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【映画】ステラ 絶対泣ける‼︎ リフレインするCalifornia Dreamin’

 たしか今から30年以上前の母の日に、テレビ
で放映されていたこの映画。
 当時10代の私は一度観て大好きになり、録画
していたのを何度も何度も見返していたのを憶え
ている。
 それに飽き足らず、大人になってからDVDを
買って思い出す度引っ張り出してきては繰り返し
観ていたので、視聴回数は最低でも100回はい
ってると思う。

一体なにがそんなにおもしろいのか。
この映画の魅力は何なのかを改めて考えてみた
い。


①魅了されるステラ(ベッド・ミトラー)のダンス

 一番目は絶対にコレ!
まず映画の冒頭のシーンで、ベッド・ミトラー演
じる主人公のステラが仕事場のバーで、みんなに
煽られてカウンターの上で踊り出す。
実際に服を脱ぐ訳ではないけど、いわゆるストリ
ッパーパフォーマンスをやって、店中大騒ぎ!

 彼女の身のこなしや所作、表情の作り方、ダン
スの上手さで視聴者も一気に心を掴まれる。

 映画の中ではこの魅力的なショーをこの日初め
て店に立ち寄った医者のインターンのスティーヴ
ンが見て、彼女に恋をするところから物語が展開
していく。

②シングルマザーとして子供を産む決断。なんだかんだ言って愛情深いステラ

 スティーヴンとの交際は楽しかったが、一方は
医者、もう一方は女バーテンダー。
 所詮住む世界が違う2人。水と油のように、混
ざり合うはずがない。
 でもステラはスティーヴンの子供を身ごもって
しまう。
スティーヴンは彼女にプロポーズをしたものの、
プライドの高いステラは彼の本心を見破って断っ
てしまう。
 そして一人で子供を産む決断をする。

 不安ながらも病院で出産し、ナースが赤ちゃん
を連れてきた時、一気に母性が開花した時のステ
ラの表情がグッとくる。

③信じられないほど愛くるしいジェニー♡

 その後愛娘ジェニーが3歳くらいになり、ステ
ラとかくれんぼをしているシーンに飛ぶ。

ピーカブー!(ジェニー)
ピーカブー!(ステラ)

この時初めて“ピーカブー!”って、
“いないいないばぁ”っていう意味なんだと知った
(笑)

 幼少期のジェニー、めちゃくちゃ²可愛い!
この時より少し大きくなったジェニーも、
めちゃくちゃ愛くるしい! 必見です!

④ティーンエイジャーのジェニーも可愛い!ステラとのハモリソング最高♪

 10代になったジェニー(トリニ・アルヴァラード)は宿題をやりながら、ステラは洗濯物を畳ながら、日常のありふれたシーンみたいな感じで2人でママス&パパスの「夢のカリフォルニア」を口ずさむ♪
 それがちゃんと美しいハモリになっていて、何
度も聴きたくなる。(実際に何百回も聴いた気が
する)
 この想い出深い歌が後の重要なシーンの伏線に
もなっている。

⑤水と油の父母の間で、思春期のジェニーの揺れる乙女心に同情

  ステラはジェニーを本当に命がけで愛してい
る。 
でも彼女は天然に生きているだけで、どうしても
言動が派手というか品性に欠けるというかで周囲
から浮いてしまう。
 そのせいで優秀で可愛くて性格もいいジェニー
がクラスメイトから仲間外れにされたり嘲笑の的
になってしまうことがあった。
 思春期のジェニーは行き場のないストレスから
悪い仲間に居場所を求め、巻き込まれて警察のお
世話になってしまうこともあった。
 
 反面、休暇にニューヨークに住む父親のところ
に遊びに行った時には、話の合う人達と出会い、
その中で生き生きと楽しむことができた。
 父の婚約者ジャニスとも大の仲良しになり、エ
リートの男の子と両想いにもなった。

