ばいばい、京都。
この記事は
に分類されますので、テンションは終始ローだよッ!新社会人の嘆きが面白いわけねえだろッ!!許しておくれッ!!!
惜別ってなんなんだろう。
親しい人と死に別れたのなら、わかる。
二度とその人と話せない悲しみ、あの時こうしていればという後悔。その人との今後がないことを知り、全てを惜しむ別れ。
親しい人が海外に永住を決めたのなら、わかる。
その友人と過ごす時間が何にも代えがたいほど好きなのに、会えなくなる悲しい別れ。
じゃあ、今の気持ちはなんなんだろう。
惜別って、3時間かければ会える友人との別れにも当てはまるのかな。
ちょっと、簡単には言い表せそうにない。
涙が溢れないように我慢するのに必死なのだ。
昨日今日と、大学のサークルでバンドを組んでいた友人たちと遊んだ。都合悪く卒業旅行に行けなかった私達は、いつも通り駅ビルで昼から酒を飲み、家に泊まり、昼に解散した。
いつも通り、解散したかった。
今までのように同じ電車で帰るのではなく、各々が新居に帰るために別々の電車に乗った。
「じゃあね」で別れるのではなく、「気をつけてね」「頑張ってね」の言葉がいつもより余計だった。
ほんの少しだけ、いつも通りではなかった。
特急サンダーバード敦賀行きに乗る。今日は強風のため30分到着が遅れるそうだ。車窓からの景色も、心なしか普段よりゆっくりと過ぎ去っていく。田園風景を横目に、ひとり。涙を堪える。
今生の別れではない。あいつらは京都、私はとりあえず2ヶ月半東京。夜行バスに乗れば会える。
友との別れで深く落ち込むような人間ではない。決まった友人に依存しなくても、やっていける女だと思っている。
でも今は。
泣きたくて、泣きたくて、堪らない。
ああ、きっと怖いんだ。
4年住んでやっと慣れてきた京都を出て、東京で新社会人になることが。新生活がどれだけ辛くても、気軽にあいつらに会えないことが。
認めたくなかった。
ひとり東京に行き、少しのことで折れてしまいそうな自分を。
気付きたくなかった。
けれど、別れ際のバンドメンバーの顔つきが、いつもと違った。なにかが、違ったのだ。そのなんとも言えない表情にひどく動揺し、その瞬間、別れを強く実感した。
なんとか、涙を流さずに解散することには成功した。だがいつまで経っても、涙は込み上げてくる。
でも、今は泣きたくない。
今泣いたら、暫く会えないことを認めてしまう気がして。不安に押し潰されそうな自分を認めてしまう気がして。多忙を理由に、彼らに会わないような気がして。
そんなことはしたくない。
だから、今は辛くても泣きたくない。
そうやって、ぐだぐだ思い悩んだり、ふて寝したりしているうちに、実家のある金沢に着いてしまった。
荒天で電車はいつもよりゆっくり走っていたが、さすがに特急と新幹線は速かった。この記事を書き終わる前に着いてしまった。心が物理的速度に追いつかない。まだ、涙目の私。心は前に進めずにいる。
惜別。
今日の私にとっての惜別とは、心の支えだった友人達との別れ。新社会人として、子どもみたいに親や友人に頼りきってしまう自分との別れ。そして、またすぐに会うぞという決意。
涙が溢れたら、欠伸のふりをして。
ぐうっと、ぐうっと、涙を堪えている。
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