見出し画像

不動産売買の電子契約サービス「RELEASE(レリーズ)」 を開発します

会社を興して一ヶ月、GOGEN初のプレスリリースをいたしました。
不動産売買に特化した電子契約・契約書管理サービス「RELEASE(レリーズ)」を開発します。

▼レリーズの公式ページはこちら

▼プレスリリースはこちら


レリーズはデベロッパー・仲介会社など、不動産売買に関わるあらゆる事業者さまにご利⽤いただける不動産売買に特化した電⼦契約サービスです。
本稿ではレリーズをなぜ開発するのか、何を売りにするのか、GOGENはこのプロダクトを通じて何を目指しているのか、このあたりの開発背景について書きたいと思います。

※機能紹介を書くと長くなるのでまずはプレスリリースやHPをご覧ください!


はじめに

電子契約って何?
電子ファイルに電子的方法で署名することで、契約を成立させること。法的に有効。

不動産電子契約のメリットは?
不動産事業者さまにとっては、契約書製本や押印・保管手間などの削減や印紙代負担なし(売主の場合)によるコスト削減、契約書紛失や改ざんなどを防ぐコンプライアンス強化、押印廃止による取引スピード向上など。
お客さまにとっては、印紙代負担なし(売主の場合)によるコスト削減、契約書類保管の簡素化など。


なぜ開発するの?

5月の宅建業法改正で、ようやく不動産電子契約が全面的に可能になるのに、売買に関して僕が欲しいと思えるサービスが存在しないからです。

クラウドサインやSMBCクラウドサイン、GMOサインなど電子署名のプラットフォームは既に存在し、かなり認知も導入も進んできていますが、不動産契約において電子署名サービスのみを利用することはあまり現実的ではありません。
なぜかというと、不動産は一つの契約で捺印する書類が複数あり、かつ媒介契約から売買契約、引渡しと捺印タイミングも複数存在します。更に言えば不動産事業者は捺印せずお客さまだけが捺印する書類や、電子化できないが保管したい書類(登記委任状や管理組合宛書類)など、契約関連書類は多岐に渡ります。

こうした書類を案件毎に管理しながら、電子署名もスムーズに行う為には、電子署名機能以上の不動産に特化したサービスが不可欠となります。

この課題に対して、SalesforceやBOX連携などの機能に追加料金を払えば電子署名サービスとAPI連携ができるので、ある程度の管理はそれで事足りるのではという考え方もありますが、果たしてそれで良いのか。署名サービスのみで不動産売買に係る種々の書類管理や保管が難しいという点は、お客さまも全く同じです。不動産電子契約の特徴として、サービス提供先にお客さまがいらっしゃることは、忘れてはならない観点です。

さらに顧客サービスを高度化させようとすると、自社の顧客IDと紐付けて締結書類を引き継いでいく必要もある。こういったお客さま側の視点やブランド力向上の観点まで含めて実現しようとした際に、前職時代にも色々と情報収集をしたり、検討を進めていましたが、売買系の不動産電子契約サービスで、僕が欲しいと思えるものはありませんでした。

では自社開発すればよいのかと言えば、一部の超大手企業を除いて非現実的で費用対効果は薄い。

従って、誰かが道筋をつくっていく必要がある、GOGENとして今後の展開を見据えた際にもこれは必要なサービスになると判断したので、開発を決定しました。


レリーズの売りは何?

レリーズは別に高機能でもなければ、CRMやワークフローと接続して契約書DXが一気に進む!みたいな不動産電子契約サービスではありません。
まず、不動産電子契約のプロダクトはこの瞬間はシンプルであるべきだと思っています。何故かと言えば、それで成り立つからです。

DXが進んでいない不動産業界と言えど、今や大なり小なり何らかのデジタルやITが介在しています。但し、契約書だけは未だに全く切り離されて存在しています。根幹が紙そのものであり、それをベースに保管や管理体制がつくられているからです。契約書ファイルやキャビネは、財閥デベから一人親方の仲介会社まで例外なくオフラインで存在しているはずです。

従って、この独立したオフラインの業務を、まずはそのままクラウドに置き換えてしまえば良く、それで業務上何の支障もない筈です。

加えて、不動産現場の最前線は「売ること」が一番の仕事なので、新しいシステムにすぐに慣れたり使いこなす余裕はあまり無い。最初は契約書を印刷する代わりにPDFでダウンロードをして、ブラウザにドラッグ&ドロップして、いくつかボタンを押す、これぐらいの機能が許容範囲のギリギリだと思っています。

もちろん各社個別課題の痒いところに手が届くカスタマイズは可能ですし、現にそういったご相談も受けていますが、まずはフォーカスを絞って、シンプルをスタートラインにしようというのがレリーズの基本的姿勢です。これが機能するようになれば次の展開に進めば良い。

▼レリーズの利用フロー

画像1


開発の大きなこだわりは2つです。

1つは、契約書データをレリーズとして保有しないことです。

当社として契約書データそのものを保有するメリットはどこにもありません。むしろそうしないことで、漏洩リスクが減り、システムは軽くなり、不動産事業者さまには安心してご利用いただけます。不動産に限らず電子契約のバーティカルSaaSにはサービス内で契約書を保有するものも多くありますが、当社は敢えてそうしていません。

不動産事業者さまの利便性としては、SMBCクラウドサインさまとのAPI連携で、SMBCクラウドサイン内には当然にデータが保管できるので、そこに存在すれば充分でしょうし、バックアップは必要に応じ利用各社が行えば事足ります。(もちろんレリーズを使ってかんたんに閲覧管理が可能ですし、ダウンロード機能も用意します。)
不動産契約という極めてセンシティブな情報を扱う以上、如何にセキュリティ面に配慮したサービスをつくるかには、とてもこだわりました。


