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甘やかな闇

幼い頃、朝が来るのが怖いというので泣き出したことがあったのを思い出した。

甘やかで脇に寄り添い自分を受け止めてくれた闇が消失し、酷薄で冷たく、伸ばした手を手荒にはねのける朝が来てしまうという恐怖。

私を甘やかしてくれる闇。

敵対し、規則に従わせようとする白昼の攻撃から庇護してくれる闇。

その深みには立ち入らせず、波打ち際でだけ遊ばせてくれる闇。

対価として何かを求めることもなく、ただ一方的に与えてくれるだけの闇。

私の求めに応じて、掌中に入るくらいの大きさにまで縮んでくれる闇。

私が求めていた「闇」とは一体どんなものだったかを定義してみたけれど、それとは真逆な極にある「光」も定義しなければ、というところで手が止まった。
言葉が出てこない。

「光」が形として顕現したのはこういう人たちかな、と思い描く人物像はある。

自らの信仰を矜持として、齢60を越えても世界各地を旅し紀行を残したイザベラ・バード。

世界を覆う絶望、そして身勝手な救済と対決し拒否した風の谷のナウシカ。

FF14「暁月のフィナーレ」の主役で、人を自立させるため世界を割ったヴェーネス。(2023.2.25)

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