⑥ジェニーを愛するが故に苦しむステラ 彼女の出した決断に号泣

 ステラはジェニーに内緒でニューヨークに
一人で行き、スティーヴンの婚約者ジャニスに彼
と結婚したらジェニーを養子にして欲しいとお願
いする。

 スティーヴンとジャニスと同じ苗字になれば、
世間はジェニーを2人の子供だと思うから、と。

 ジャニスはミズーリの貧しい農家の出身だった
が奨学金でスミス大学を出てNYの出版社に就職。
そこで出会ったお金持ちと結婚したが未亡人にな
った女性。
編集者として仕事でも成功している。
でも彼女の兄弟は同じように成功している訳では
ない。

「あなただけが抜け出したのよ」
ステラがジャニスに言う。
彼女は反論できない。

「ジェニーにもチャンスを与えてあげたいの、
 とってもいい子なのよ。」


 ステラはジェニーのことを愛しているからこそ、
彼女を手放して、恵まれた環境へ送り出すことを
決断した。

⑦ジェニーをわざと突き放すステラ 
デッキから流れる思い出の曲「夢のカリフォルニア」♪

 ニューヨークの父親の家に遊びに行ったジェ
ニーは父とジャニスから一緒に住もうと提案さ
れる。
ジェニーは断るが、ステラからお願いされたと
2人から聞かされてパニックになる。

 次の日の朝慌てて飛行機で実家に帰ったが、
ステラはジェニーにわざと嫌われるように、自
分の人生を楽しむために娘が邪魔になったこと、
ジェニーが嫌っているエドと結婚することを告
げる。

 ジェニーは泣きながらステラを見つめるが、
彼女は「めそめそしないでっ!」と叫んでカセ
ットデッキのボタンを叩き押す。
♪All the leaves are
brown
And the sky is gray 

「夢のカリフォルニア」が大音量で流れだす。
昔洗濯物をたたみながら2人でハモっていた曲。

曲が流れる中、ステラは手の届くところにあ
った花瓶を掴みジェニーの方へ投げつけた。
それはジェニーのすぐ後ろの壁に当たって
ガシャーンという音と共に粉々になった。
「私にはあんたが邪魔なのよっ」
大声で叫ぶステラ。
 今さっき持ち帰ってきたままのカバンを手に
とって、泣きながらドアを開けて走り去る
ジェニー。
 膝から崩れ落ち、声を上げて泣くステラ。

 このシーンは初めて観たときは嗚咽するくら
い泣いた。
その後何度見ても、こうして書いているだけで
も泣けてくる。
稀に見る凄いシーンだと思う。

「夢のカリフォルニア」を聴くたびにこの場面
が鮮明に浮かんできてしまう。

⑧淀川長治さんも褒めていたラストシーン

 記憶が定かではないが、はじめて観たのが日
曜映画劇場。
毎回番組の最初と最後で解説をしてくれる映画
評論家の淀川長治さん(確か)が、あの柔和な感じで、お涙頂戴じゃないさっぱりしたラストシーンが良いと褒めていたのをなぜか何となく覚えている。

 クライマックスでは人目も憚らず泣いて
しまう映画だけど、ラストは切なくもあるけど前
を向くステラの姿に良かったなと思えるのだ。
 詳細はここでは省きます(^^)

⑨淡くて可愛い色使いも女心をくすぐる

 ステラのお家の内装がやたらと可愛くて好き。
インテリアや小物の絶妙なセンスと淡い色使い
がたまらない。

⑩’60~’70年代のウーマンリブ、フラワームーブ
メントなど時代背景が感じられて興味深い

 ステラがスティーヴンとデートしている時アル
バムを見ながら、女性バーテンダーに対して男性
から投げかけられた差別的な言葉を嘆く場面があ
ったり、
友人のエドが友達を連れて家に遊びに来た時
「こいつとは軍隊の時一緒だったんだ」という
セリフがあったり、
 ところどころにメッセージ性を感じさせる場
面が出てくることも興味深い。

知らなかったけど「夢のカリフォルニア」を
歌っている“ママス&パパス”は、フラワームー
ブメント時代を代表するグループだったみたい♪


・・・他にもまだまだいい場面はいっぱいある
けど、このくらいにしておこ。

 原作は1923年の「ステラ・ダラス」という小
説みたいで映画化は三作目らしいけどベッド・
ミトラーの魅力を引き出すために、原作とは
かなり離れた内容になっていると思います。

とにかく素晴らしい映画なので、観ていない方
は是非チェックしてみてください!



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