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tachisara
息が吸える
弟への偏愛が耐えられない、もう私は要らないでしょと告げてから四日。
いつ来るかわからない連絡に怯えなくなり、少し心が穏やかになったとともに、今までのことが急に甦り、動悸が早くなる瞬間がある。
私の友人や芸能人について、すぐ容姿を貶す発言をしていたこと。「おブスだね」「あれはひどいね」、息を吐くように悪口を言っていたこと。
お金がない人をバカにしていたこと。心の病を蔑んでいたこと。
高いディナーを食べに行って虚栄心を満たしていながら、味はよくわかっていなかったこと。安い店は、食べる前からまずいと決めつけていたこと。
一つ一つは、くだらない、些細なこと。でも、確実に私は削られていたんだなと思う。
子供の頃、なんとなく感じた違和感や嫌悪感が、大人になってくっきりと言語化できた。私はずっと、汚い空気を吸わされて生きてきたんだということ。
人を見下し、バカにして暮らしながらも、その見栄っ張りな生活で「お金がない」と言う。愚かだと思う。
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