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しあわせなハンスは本当にしあわせなのかな

3回目の投稿。


少し前、図書館で手に取った絵本がこちら。
昨今の、絵がビビットでストーリーがユニークな絵本もいいんだけれど、懐かしいタイプの昔話や童話が読みたくなりました。

しあわせなハンス

ハンスは親方の下7年まじめに働き続け、その報酬として金のかたまりをもらい、母待つ家に帰ることになりました。
道中、金のかたまりは色々なヒトとの出会いで物々交換されていきます。
そして家についたときには、手には何も残っていませんでした。
それでも、ハンスは最高にしあわせだったのです。
これいかに。

おもしろいお話だなと思いまいた。

ハンスは目の前にある報酬にドーパミンがドバドバ出るタイプで、手に入れられずにはいられないタイプの若者のようです。
そしてそこには、世間の一般的な価値基準はないのです。
しあわせなハンスの「しあわせ」は、知らぬが仏とも置き換えられそう。
ネットで検索したところによると、グリム童話にはハンスのお話は他にもあり、どうやら臨機応変さにも欠け、エキセントリックにも見える人物のようです。


現代でハンスが生きていたら「しあわせ」になれるのだろうか、なんて想像してしまいました。
悪いヒトに騙されて、あよあれよという間にすっからかんになって、食うや食わずでボロボロになっても「今日も最高にしあわせだった。」と言えるのだろうか。
この手の人間は、支援の手をすり抜けるけど、異様な魅力を発するからほっとけないタイプかもしれないなぁなんて思ったりもします。
結局どんな状況でも「今日が一番しあわせ!」っていっていそうです。


「幸せはいつも自分の心が決める」と相田みつおさんがいっているように、
いつの時代でもハンスは「しあわせ」かもしれませんね。


グリム童話は、グリム兄弟が主にドイツの地域に伝わる数々の民話を編集したものだそうです。
子ども向けの絵本で見られるグリム童話は編集に編集を重ねられた清潔感のあるものになっていますが、もとのお話は身の毛もよだつようなエピソードが満載なんですね。

そして、世界各国で伝えられている民話には、構造が似ているものが結構あるのだそうです。民話には、人間の本質が描かれているようで、興味が湧きます。
ユングの集合的無意識や構造主義って関係あるのかな。

というわけで、絵本を読んで思いめぐらせたことをつらつらと記してみました。
お付き合い頂きまして、ありがとうございました。

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