに速球に振り遅れてゲッツーを捕ろうとしていた

「なめんなよ!!」

というのも
当時の自分のバッティングは、速球強くガンガン引っ張るスタイルだった。
その為、そのシフトを見たときに「ブラウン、おれのこと全然わかってないやん」と少しイラっとした。

モリーヨの一球目は、ストレート
引っかけてボール
確かに160㎞投げるという噂のピッチャーだけに速い
速いけど、一球目である程度、フォーム、アームの動き、リリース、スピード、ボールの軌道がイメージできたので、打てる感覚があった。

「次のボールはインローのストレート!絶対、ひっぱり込んで一二塁間を抜かす」

次の投球があるまでの約20秒くらいで、しっかりイメージして準備できていた!

モリーヨの二球目
フォーム、リリース、球種、軌道、コース、すべてイメージ通りのボールが来た
思いっきり引っ張り込んだ!

打球は、これまたイメージ通りに一二塁間を抜けて、誰もいないライトへ
一塁ベースを回る時に「だから言ったやん!」みたいな感じで走っていたと思う。

普通だとランニング満塁ホームランなのだが、どうしても足が遅く3塁でストップ!
「高コーチ(三塁コーチャー)、ホームまでまわしてくださいよー」と言いながら、久しぶりの三塁打で足が切れそうになっていた、、、

※42分あたりから登場します!


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