見出し画像

イワシのウロコは途方もなくキラキラのブルー

海藻おしば用の海藻を拾いにいった
人生の30年以上を海藻おしばに捧げている先生にお声をかけてもらった
生き字引というなら、まさに先生のことという感じで
そもそも日本における海藻辞典の海藻標本は、冗談抜きに、ほぼ先生の作品だし、海藻の種類はもちろん
どの場所にどの海藻があるだとか、同じ海藻でも、日本海と太平洋の海藻の細かな違いだとか、etc...
海藻と海、その作品づくりを誰よりも愛し、海藻おしば作品を美大出身ならではの高いアートクオリティーに押し上げている、その人である。
(魅力溢れる海藻おしばの先生のストーリーはまたゆっくり書きたいです)

今回、伊豆のダイビングスクールの経営者さんのご家族に、ダイビングのメッカでもある
井田という場所に連れて行ってもらいながら
沼津西浦界隈を周る

私のような、にわか海藻おしばファンには
聞いたことのない海ワードがバンバン出てきて、ついていくのに必死だ。
今年は丸い海藻、フクロノリが大量にあるらしい。
先日、先生の作品を拝見したときに
丸い海藻の作品をみつけ、'これは何ですか?'
と真っ先にきいた海藻だ。

→この丸い海藻


年により、増える海藻や減る海藻があること、
また今年も例年より少ない、
(つまりどんどん減っているということ)
また、潮の満ち引きに合わせて海藻を拾いに行くと良いとのことで事前に調べていく。
これは、釣りをする人ならご存知のようなのだが
釣具屋さんに100円で小さな年間の潮の満ち引き表が売っているそうだ。
(この辺りは駿河湾界隈の情報)

満月により、満ち引きが変わるらしい。
もちろん知識として知ってはいたけれど
こんな風にcm単位で深さや、細かい分まで出されているなんて、ほとんどミラクルだ。
(ただ駿河湾は広いので地域により多少の誤差があるそう)
先生曰く、潮の引き始めに拾う方が海藻の状態が良いらしい。

アリエルが好きで海のものが好きだから、という軽い興味から関わった海藻おしばアートだったが、作品づくりそのもの以外にも、意外にも勉強することや学びが多い。
海環境や地球のことを知ろうと思って
海藻おしばをはじめたわけではないからね。
私の場合。

最近おうちに飾っている
宝物のアリエルの絵。海藻とアリエル....♡↓






今日は、一つ衝撃的な事件が発生したので書いておくことにしました。

海藻を拾っている最中に
(正確には、海藻の動画を撮影しているとき)
200匹くらいのイワシの群れが、私たち親子の足元まで
やってきたのです。
ギャアーーーー!!


それはさながら
地上にいながら海中にいることを彷彿とさせた
魚たちが絵本スイミーのようにS字を描きながら、波にのり、凄いスピードで
私たちを囲んだ
でもあまりに衝撃で脳内では、スローモーションにも
みえたかもしれない
その大群は、本当に青紫で、キラッキラしていて
あまりに美しかったので

とてもイワシとは思えなかった。  

イワシとわかったのは、ダイビングスクールの方が
イワシだ!イワシだ!
と叫んでいたから。  


魚料理より肉料理を作るし
魚を捌きたいという願望も皆無な私

そしてダイビングも未経験  
シュノーケリングで小さな可愛い熱帯魚の
何匹かをポチャポチャ愛でて喜んでいた部類の私

そんな私の足元で
次の瞬間

今生きるか死ぬか、リアルに
数え切れないほどのイワシたちが
ピチピチいい始めた、

キラキラ七色に光るウロコを
四方八方に振り撒きながら…

(kia seaweed instagramにこの動画を上げました)

https://www.instagram.com/s/aGlnaGxpZ2h0OjE3OTI4Mjk1MzYwMzQxODc0?igshid=mcja0bbeyzuq&story_media_id=2285600705547325904

ポカンとしている間もなく
"今夜の夕飯だ"という声が聞こえ
今まさに海から来たばかりのイワシたちを
拾うことになった

そこは船が出入りするようなコンクリートだったから

一度水から顔を出した
イワシたちは可哀想に、もう、うまく海へは戻れなかった

そして私もイワシを拾った
イワシの動きは俊敏だった
逃げ場もない代わりに早く拾って!と
言っているようにもとれた
拾おうかどうしようかなんて
考える猶予もこの展開ではあり得なかった

触るそばから手にキラキラしたウロコが付いた

あまりに綺麗だったから
大切にそのウロコを保存しようかと思って
一枚一枚にしようと試みたけれど

薄いフィルムみたいで
ラップがくっついたみたいに
全然綺麗に取れなかった
それで、ウロコ集めは諦めた

イワシは
ツルッとしていて
生きていてハリがあった
もちろん動いていた

触ったことのある死んだ魚みたいに
クタッとしていなかった

さっきまで海の中にいたはずの
こんなに元気な生きている魚を
なぜか海藻拾いにきた私が掴みどりしているのが
不思議だった

すでに充分に拾った海藻の袋の中に一緒になって20匹はイワシが入った

海藻おしばを勉強し始めて
何故海藻が、海にあるのかを知った
温暖化や色々なことで魚たちも減っていると知った

だけどね
私の中で本当には繋がっていなかったと思うんだ

海=魚=海藻
海と海の生き物、海の森という構造をね


その日
はじめて大切にイワシのワタを取った
魚のことをこんなに愛しく感じたこともない
そして揚げて食べた

こんな気持ちは、初めて。
釣りする人の気分ってこれなのかな。


とにかく私は今日知った、
イワシくん
あなたは私の中で今日から特別な魚になった。
私に海の宝があるということについて、
本当に身をもって
教えてくれた存在。






こぼれたキラキラのウロコ*・゜゚・*:.。..。.:*・'




今日のカバー写真は
イワシのウロコと海藻@井田(静岡県沼津市)

instagram
@kia.seaweed

https://www.instagram.com/p/B-9H3I6BS6x/?igshid=q6cxrlfx7av2

この記事が参加している募集

#休日のすごし方

54,382件

#SDGsへの向き合い方

14,720件

よろしければサポートをお願いします。いただいた費用はフルーツなどの材料の調達につかわせていただきます!🍒