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体調不良シリーズ 痛み


何だかあちこち痛い、関節のだるい痛みがある、痺れ、重苦しさ、関節が腫れぼったい、そんなこと感じたことはありませんか?
そのような痛みを、中医学では痺症と呼ぶことがあります。
この前私が痛みを感じ、自分で弁証してみたのはこれかなと思ったので、紹介できればと思います。


痺症かな?

この前、痛みに悩まされた私。仕事で忙しくても、少しストレッチはほぼ毎日やっていた私。
仕事中、午後になったとき、少しずつ右の股関節の部分の痛みが出てきて歩くときにまっすぐ歩くのが難しくなりました。その後、少しずつ右側の足先の薬指と小指の痛みが出てきて、何だかついでに手の小指も痺れが出てきました。

接骨院へ

にっちもさっちも行かなくなった私は、とりあえず取り急ぎ接骨院へ。接骨院は保険適応なことも多いので、施術時間はすごい長いってわけでは無いんですが、こう、不意に起きた体の不調のメンテナンスに素晴らしいなと感じました。

筋肉が硬くなっていた

股関節の痛みや臀部と腰部の周りの筋肉がガッチガチに凝り固まっている様子があったそうです。ちなみに冷えるとより固まりやすいので、冷やすのも良く無いと言われました。冬は寒いから冷える、夏はエアコンで冷えるっていう現代は体が冷えやすい状況なのかもしれませんね。

手のしびれについて

私が感じていた手のしびれは常時あるものではなく、何だか痺れたり痺れなかったりする、というものでした。常時しびれてる人は、首から来てる危険性もあるので、整形外科や神経内科等で一旦見てもらった方がいいかもしれませんね。
私の小指のしびれは肘の内側の筋肉が緩んでいない状況が続いていたせいでおきたもの、だそうです。
ストレッチの方法を教わって行ったり揉んでみたり、温めてみたら治りました。

痺症ってなに

痺症とは、外から入ってくる外邪が人に影響を与えて、経絡を詰まらせ、気血の運行を妨げられて出てくる症状です。
色々なタイプがあり風寒湿痺の中には、行痺、痛痺、着痺があり、後他には、寒さではなく、熱の邪が原因の風湿熱痺、というものがあります。
以下に、タイプ別の痺症の特徴を記載して起きますので、自分に何か当てはまるものが無いかチェックしてみましょう。


1.風寒湿痺

1−1 行痺(こうひ)

行痺とは、体の四肢の関節にだるい痛みがある、痛みの部位が固定しない、関節の屈伸がしにくい、また、発熱の症状があるといった症状があります。

関節の痛みや屈伸がしにくいというのは、経絡という本来体内を流れているものを詰まらせてしまったため起こす症状です。
行痺というのは、風の邪が盛んな状態で、風のよく動いたり、変化するといった特徴によって、体のあちこちが痛くなったりすることが考えられます。

1−2 痛痺(つうひ)

体の関節の痛みが比較的に強い、痛む場所が固定している、温めると痛みが楽になり、冷すと痛みが強くなる、関節は屈伸できない、痛いところの皮膚は赤くなっていない、触っても痛いところは熱を持っていない、という症状があります。

経絡が詰まっていて、寒邪というものが体に入り盛んになっている状態です。寒邪というのは、固まりやすく動きが鈍い性質があるので、痛む場所は固定しており、強い痛みが出ます。温めると気の流れや血の巡りが良くなって痛みは軽減します。寒いと気や血の巡りが悪くなるので、痛みが強くなるという性質があります。

1−3 着痺(ちゃくひ)

着痺は関節が重だるい、関節の痛みや腫れがある。痛みの場所が同じ場所である、手足の動きが重いため動くのが不自由、皮膚の感覚があまり無い、などの症状があります。

湿った邪が体の中で悪さをしている状態です。湿邪とは、重く、粘着性があり、痛みの場所が固定しています。感覚麻痺や重だるさ、腫脹などがあり、筋肉に溜まると、関節の動きを邪魔するので、手足が重くなります。


2.風湿熱痺

関節の痛み、痛いところが赤くなっていたり、腫れていたり、熱い感じがある。冷やすことで痛みが楽になる、痛くて触ることができない、などがあります。多くは、イライラして落ち着かないなどの症状がみられます。

熱のあつい邪が経絡や関節を塞ぎ、気や血の巡りが詰まって通らないため、関節が痛んで屈伸ができなくなり、患部が腫れて熱を持ちます。熱が盛んになると体内の津液と言われている水分がより消耗してしまい、発熱や喉の渇き、イライラして落ち着かない等の症状が現れます。

自分にとっての症状

私が痛みがひどかった時は、痛みの場所が股関節の一部で固定している、お風呂に入り温まることで良くなる、関節が動かしにくくなる、等の症状があり、痛痺であったことが考えられます。

人によって痛みの感じ方が違うことや、痛みが出ている原因が痺症では無いところからきていることも考えられるので、一人ひとりに合った診断が大事だと考えられます。

ずっと痺症になると?

痺症の症状が長引いてしまうことで、体の中に必要な正気というものが少なくなり、体にとって不要な邪気が居座りにくくなるため、瘀血(おけつ)という体にとっていらない古い血が経絡の通りを妨げます。また、体にとって必要な水分である津液が固まってしまい痰になります。
また、詰まってしまうことで、体の気血が不足することで、五臓へも悪影響が出てくることがあります。
治療は漢方薬だけではなく、マッサージやお灸、針なども効果的です。

予防も大事

痺症の予防は、日頃から体を鍛え、住むときには出来るだけ湿気が少なくなるように気をつけることが大切です。
外邪が入って来ないよう、温度調節をしたり、普段から養生することも大事です。
痺症にこだわらず、出来るだけ養生した生活を取り入れることで、免疫力が上がったり風邪が引きにくい、体調が悪くなりにくいなど効果があると思います。


少しでも痛みを感じたら

体に痛みを感じることは、普段の日常生活に大きな影響を与えてしまいます。
仕事の効率が良く無い、そもそも動くことがだるくなってしまう、などたくさんの悩みのタネの一つです。
少し痛いだけだから、と決して軽視せず、ご自身の体調と向き合い、改善していきましょう。

説明動画を作ってみたのでよかったらみてください。
https://youtu.be/bpBZvxfECJo


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