見出し画像

五月雨

五月雨をあつめて早し最上川 芭蕉

芭蕉がこの句を詠んだころは旧暦で、
五月雨は梅雨時の雨だった。

だから太陽暦の五月の空に降る雨とは全く別物だ。

今年の梅雨は遅く、
まるで台風のような集中した雨だけれども
最上川はきっと
水量を増やし早い流れになっていることでしょう。


先日いただいた3年ものの手作り梅酒を
このところ少しづつ味わっている。

今の時代梅酒はコンビニにさえ売っていて
どこででも手に入るし
いつでも飲める果実酒だけれど
この梅雨の季節にいただくのは
なかなか乙なもの。

しかも地域でできたお友達お手製の
3年物の梅酒だなんて本当に贅沢だ。

雨音を聴きながら、梅酒を味わう夜。
雨音も梅酒もじんわり染みわたる。

古い友人たちとの想い出に浸っていたら
なぜだか涙がこぼれてきた。

雨はただ降るだけなのに
浄化の力があるのかな。

雨が猛威をふるえば災害にもなってしまうけれど
ただ空から落ちる雨は心を潤してくれる。

隣のスウェーデン人のFさんは雨が好きだと言っていた。
日本の文化を好み、「玉露」が最も好きだという彼は
日本人ではないけれど、
すでに茶の心を持っているのかもしれない。

自然は厳しさも優しさもあるけれど
その中でこそ私たちはその恵みを知り
豊かさに感謝する心が育まれていくのだろう。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?