10 Best Releases of Korean Indie, 2020 March/ 韓国インディ音楽、今月の10作〜2020年3月

シングル、EPから正規アルバムまで韓国のインディ・シーンの2020年3月の10作を選んで紹介します。
なお、ヒップホップに関してはリリースの量がかなり多いこと, BLOOMINT MUSICなど他に紹介しているメディアがあるため、この記事からは外させていただいております。

また、Spotifyでここで紹介する10作を含む最近3~4ヶ月のリリースからセレクトしたプレイリストも作成しています。是非チェックしてください!



1/10. 스텔라장 Stella Jang「Recipe」(Single)
<GRANDLINE ENTERTAINMENT>
Spotify
#IndiePop #CityPop

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キュートで極上なシティポップ。2014年デビュー。年末年始にかけて過去シングルの「Colors」を使った短編動画がTikTok内で流行ったこともあり、最近グッと地名度を上げているようです。しかし、Ed Sheeranよろしくなトラック作り、レトロな音色、爽やかで優しいボーカルは唯一無二で、「彼女のポップ・センスにようやく大衆が気付いた!」といった方が正しいでしょう。

この「Recipe」もメロディの良さが抜群だし、一口、二口と味見するように、恋をしてお互いを知っていく過程を歌った歌詞もすごくキュート。そして彼女、4月上旬には初の正規アルバムを発表予定!

公式の紹介文にはこの曲の”レシピ”も

材料:ステラ・ジャン、モノツリー(プロデューサー・チーム)、ジョクジェ (적재、ギタリスト)
1.先にモノツリーのG-high、ソン・コウン料理士が適切な音楽的な力量を配合し、曲の形を作ります。
2.ステラ・ジャンの甘美で魅力的な声を表現します。
3.ジョクジェの90年代風ギター演奏で香りを加えます。
4.最高のスタッフを経由して、3分程度の曲を完成します。
5.ESTIMATE(MV制作チーム?)のMV映像を通じてトレイにきれいにディスプレーします。

このアーティストも聴いてみて: OOHYO, Minsu, Bronze

2/10. 서사무엘 Seo Samuel「Let Us Talk (Prod. Holly」(Single)
<Magic Strawberry Sound>
Spotify
#R&B #NeoSoul #HipHop  

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昨年アルバム「The Misfit」が韓国大衆音楽賞2020でベストR&B/ソウル・アルバム部門を受賞するなど実力あるシンガー。日本でいうとSIRUPのスタイルが近いと思います。音域の広さ、歌唱表現の多様さなど自分のスタイルを持っていてかっこいいです。うまい形容が見つからないけど、彼の曲に通底しているイメージは”モダンなネオソウル”という感じかな…。

このアーティストも聴いてみて: BIBI, Paulkyte

3/10. 추다혜 Chu Da Hye 「Monggumpo 몽금포」(Single) <Self-Release>
Spotify
#Folk #Traditional

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韓国の伝統民謡 x ギター・ロック!?17年米・NPR「Tiny Desk Concert」出演も話題だった民謡ロック・バンド씽씽(SsingSsing)のボーカル、チュ・ダヒェの初シングル。韓国の伝統音楽における民謡・雑歌の広義の歌・歌唱を「ソリ」というのだと思いますが、中でも彼女は西道(ソド)ソリという李氏朝鮮時代の黄海道(ファンヘド)と平安道(ピョンアンド)、つまりいまの北朝鮮の地方に伝わる形式をソウル芸術大の民謡専攻で学んだようです(この辺については勉強中です...)。

この曲も同名の黄海道(ファンヘド)民謡と思われます。("漁村の情景と漁にまつわる生活の趣を風流に描写している"という同名民謡と歌詞もほぼ同じであることから)。しかし、力強いギター・リフの上で歌うことで民謡をモダナイズしたこのバージョンは、すごく新鮮!!こちらは彼女がその西道ソリを、こういうモダンな形式じゃない形で歌った動画。

このアーティストも聴いてみて: SINNOI

4/10. 김수영 Kim Suyong 「사랑하자 Love Yourself」(Single) <Magic Strawberry Sound>
Spotify
#Folk #Singer -songwriter

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落ち着いた中低域の声のボーカルが個性的なフォーク・シンガー。2017年EP「Behind」でデビュー。 Stingの「Englishman in New York」のカバー動画は130万回の再生回数を数えていますが、ここでも彼女のボーカルの魅力が堪能出来ます。公式の紹介文に「自分を慰めたりすることを知らない私たちのための歌」とある通り、優しく私たちを慰めてくれるような歌詞も本当に良い。

前半のみ歌詞日本語訳です。(意訳含む)

[Verse]
私たちはもう少しお互いを愛そう / 私が辛いのは私以外わからないじゃない / 思ってるより人たちは私に関心がない / 本当に辛くはないけど、本当そういう時…
[Bridge]
誰でも一度くらい愛が必要な時 / だけどうまくいかず私はもっと醜くなる / ただそのように愛されたい時
[Chorus]
痛みを受けず / 十分に綺麗だから / いまこのまま一緒に歩いていけばいいよ / その誰より / 私たちもう少しお互いのために / 自分をもっと愛そう / ただそうやってお互いを愛してあげよう

