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ダミアン・マッケンジー選手の今

先週、「ヘイデン・パーカー選手の今」というタイトルで久しぶりにnoteを書いたところ、ありがたいことに思いのほか多くの方に閲覧いただき、ちょっと調子に勢いに乗って、次のnoteを書きます。
「あの人は今」シリーズ?の第二弾です。
今回はダミアン・マッケンジー選手について。


来日したダミアン・マッケンジー選手について振り返り

ダミアン・マッケンジー選手は2022年に初年度を迎えたリーグワンの東京サントリーサンゴリアスに電撃加入。マッケンジー選手は怪我でRWC2019には来れなかったにもかかわらず、「微笑みの貴公子」の異名で日本でも抜群の知名度と人気を誇りました。
プレーについては期待以上の素晴らしい活躍ぶりで、リーグワンの初代得点王に輝いた他、フルバックとしてベスト15にも選ばれました。
個人的には、唯一のチャンスであった瑞穂ラグビー場での最終節のトヨタヴェルブリッツ戦が中止となってしまい、残念ながら彼のプレーを生で観ることは叶いませんでした。。。昨年12月に岐阜で行われたプレシーズンマッチにてお姿だけは見ることができました。(トップの画像はその時に撮影したものです。)


オールブラックスへの選出条件について

2022年7月現在ニュージーランド(以下、NZ)で行われているアイルランドとの代表戦シリーズには出場していないマッケンジー選手ですが、実は現時点でオールブラックスに選ばれる資格がありません。

なぜでしょうか?
例えば日本代表であれば、国外のチームでプレーしている選手であってもワールドラグビーの規定する日本代表の資格さえあれば、日本代表の試合に出場できる可能性があります。
しかし、NZの場合はそうではありません。NZ協会のルールでは、NZ協会やNZ国内のチームと契約し、国内でプレーしている選手がオールブラックスの選出対象となります。
日本でプレーしていたマッケンジー選手は一時的に代表選出資格を失ってしまったわけです。

では、どうすれば再び選出の対象になるのでしょうか?
正確なルールというのは見つけられていない(そもそも明文化されているのか不明)のですが、複数の記事等から読み解くと以下のような条件をクリアする必要があるようです。

①NZ協会及びNZ国内のチームと契約
前述の通り、オールブラックス選出の絶対条件になるので、これをクリアする必要があります。
マッケンジー選手は、6/17にNZ協会、チーフス、それから州代表チームのワイカトと再契約したことが発表されましたので、こちらの条件はクリアしています。

②NZ国内でプレー(例外措置あり)
帰国後に国内でプレーすることで、再びオールブラックスに選ばれる資格を得ることになります。ただ、国内とはいってもどんなチームでもよいわけではなく、クラブラグビーでの出場ではダメで、州代表以上(つまりSuper RugbyかNPC)という決まりのようです。

NZラグビーの4層構造

Super Rugbyは来年までありませんから、実質的には州代表選手権(以下、NPC)での出場を待つことになります。
NPCは例年8月から10月頃に開催されており、マッケンジー選手が所属するワイカトは2022年8月6日にホークスベイ戦で初戦を迎えます。

この試合で出場を果たせば再びオールブラックスへの道が開けるわけですが、奇しくも同日にオールブラックスはザラグビーチャンピオンシップ(以下、TRC)の開幕節で敵地にて南アフリカ代表と対戦します。
ちなみに例外措置というのは、怪我人の発生等の事情により、オールブラックスに欠員が出てしまった場合には理事会の承認を得ることで、NPC等への出場を免除し、オールブラックスへ選出が可能になるというものです。
7月のアイルランドのテストシリーズでロック陣に欠員が出たことでオールブラックスに追加選出されたパトリック・トゥイプロトゥ選手(今季、トヨタヴェルブリッツでプレー)はこのケースに該当するようです。


オールブラックス復帰時期についての考察

ここからは、マッケンジー選手のオールブラックス復帰時期に関する私の個人的な(妄想に近い)考えです。
NPC開幕節の翌週、8月13日もオールブラックスは南アフリカ代表と対戦する予定ですが、多数の怪我人や急病人でも出ない限り、いきなり遠征先に呼ばれる可能性はかなり低いと思います。
次に可能性があるとすれば、8月26日にNZ国内で予定されているアルゼンチン戦。もちろんアルゼンチン代表も決して簡単な相手ではないですが、TRCの中では比較的戦いやすいアルゼンチン戦で、かつ国内の試合ということで復帰試合としては悪くない状況ではあると思います。
ただ、やはりTRCという一つの大会の中で怪我人による離脱もない中、追加招集というのは、あまり考えにくいのではないかと思います。
また、NPCワイカトにとっても、主力選手が開幕節だけ出場してチームを離れてしまうとチーム作りも中々難しくなると思います。(これはNPCあるあるですが…)

さて…
ここまで御託を並べに並べてまいりましたが、ここからが本題です。
以上を踏まえると、一番復帰の可能性がありそうなのはTRCの次の一戦。
まだ、正式に発表はされていませんが、10月29日に国立競技場での開催が噂される日本代表戦ではないでしょうか!(超希望的観測)

その理由としては以下の通り。
・スコッドを再選出する
・NPC閉幕後である
・マッケンジー選手は日本代表の情報を持っている
・何より、日本のファンが待っている!

日本でオールブラックス復帰となれば、我々日本のファンにとっては最高のシナリオですね!


クラブラグビーでプレーについて

マッケンジー選手の熱心なファンであれば、ご存じかもしれませんが、マッケンジー選手は先日クラブラグビーの試合に出場を果たしました。

クラブというのはNZ国内に多数存在する地域のチームのことで、上にも掲載したNZラグビーピラミッドの4層目にあたり、ラグビー王国NZを下支えする基盤とも言えるカテゴリになります。

NZラグビーの4層構造

前述の通り、この試合の出場ではオールブラックスへの選出資格は回復しませんが、NPC開幕までの調整という目的の他、地域や家族への恩返しという意味合いもあるのではないかと思っています。
今回、マッケンジー選手がプレーしたクラブチームは、現在拠点を置いている北島のワイカトではなく、出身地である南島のサウスランドという地域のウッドランズRFCというチームになります。

マッケンジー選手はウッドランズRFCでプレーしたことはなかったものの、彼の家族にとって非常に関わりの深いクラブだったようです。
この試合のゲームキャプテンで、10番を背負って出場した兄のマーティ・マッケンジー選手の他、従兄弟のロビー・ロビンソン選手(今季は豊田自動織機シャトルズ愛知でプレー)もかつてこのクラブでプレーしていたようです。

ちなみにこの試合の対戦相手であるスターRFCにも日本から戻ってきた選手がいます。
釜石シーウェイブスに所属していたモーガン・ミッチェル選手と清水建設ブルーシャークス江東に所属していたジョシュ ・ベックハイス選手がメンバーに入っていました。
今季のリーグワンのDiv1~Div3に所属していたプレイヤー達が一堂に会したわけですね。

StarRFCのFacebookより

こちらの記事には少しだけプレー映像も掲載されていますので、是非ご覧ください。↓↓


マッケンジー選手が再び黒衣を纏ってプレーする日が待ち遠しいですね!


おまけ:
日本でワイカトのグッズが欲しいという方は、こちらのショップで購入できます。在庫が残り少なそうですが、とてもお値打ちになっています。

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