もう1つは、契約されるお客さまに寄り添ったサービスであることです。

レリーズでは不動産事業者さま側の管理画面のみならず、お客さまへのご案内画面や、締結後の書類管理画面をご用意しています。買う立場になれば、絶対にこれは必要でしょう。冒頭書いた通り、書類の数も多く、管理が必要なのはお客さまも同じだからです。

▼レリーズのお客さま画面の一例

図1


不動産事業者さまにとって、お客さまに如何にご案内がしやすいか、如何に満足度やブランド力を向上させるかは大切な要素だと思います。レリーズはそういった観点でも安心してご利用いただけるサービスです。


こだわりを一言で言えば、どこよりも不動産事業者さまに寄り添ったサービスでありたい、ということかもしれません。既にデベロッパーや仲介会社さまにご相談したり、アドバイスを頂きながら開発を進めています。


GOGENはレリーズで何を目指しているの?

プレスリリースでは「不動産取引のオンライン化」を目指すと書いていますが、これについて誤解なきように、という観点も含めて、GOGENが何を目指していくのかについてもお話させてください。

僕は前職時代にてマンションのオンラインストア「sumune」の企画開発を行うなど、不動産売買取引オンライン化の急先鋒であると自負していますが、決して不動産取引の全てをオンラインで完結させることを目指している訳ではありません。

▼【参考】sumuneの開発ストーリーはこちら/この記事でも僕が不動産取引のオンライン化をどう考えているか少し書いています

不動産販売において何よりも重要なのは物件そのものであり、次に大事なのは営業です。この「営業」とは(接客を望まないお客さまに対し一切接触を行わず不動産を購入できる状況をつくることを含めて)「顧客が不動産を買いたいと思う」状況をどう実現するかというアプローチであると考えており、大抵の場合(今までもこれからも)それは人が介在するセールス活動であると思います。

これに対するアプローチの一つが営業活動以外の手続きの効率化・DX推進であり、顧客満足度を維持向上させながら「営業に集中できる体制をつくる」という状態がレリーズで実現したい価値の一つです。
全ての不動産売買は契約を目的としており、絶対にそこを通ることになるので、そこを起点に効率化を進めていくことは極めて合理的だと考えています。

シンプルをスタートラインにしたいと書きましたが、徐々に例えば要望、申込み、住宅ローン手続き、引渡手続きなど、契約を起点とした前後のフローを電子化し、営業リソース分配の最適化実現を追求していきたい。


また、不動産取引の電子化には新たな商機が眠っています。

例えば一部の賃貸では、既にオンライン申込みと保険手続きの統合が実現されていますが、売買も同様に設備保証やオプション、インテリアの販売などを、購入手続きに統合していくことが可能です。GOGENとしても、購入のタイミングに必要となる、今までにないサービスを提供予定です。

このフェーズに接点を持ちたいサービス事業者も非常に多いと思います。接点が電子手続きによって均一化され、コンバージョンの世界に置き換わっていけば、間違いなく新しい経済が生まれます。

この世界こそがレリーズで実現したいもう一つの価値です。生まれた収益の一部は不動産事業者さまにも還元されます。従来不動産事業者さまはやりたくてもやりきれない、中々手が届かなかった領域ではないでしょうか。当該領域にはパートナーも必要ですので、いろいろな会社さまとの協力関係で進めていきたいと思っています。

お客さま視点でも、どんどん便利になります。契約電子化による印紙代のメリットや手間の削減は言わずもがなですが、その先も広がっていきます。今は裏側の手続き部分と、物件探しの表側部分が分断されていますが、徐々に境界線は無くなっていくでしょう。

例えば申込み機能が電子化されれば、ポータルサイト上から購入申込みを行うことも可能になります。こうした変革は一朝一夕には成し得ませんが、全体をデザインしながら、不動産業界と足並みを合わせて実現できるプレイヤーは、そこまで多くないのではないかと自負しています。


正直に言うと不動産電子契約の領域は、今この瞬間は競合が少ないですが、これからレッドオーシャンになっても不思議ではないと思っています。
それでも敢えて参入するのは、GOGENでしかつくれないアイデアとスピードがあるという自信と、不動産流通活性化の為に道筋をつくりたいという想いです。


最後に

前回記事で「既に準備を進めているサービスもあれば、ほんの数日前に湧いたまだ実るかわからない面白いアイデアもある。そう遠くない日に、形を明らかにできるものも出てくると思う。」と書いたのですが、実はここにレリーズは含まれていませんでした。

着想から僅か一ヶ月ですが、レリーズはGOGENがこれからつくりたい世界の、非常に重要なドアオープナーという位置付けです。色んな構想が全てここで繋がった。

なのでまずは是非事前登録をして頂ければ嬉しいです。どなたでも可能で、30秒で終わります。


Special Thanks
構想初日に早口でまくし立てる僕のアイデアをその日のうちにモックにしてくれた金子さん、空いた時間を殆ど使って修正を重ねながら営業とリリースをできるレベルにデザインを仕上げてくれたJ、1ヶ月間爆速集中営業で道を切り開いてくれた金やん、貴重な業界リサーチを纏めてくれた田端、数々の不可能を可能にした男イケメン、僅か2週間で最高のLPをつくってくれたHUE creationさん、その他GOGENの皆


▼【参考】前回のブログはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?