列をなすテールランプ。 9時35分。 道を間違えちゃったから、 すでに10分ビハインドなのに。 日曜の大通りは車で賑わって動かない。 いつもならなんとも思わないけど…
私、菅原咲月。 ごく普通の高校生。 今は5時間目の授業中。 みんなはぐっすり眠ってるみたいだけど...。 私は赤点を回避するために、真面目に授業を受けている。 まあ…
コツコツとリズムを刻むチョークの音。 耳を抜けてく初老の男の声。 汗を冷やす冷房の風。 疲労感と満腹感。 5時間目の古典ってのは、全部の要素が人をまどろみへと誘…
〇〇:12時半にはそっちに着くよ。 茉央:りょーかい! 暑くて途中で死なんようにな? 〇〇:茉央に会う前には死なないよ。暑いから家で待ってなね? 茉央:そうするわぁ。じゃ…
ぼくは井上〇〇。 この前小学生になったんだ。 でも今、ぼくはひとりぼっち。 友だち100人できるかな。 そんな風に歌って、 ドキドキしながら入ってきた小学校だった…
眠れない夜っていうのを、誰しも経験したことあるんじゃないだろうか。 通り抜ける空気の流れ。 ほんのり香る花の匂い。 カーテンを通過する月の光。 そんな夜は、五感…
目覚まし時計がけたたましく鳴り響き、瞼を開かせる。 今日もどうやら雨。何日連続だろう。 梅雨は永遠に明けないんじゃないかと錯覚してしまう。 隣で眠る小さな背中を…
きっちゅ
2024年5月18日 17:30
列をなすテールランプ。9時35分。道を間違えちゃったから、すでに10分ビハインドなのに。日曜の大通りは車で賑わって動かない。いつもならなんとも思わないけど、今日は1年間アプローチしてたあなたと初めてのランデブー。あなたに会えるってドキドキと、約束に遅刻するかもっていう焦りから、全然進まない僕の車とは違って、鼓動のペースはアクセル全開だ。9時45分。
2024年5月6日 17:30
私、菅原咲月。ごく普通の高校生。今は5時間目の授業中。みんなはぐっすり眠ってるみたいだけど...。私は赤点を回避するために、真面目に授業を受けている。まあ真面目に受けても赤点ギリギリなんだけどね...。みんな寝てても頭いいなんて、いいなぁ...。でもそんな私の真面目なお勉強を妨害する要素が2つある。1つは窓から抜けてくる隙間風。赤や黄色に染まった葉を散らす空っ風
2024年4月27日 17:30
コツコツとリズムを刻むチョークの音。耳を抜けてく初老の男の声。汗を冷やす冷房の風。疲労感と満腹感。5時間目の古典ってのは、全部の要素が人をまどろみへと誘う。外では鬱陶しい蝉時雨も、教室の中に居るとうっすらしか聞こえなくて、まるで子守唄みたいだ。そんな眠気を少しでも紛らわすために、涼しい教室の窓から暑苦しい外を覗くと、朝は咲いてた朝顔の青い花は、とっくに萎んで
2024年4月14日 17:00
〇〇:12時半にはそっちに着くよ。茉央:りょーかい! 暑くて途中で死なんようにな?〇〇:茉央に会う前には死なないよ。暑いから家で待ってなね?茉央:そうするわぁ。じゃあまた後でな?〇〇:ああ、また後で。長かった初夏の沈黙はやっと破られて、君の声が聞こえなくなるくらい、蝉たちが真夏の序曲を奏でてる。ビルの間から吹きつけてくる風は、不快な暑さと誰のかもわからん汗の香りも運んで
2024年4月6日 17:30
ぼくは井上〇〇。この前小学生になったんだ。でも今、ぼくはひとりぼっち。友だち100人できるかな。そんな風に歌って、ドキドキしながら入ってきた小学校だったけど。クラスのみんなは、手に白黒のボールを持って、外に行っちゃった。あんまり人とおしゃべりするのが上手じゃなくて、みんなは友だちと楽しそうにしてるのに、もうピンクの桜はなくなっちゃったのに、ぼくは友だち、作れ
2024年3月31日 18:00
眠れない夜っていうのを、誰しも経験したことあるんじゃないだろうか。通り抜ける空気の流れ。ほんのり香る花の匂い。カーテンを通過する月の光。そんな夜は、五感に感じるすべてを、より意識してしまう。そうすると、より眠れなくなる...。それの繰り返し。眠れない理由は、人それぞれだと思う。今日の僕が眠れないのは、たぶん緊張のせい。明日は大事な入試だから、早めに夢の中に入りた
2024年3月29日 17:00
目覚まし時計がけたたましく鳴り響き、瞼を開かせる。今日もどうやら雨。何日連続だろう。梅雨は永遠に明けないんじゃないかと錯覚してしまう。隣で眠る小さな背中を起こさぬように俺はベッドを降りる。広くはないキッチンでトースターにパンを入れ、テレビをつけると、どうやらケーキ特集。〇〇:あ、職場の近くじゃん。 久々にタルトでも食いたいなぁ...。小さく独り言を言う。和:...ぉはよう