No.013 宏大 (社会福祉協議会職員)
【重なった偶然/離れてみて分かる福祉のおもしろさ】
1.どうして福祉の仕事を選びましたか。(法政現福に入学したきっかけは何ですか)
(現代福祉学部を選んだ理由)
全くの偶然です。本当は、社会学部や法学部(他大学)に行きたかったのですが、落ちてしまいました。
そんな時、現代福祉学部に知り合いの先輩(臨床心理学科)がいて、その先輩に「良い環境だよ。ボランティアサークルやゼミがおもしろいし、楽しいよ。環境も良く、友達も増えるよ。こじんまりとやっているからね。」と勧められました。
これまた偶然にも受験日が空いていたのでとりあえず受けてみようと試験を受けたところ、合格しました。
希望した大学ではなかったですが、社会学的なことも幅広く学べそうだということや、一人暮らしをしたいという思いから、入学を決めました。
自分の理想と大きくかけ離れていなかったから入学したというのが一番大きいですね。
あとは、いくつか選択肢がある中で、現代福祉学部の雰囲気が一番良いと感じたことですね。それは、先輩からの言葉で、とても良い印象を持つことが出来たからです。
ちなみに、入学するまで福祉に全く関わりはなかったです。だから当然、福祉の仕事をしようとは全く考えていなかったし、福祉には全く興味はなかったです。
将来の仕事として選択肢にすら入っていなかったです。
今思えば不思議です。(笑)
(福祉の仕事を選んだ理由)
サークルやゼミ、勉強(ボランティア、実習)は面白かったけれど、卒業後は、正直「福祉の仕事はいいや」と思っていたことや、家族の影響などもあり、水産会社(商社)に入職しました。
ところが働いてみて「面白くない」、「環境(仕事内容)が合わない」「自分が学んできたことも全然活かせていない」と感じるようになってきて、たまに会う友人とも仕事の話が合わず・・・。退職を決意しました。
水産業界での、モノを売る・買うという世界が小さく感じた。そこで初めて、自分が学んだ「福祉」という学問の幅広さや面白さ感じることが出来た。
福祉業界はいろんな人が関わる学問(仕事)だと感じたのは、全く違う仕事をしたからこそ見えてきたのだと思います。
そして、そんな幅広く学んだ学問を活かしたいと考えました。
ただ、福祉の仕事に就くならもう一回しっかり勉強して、自信をつけて就職したいと思ったので、社会福祉士の取得も含めて大学院に行くことにしました。
この業界で働くには本当にいろんな知識が必要だと思ったので、とにかくいろいろな学問を知りたい・学びたいという気持ちが強かったです。
大学院卒業後は、社会福祉協議会に就職しました。自分の積み重ねてきた事や自分の力を活かせる環境は、社会福祉協議会だと思いました。
水産会社では、学んできたことを活かすことが出来なかったので、学んだことをそのまま仕事に活かしたいという思いがありました。
【様々な学問を活かした支援】
2.あなたの仕事について教えてください。
担当としては災害分野になります。
主な業務内容としては、ボランティア向け講座の講師や研修内容の作成、普段から地域の人の顔を知ることが出来るようにするためのネットワーク作りとその事務局の運営にも携わっています。
他にも、ボランティア団体やNPO団体等の活動紹介と応援する為の情報誌の作成や、ボランティアに関する相談等(どうすればボランティア参加出来るのかなど)の対応も行っています。
この仕事は、いろんな学問の知識が必要な仕事だと思います。例えば、災害支援でその土地に行くときは、その土地の事を知らなければならないし、その土地に住む人の事も知らないといけないので、文化人類学的な視点が必要です。
また、様々な団体との連携が必要なので、社会学的な視点も必要になってきます。さらに、被災者と話すときは心理学的な知識も必要だと感じます。
社会福祉協議会で働くと本当に色々な事が学べると思います。また、色々な人と関わるので、違う世界を知ることが出来るのもこの仕事の面白いところだと感じます。
【人と出会うことと興味を持つこと】
3.大学での学びが仕事で活きていると感じるのはどんなときですか。
一つは、人との出会いがどんなカタチで繋がるのか、どれだけ大切なのかという事を学べたことです。
というのも、ゼミの活動で色々なところに行けたので、広く浅くだけれども、たくさんの人と出会うことが出来ました。
仕事をしていく中で、大学時代に出会った人たちに再会出来る喜びを感じ、教授の知り合いや教え子と職場や仕事を通して出会う楽しみがあります。
それも、ゼミを通して、色々な人と出会うこと、関わることを惜しまなかったからこそ、人との一つ一つの関わりがどれだけ大事か身にしみて感じられたのだと思います。
もう一つは、大学院での学びです。それは、物事を様々な視点から学ぶクセや気づく力が身についたことです。
大学院時代に研究をすることで一見関係ないような事(学問)でも、実はどこかで関係していることが多く、一つの視点では進まないということを学びました。そのおかげで、興味を持つクセがつきました。
愛媛県の宇和島というところに災害支援で行った際に、そこに住む人たちのお互いを気遣う風土の強さを感じられたのも、そういうクセがついていたからだと思います。研究という経験が、今の仕事にとても活きていると感じます。
就職時に「福祉業界はいいや」と思い、全くちがう仕事をした経験があるからこそ、自分の学んだ事を活かしたいと思い、大学院という道に進み、力をつけ、今の仕事をしています。大学での経験・体験がなければ、今の自分はありません。
【進む道は一つではない】
4.いま興味を持っていることやテーマは何ですか。
仕事を辞めた経験があるからこそ 「ここで仕事をしなければいけない」という考えがなくなり、良い意味で軽く捉えることが出来ました。一ヶ所にとどまって仕事をすることに固執しすぎず、環境を変えてみたりすることに抵抗がなくなりました。
だからこそ、自分の中で、「研究がしたい」という情熱が再び湧き上がってきたら、その道に進むのも良いのかなと思っています。
【これからも学び続けたい】
5.今後の目標を教えてください。
とにかく色々な学問を学びたいです。もっともっとたくさんの事を知りたいと思っています。そのために勉強は続けていきたいし、勉強するクセは無くしたくないです。
大学入学時には想像もしていなかった福祉業界で働く今の自分を見てどんな気持ちですか?
「4年間で色々な事を学ばせてくれた学部への感謝があります。あとは、本当に4年間(+2年間)で何があるか、自分がどう変わるか、本当にわからないなと思います。現代福祉学部で過ごすことの意味や様々な経験が出来たことは本当に大きいと思います。」
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