このアーティストも聴いてみて: 윤지영(Yoon Jiyoung),  OKDAL

5/10. Kisnue키스누「LAYERS」(EP) <XYFY Recordings>

Spofity
#IndieRock #SynthPop  

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2017年デビューとまだ”若手”といえる4人組バンド。ホンデの公演場でもよくライブをしていて、私も一度見ました。Newtroな感性も感じさせるウェルメイドなシンセポップ。

このアーティストも聴いてみて: off the menu, 87 dance, ADOY

6/10. 보수동쿨러 Bosudong Cooler 「We live in the Jurassic Park」(Single) <Self-release> (音源サイトにある”보일러레코드”はNamu Wikiによると仮想のレーベル名とのこと!!)
Spotify
#IndieRock

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釜山を拠点とする4人組、ボスドン・クーラーと読む(たぶん今回紹介する作品の中で唯一ソウル、ソウル近郊以外を拠点とする)。音源制作、MV等全てDIYだ。こういう爽快なギター・ロック・バンドは韓国では最近珍しい方と思うのだけど、ローファイで気怠い感じは同じく釜山を拠点にする、世界的注目を浴びるバンド、Say Sue Meにも通ずるのは偶然か。良い意味でソウルのシーンを気にせず伸び伸びと自分たちのスタイルを形成している、ようなところがあるのか…。

このアーティストも聴いてみて: Say Sue Me, Se So Neon, Airy

7/10. Aseul「Slow Dance」(EP) <Astro Kidz>
Spotify
#ElectroPop 

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アスルと読みます。以前から海外メディアにも紹介されるなど、注目の高いエレクトロ・ポップ・アーティストの約2年ぶりのEP!2016年まではYukariという別名で活動していました。8曲27分、サラッと聴いてみれば彼女の多様な作曲能力に気付くはず。

このアーティストも聴いてみて: CIFIKA, YESEO

8/10. Lulileela「나의 곁에 있어줘 Stay With Me」(Single) <Magic Strawberry Sound>
Spotify
#IndiePop #ElectroPop

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インディ・ロック・バンド、Bye Bye BadmanやSeoulmoonのベーシスト、そのほか이성경X이루리, 레니 Leniとの로어(Lower)などでも活動するイルリのソロ・シングル。昨年は5枚もシングルを発表しています(この中では「환상 Fantasy」がベスト。また昨年の作品の多くは、ペク ・イェリン作品でもお馴染み、Bye Bye Badmanのバンド・メンバーでもあるCloudがプロデュース)。
今回のシングルも作曲はイルリ自身が全て手掛けていますが、ドラムやギターの演奏は親交の深く先述のLowerでも活動を共にするアーティスト、레니 Leniが担当しました。ハスキーな声、とそれに合ったThe xxのようなミニマム、ソウルの夜を彩るアーバンなサウンドのケミストリーは彼女だけのもの。

このアーティストも聴いてみて:  Seoulmoon

9/10.  레니 Leni 「안개」(Self-Release)
Spotify
#IndiePop #ElectroPop

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イルリが気に入ったら続けて聴いてもらいたい音楽性、ということで並べて紹介します。イルリとは로어(Lower)でも活動を共にしましたが、2人ともInstagramで度々一人でギターやベースのカバー動画をアップしているところも共通していて面白い。2人ともMidi programmingまで一人でこなしてエレクトロ・ポップのようなものを作り上げているけど、根底には曲作りにおいてギターやベースの音を大事にしたいという意識があるような気がします。Leniもまた一度聴いたら耳に残るメロディを以ってしっかりポップソングとして完結しているのが良いです。

このアーティストも聴いてみて: Leebada

10/10. Surl 설「Ferris Wheel」(Single) <HAPPY ROBOT RECORDS>
Spotify
#IndieRock

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昨年末には初の来日公演も成功させた98年生まれの4人組ロック・バンド、ソル。1月末に出たラッパー、Hash Swanのアルバム「Silence of The REM」にも参加するなど活動の幅を広げています。メンバーは「夢と現実が繰り返される日常を表現した曲だ」、「 現実と理想がある日常を大観覧車(Ferris Wheel)を乗ってるんだと比喩した曲だ」と説明する。爽快なアコースティック・ギター・サウンドは「Parachute」期のColdplayっぽくも感じる。

 このアーティストも聴いてみて: Dasutt, JUROKEY


そのほかの3月注目のリリース

YESEO「Beautiful Creatures」(Single) YouTube

Leebada「Empty Room」(Single) YouTube

Paulkyte 폴카이트「Found」(Single) YouTube

Dasutt 다섯 「,」(Single) YouTube

Yun Ddan Ddan 윤딴딴 「신혼인기 Wedding Diary」(EP) YouTube






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