見出し画像

今、フィリピンでキチママと暮らしてます。(7)

Yayaさん


Yaya(ヤヤ)とは住み込みのベビーシッターさんのことで、フィリピンの一般家庭ではYayaさんを雇うのは比較的に当たり前で、共働きの家族などにとってはいなくてはならない人たちで、料金もだいたい月5〜6千ペソ(12000円くらい)だ。

うちの場合、給料を8千ペソと多めに払っていて、その代わり料理や洗濯などの家事もやってもらい、休みは1日だけの住み込みのベビーシッター兼家政婦さんだ。

私の家に勤めてくれているYayaさんは今の人で3人目だ。

始めてYayaさんを雇い始めたのは、娘が生まれる時だった。

初代Yayaさんは、キチママの叔母にあたる人で、ボホール島から出てきてくれたのだが、わずか2週間で辞めてしまった。

その理由というのが、何ともありえない話で、

実はこのYayaさん、当時42歳で旦那さんと別れて10歳と知的障害がある17歳の娘と暮らすシングルマザーだったのだが、つきあっている彼氏がなんと、18歳のニート。

その彼氏が寂しくて毎日Yayaさんに夜な夜な「寂しい、今すぐ会いたい、帰ってきて」といった内容のテキストを送っていた。

そのため、Yayaさんも愛する年下の彼氏のラブコールにより、うちにきてたった3日目くらいで「ボホール島に帰りたい」と泣きながら訴え始めたのだった。

そのことをキチママに聞いて、2人でYayaさんを説得し、せめて娘が産まれるまではいてもらえないか交渉して、何とかそのときは踏み止まってくれたが、その後も彼氏に会いたいから帰ると何度も泣いてきて、私もキチママも呆れ果てていた。

そしてYayaさんがうちにきて2週間たったころ、ついに彼氏が「帰ってきてくれないなら、別れる!」と言ったので、Yayaさんは泣きながら「今すぐ島に帰る!」と、その翌日にボホール島へ帰って行った。

しかもこの初代Yayaさんには後日談があり、実はYayaさんが私の家で働いている間、18歳の彼氏は浮気していた。その浮気相手がなんと知的障害がある彼女の17歳の娘で、その時にどうやら妊娠までしてしまったのだった。

これが発覚して、Yayaさんは大激怒したが、そこで驚くべき行動に出る。なんと、彼女は、当時17歳の妊娠している娘を家から追い出し、その若い彼氏と同棲を始めたのだった。

これには、さすがにキチママの親戚からも大ブーイングが飛んだが、彼女は全く聞く耳を持たず、現在ではその彼氏との間に子供も生まれ、彼女の娘は親戚が預かり、子供も無事に出産した。

初代Yayaさんは今でもその彼氏とラブラブな生活を送っているが、毎年年末になるとお金をクレと私に連絡をしてくるが、もちろん無視している。

この人もどうやらキチママだったようだ。


この次にYayaさんとして来てくれたのが、キチママの行動を咎め、叱りつけたことでキチママにクビにされてしまった可哀想な人だ。(ここでは2代目Yayaさんとする)

2代目Yayaさんはキチママの友人の義理の母親に当たる人で、当時旦那さんと18歳の息子とキチママの友人、その子供の4人暮らしだった。

年齢は50歳近くだったと思うが、この家でYayaさん以外働いている人がいなかったので、Yayaさんは家族を養うため一生懸命働いた。

すごくいい人で、家事や洗濯はもちろんのこと、娘を大変可愛がってくれた。しかし、彼女の家族もまた問題を抱えていた。

Yayaさんの旦那さんは、40歳くらいだったと思うが、職についておらず、毎日家にいるらしい。一度あったことがあるが、茶髪にロン毛でいかにも「フィリピンのチャラ男」と言った感じの人だった。

Yayaさんの息子は当時18歳で、キチママの友人と結婚し、子供も一人いるが、夫婦ともに働いていなかった。収入がないことに困ったため、仕事を探していたところ、キチママがYayaさんを探しているとき、義理の母を紹介したのだった。

(後日、この友人はキチママが働いていたカラオケパーで働くことになるのだが、もちろん夜の仕事なので旦那さんに止められて、結局すぐやめたらしい)

このキチママの友人から、Yayaさんの旦那さんがちょっかいを出してきて困ってると聞いたのは、Yayaさんが働いて半年ほどたった頃だった。

どうやら、Yayaさんもこの事を知っているが、Yayaさんの旦那さんはキチママの友人から誘ってきて困っているとYayaさんに言っているようで、そのことが原因で嫁と姑の関係が悪くなっていると愚痴を言っていた。


自分の息子の嫁を口説こうとする旦那とニートの息子と義理の娘、そして生まれたばかりの孫を養うために働いていた2代目Yayaさんがキチママにクビにされたのは、うちにきて1年後くらいだった。

その頃キチママは子供を産んだあと、英語の学校で何週間か働いてから夜の仕事に戻り、その仕事をやめたばかりだった。

水商売をやっていた感覚が抜けず毎日のように飲みに行って、夜遅くに酔っ払って帰り「金、金」と言ってきて、私とケンカしていた。

そんなキチママを、Yayaさんは自分の息子や娘の姿と重ねてしまったのかもしれない。

キチママが言うにはYayaさんはその日も私が金をくれないと愚痴を言っていたら、突然Yayaさんが「旦那(私)のことを悪く言うな!」と怒りだし

「自分の娘だったら、ボコボコにして髪の毛を掴んで引きずり回してやる!」とキチママに言ったらしい。

雇い主に対して言うことじゃないのは確かではあるが、私のことを悪く言われて腹を立ててくれたんだろう。そのせいでクビにされてしまって申し訳ない。

でもできればプロとして公私混合せず、長く働いてほしかったと今でも思う。

幸いその次にきた3代目Yayaさんも同じくらい働き者で、娘も気に入っているのだが問題が一つ。

歳が私の一つ上で子供がいないので、私と同い年の旦那さんがヤキモチをやいて、そのことでYayaさんと喧嘩になったり、たまに様子を見に抜き打ちチェックしにくることだ。



もう、勝手にしてくれと言う感じだ。

続きを読む

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?