見出し画像

今、フィリピンでキチママと暮らしてます。(6)

見栄っ張り



キチママはよく見栄を張りたがる。

それは、キチママじゃなくてもそうだが、キチママの場合ちょっとや、そっとではない。


例えば、フィリピンでは子供の1歳の誕生日を盛大に行う習慣がある。

もちろんキチママも娘の一歳の誕生会の計画を立てていた。

娘の顔写真が入ったポスターやパンフレット、部屋の飾り付けやカラオケなど、そう言ったものをモロモロ手配してくれる業者がいて、そのほかにフィリピンの有名な仔豚の丸焼きなどを注文した。

食事も100食分近く、家政婦さんが一晩をかけて用意した。

私は正直、日本人的な感覚かもしれないが、そこまでやる必要あるの?と冷めた感覚はあった。一歳の子供が楽しむためではなく、周りの大人が楽しむためにやる催しとしか思えない。

そもそも、100食分なんて、いる?

私はフィリピンにはそれほど知り合いはいない。呼べて2〜3人くらいだ。

結婚式や葬式じゃあるまいし、日本から人を招待するほどのものでもない。

対してキチママも、田舎から出ているから、こっちに知り合いが多くない。

「100人なんて来ないでしょう?そんなにお金をかけなくても、いいんじゃない?」とキチママに聞いたが、


これがフィリピンの伝統だと言われた。

「普通はもっとお金をかけて、レストランやホテルの会場を借りてやるのに、あんたがお金がないからできないの」とクレームまで言われた。


しかも、100人分の食事なんている?100人なんてくるわけないじゃん!と言うと、

どうやら、近所の人たちも呼んでいるらしく、100人分じゃ足りないといって追加分のお金の話をしてくる。

まぁ、毎日やるわけじゃないしなと思い、しぶしぶ了承し、50名追加分を渡した。



お誕生会の当日。


やっぱり、そんなにいらなかった。

しかも10人ほどしか来なかった。

私の友人が2人とそれ以外はキチママの知り合いだ。

近所の人たちもきてなかった。

そもそも、近所付き合いはほとんどないし、私たち家族が住んでるところはキチママが住んでいたようなスラムではないので、タダ飯が食えると言うだけで人が集まるような場所ではない。

そんなの考えればわかるはずなのに。

もちろん、実際に150人も家に来られても困るんだが。

結果娘の一歳の誕生会は、10名くらいの少数で始まり、あとから4〜5人くらいのグループが立ち寄り、食事をして帰っていった。

中には私が働いている会社の人たちもいて、正直私に一言も言わず誘っていたことには腹が立った。


パーティーが終わり、家に残った数名の大人たちは遅くまで酒を飲み、カラオケ大会で盛り上がっていたが、1歳の娘からすれば何のこっちゃ、さっぱりわからないだろう。

オモチャをたくさん買ってあげたほうがよっぽどいい。

結局フィリピンで子供の1歳を祝う誕生会は大人たちの見栄のためにやってるものだと思う。


大量に余った食事は袋に入れて持って帰ってもらったが、それでもかなり残り、私はもったいないと思って3日ほど残りものを毎日食べ続けたたが、キチママは食べたくないと言ってケーキすら食べなかった。

続きを読む

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?