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悪魔であり希望でもある太陽

台北の、故宮博物院の近くにある順益台湾原住民博物館へ行ったとき、館内のパネル展示で、太陽に纏わる民話が紹介されているのを見た。

‥‥‥その昔は、悪魔である太陽が2つもあり、人々を暑熱で苦しめていたが、そのうちひとつを(泰雅族の?)部族の英雄が弓をもって撃ち落としたため、今のように平穏な暮らしができるようになったのだと。

このような口承は「射日神話」と呼ばれ、台湾の各部族のみならず世界のあちこちに類型があるらしい。
現代によみがえる「射日神話」から見える、己との向き合い方(倉本知明)|翻訳書ときどき洋書|note

しかし、私がその展示を見て思ったことは、極北の長い夜に、数時間だけ顔を出す太陽を見て喜び祭りをするような人々のところへ紹介したら、さぞかし不思議がられるだろうな、ということ。

天上の火はもとより、地上の火でさえも、人々を暖めたり勇気づけたりする一方で、焼き滅ぼしたり苦しめたりもする二つの顔を持つ。そう、核の炎でさえも。(2022.6.26/7.6編集)

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