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彼は彼、わたしはわたしのメンタルヘルスだから。できることは何もないけど。

米軍勤務の彼の心がパンクしそうになっている。
それを見ているわたしも心が沈んできて、せっかく離れていたカウンセリングの必要性を感じた。

厄介な結婚の手続き、車を買い替えたのでその切り替え手続き、新しい仕事、合格する必要のある試験の準備。

そして、自分の部下のメンタルヘルスのケア。

23歳の彼には荷が重いと思う。
わたしは毎日申し訳なくて仕方がない。わたしが日本人なせいで余計な手続きは増えるし、言語の壁がないわけではないから、何か話したくてもそのせいでお互いイライラしてしまう。

仕事のせいだとわかっていても、急に変わるスケジュールや呼び出しなどにはわたしも疲れてしまう。彼のせいにしたくなってしまう。
「わたしが休職中で働いていないからって家のこと頼りすぎじゃない?」とか言いたくなってしまう。彼は辛いのに、より辛い思いをさせてしまう。

米軍ワイフの先輩方に聞いてみたい。ワイフとして生き抜くコツを知りたい。

軍人に全く見えないくらい、いつもニコニコしていて人当たりが良い彼は、その人当たりの良さのせいでまた別の苦労をしている。
弱さを見せてはいけない組織だから、素直に自分の間違いを認める彼を周りは良しとしない。
だからこそ余計に精神的にいっぱいいっぱいになってしまうし、自分で自分を追い込んでしまう。

部下のメンタルヘルスよりも、彼は彼のメンタルヘルスを気にかけるべきだとわたしは思う。心配で仕方がない。

もしかしたら、わたしが重度のうつ病と診断された時、彼もこんな気持ちだったのかもしれない。

泣いてばかりのわたしを見て、病気のせいだとわかっていても、うざったく思っただろうし、いらいらしたかもしれないし、自分も引き込まれてしまいそうだと感じたかもしれない。どうやったら助けられるかわからなくて、無力感を感じて、困っていたかもしれない。

それでも彼は飛び越えてきた。
性犯罪について学んで、わたしと出会う前のわたしの苦しみを理解した。
そういう努力をたくさんたくさんしてくれた。これが彼のやり方だった。

わたしのやり方はなんだろう?
守らなければいけない秘密の多い組織の話をするわけにはいかないし、ただ何かに苦しんでいる彼を見ていることしかできない。
「わたしはいつもあなたの味方よ」と言うことしかできない自分が無力で仕方がない。いまはわたしはそれが苦しい。

治療が必要だと診断されるかどうかに関係なく、メンタルヘルスのケアが必要な人の家族やパートナーや友人は、
彼ら彼女ら自身も、自分のケアを必要としているのかもしれない。
同時に自分と他者をケアするのだ。

自分が病気の間には気づけなかったけど、こう思ったら彼のことも支えられる気がする。

愛だけで乗り越えられるわけではないけど、愛があるから乗り越えられる。愛だけでは乗り越えられないから、プロの助けを借りてみる。

病気になったからこそわかった。
メンタルヘルスのプロの助けを借りた方が良いと気づくことこそが難しくて、しかもプロを頼るべき場面は日常で意外と多い。

毎日のスキンケアを、将来への自己投資だと思ってお金をかけるように
メンタルヘルスのケアも、将来の自分の健やかな人生への投資だと思って、大切にしていきたい。

肌と同じで、一度大きな傷ができると修復にはしばらく時間がかかるから。


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