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お金の稼ぎ方を根本から考える

毎年、中学高校留学生たちとはゴールセッティングを行っている。

ニュージーランドの学校は2月から新学年がスタートするから、いつもこの時期に、その年のゴールを一緒に設定する。まずは留学生たちにそれぞれ10年後、20年後のゴール、今年のゴール、そのゴールと今の自分とのギャップ、そしてゴールを達成するために毎日何をするのか、などを考えて書いてもらって、それを見ながら一人ひとりゆっくりと話をする。

みんなまだ十代だから、10年後20年後には大きな夢を抱いている。ラグビーをやっている留学生なら、オールブラックスになるとか、日本代表になるとか、世界でプレーするとか。また、世界で起業するとか、いろんなところで好きなダンスをしながら生活するとか、実現可能かどうかは考えずに大きな夢を考えてもらって、それを言葉で伝えてもらう。

留学生たちと話をしていて感じるのは、彼らの将来の可能性は無限であることだ。

10年後でもまだ20代だし、30年後でも働き盛りと言われる40代だ。今やりたいと思っていることは、何でもできるだろう。

私たちが留学生たちに伝えることの一つは、収入を得るときに時間単価を上げることだけを考える必要はない、ということだ。

たとえば、大企業に入って出世するとか、医者や弁護士になるとか、そんなゴールを設定する場合、ほんとうにそれがやりたいのならそれでいいけれど、その仕事が他の仕事よりも、単に「時間当たりの収入が多いから」目指すというのなら、一度考え直してもいいのではないかと伝える。

確かに、最低時給で40時間働くよりも、1時間あたり1万円で働くほうが年収は多い。でも、その時間当たりの収入を上げるためだけに、これからの貴重な自分の時間を使うのかと考える必要もある。

わかりやすく言い換えると、時給をあげるためだけに勉強するのか、ということだ。

いわゆるいい学校に入り、いい大学を卒業して、1時間当たりの収入が多いという理由だけで大企業にはいり、そこでも時間当たりの収入を増やすこと目標とする。

同じ時間働いたときの収入を増やすためだけに資格をとり、そのための勉強に何時間も費やす。

それでいいのか?

勉強したり、仕事したり、資格を取ったりするのは、もっと他のゴールがあるのではないのか?

収入を増やす方法は、単に時間当たりの単価を上げることしかないのか?

自分の時間を差し出すことでしか収入は得られないのか?

家で楽しく遊んでいても、友達や家族と旅をしていても、収入が入ってくる、そんな方法はないのか?

時間単価にかかわらず収入を得る方法はないのか。

そんな方法で収入を得るために勉強したり、仕事をしたりする、そんなことをしている人はいないのか?

善い悪いではなく、そんなことを、十代のときに、一度根本的に、もっと深く、考えることも大切だと思う。

そのためには、社会の仕組みを知ることが必要だし、お金について考えることも必要だ。また、世界にはいろんな人がいることを経験を通して学ぶことも必要だし、今までの自分や周囲の人たちの価値観を疑ってみることも必要だ。

そんなこともゴールセッティングを通して考えてほしいと思っている。


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