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学歴だけでは人生100年を生き抜けないと思う3つの視点

終わりの見えないコロナ禍。
常識が常識でなくなるスパンが、
ずいぶん早くなってきたと感じる昨今。

子どもたちが生きる未来を予想したくても難しく、
思いついたとて全く当たる気がしない。
ならばどんな未来でも、どんなコトに遭遇しても、
自分自身で課題と解決法を見つけて乗り越えていく力をつけて欲しい。

我が子を含めた子どもたちに
「生き抜く力」を身につけてもらうために
何か私にできることはないのか?とぐるぐる考える日々です。

ところで「生き抜く力」って一体どんな力のことでしょうか

40代の私が育ってきた時代は、
大学を卒業して企業に就職をすることが1つのゴールでした。
(定年退職後は余生!と思ってたら、
人生100年時代と言われ再度ゴール設定が必要ですがー)
現代を生きる子どもたちは、
どこに向かっていったらいいのでしょう。

答えが見えない中、
せめて勉強だけは落ちこぼれないようにと、
就学前から読み書き等のインプットを始める傾向もありそうです。
都会では小学校・中学校の私立受験生が年々増えています。
塾や習い事が週7で入っていて、息つく暇もありません。

学歴主義ド真ん中を生きてきた親世代からすると、
相応の学歴がないことによる生きづらさを
我が子に味合わせたくない、
と思うのは自然なことだよなぁ。

じゃあ良い大学に入れたらそれだけで一生安泰なの?
いやいや、たぶん違うよねと考える理由を3つ整理してみました。

1. 何はともあれ、100年生きる身体が必要

100歳まで生きるには、まず100年耐えられる健康な身体が必要です。
筋肉や骨の丈夫さだけでなく、脳や内臓も。

言わずもがなですが、
この基礎となる部分を作る時期は子ども時代であり、
大人になってから土台を作り直すことはできない。

乳児・幼児・学童・少年期に、
ちゃんと食べ、動き、寝るという
動物としての当たり前の生活をすることが身体作りの基本。
勉強や部活動や遊びに精を出すあまり、
食事・運動・睡眠が不足する生活を長期間続けてしまっていたら、
高齢になった頃にどんな影響があるのか?と心配になります。

子どもの頃はリンパ系の働きも活発なので、
疲労や怪我・病気からの回復も早く、
すぐ元気になっちゃう。
だから無理してるのか、無理してないのか、
判断が難しいだろうなと思う。

100年を生き抜く身体の基礎を作るのは子どものうち、
という重要な視点を忘れないようにしたいです。

2. 高学歴=できる人、とは限らない

成果を出し続ける優秀な人というのは、
1を伝えれば10を理解し、
常に視野が広く、思考が深く、
端的なアウトプットができて、
周囲もうまく巻き込み、
フットワークが軽い。

参りましたーーと感服してしまう人が
私の周囲に何人もいますが、
その中で「 さすが●●大だよね!」と学歴付きで評価される人は
ほんの一部です。

会社の採用業務を担当していたときは、
たくさんの大学生と接点がありましたが、
そこでも当然ながら、
入って欲しいなと思う人が高学歴とは限りません。

学歴は、
その人が難関試験を突破するための努力をしてきた素晴らしい証だけど、
それ以上のことはわからない。

変化に対応できる柔軟性を持ち合わせているか?
チーム内で協働できる人か?
課題を見つけて解決しながらゴールまで走りきれる人か?

勉強は得意じゃなくても、
地頭が良くて人間的魅力のある人。
そんな人を発掘すべく四苦八苦してきた経験から思うことは
「高学歴=仕事ができる人」という法則は存在しない
ということです。

就職するにしても、起業するにしても、
置かれた環境において知識や技能を活用できなければ宝の持ち腐れ。
できる人って何が違うんだろう?
どうやら「非認知能力」が関わっているようです。

3. 「非認知能力」が不可欠

文章を読み解いたり、
数式を使って問題を解くことを「認知能力」と呼ぶのに対して、
点数化しにくいコミュニケーション力や忍耐力、
感情のコントロールといった能力は
「非認知能力」と呼ばれています。

私が手に取った書籍がこちらです。

学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」中山芳一 著

書籍

こちらの本、
私が日頃感じていた ”学歴至上主義へのモヤモヤ” を整理してくれた
救世主のような書籍でした。
読み終わった時には「感謝と決意のお手紙を書かなくては!!」と感動で震えるほど。
著者の先生とただのサラリーマンの私、
生年月が一緒でやや焦りを覚えます。

アメリカや日本を含めた35ヵ国で結成される国際機関OECD(経済協力開発機構)では、2015年に「社会情動的スキル(Social and Emotional Skills)」を提唱しました。

         (中略)

【社会情動的スキルのフレームワーク】
1.目標を達成するための力(忍耐力、自己抑制、目標への情熱)
2.他者との協働するための力(社交性、敬意、思いやり)
3.自分の感情をポジティブにコントロールできる力(自尊心、楽観性、自信)

「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」中山芳一

採用の審査ステップで学生さんから見出したかった能力は
「社会情動的スキル、非認知能力」だったわけです。

また家の構造に喩えて(「土台・基礎」は”自己肯定感”とし、その上に)柱・筋交いとして非認知能力、
その外側に壁・窓・天井・扉などの認知能力(知識・技能)がある、
と表現しています。

土台や柱をおざなりにしたままで、一生懸命に天井や壁ばかりを取り付けようとしたら、その家はどうなるでしょう。少しの揺れでもあっという間につぶれてしまうことは容易に想像できますね。

「学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす」中山芳一

偏差値がダントツに高い大学に入る人はみな、
この3つのスキルを持ち合わせているのでしょうか?

あれだけの難関をクリアするわけですから
1.目標を達成するための力(忍耐力、自己抑制、目標への情熱)
はおそらく獲得済みでしょう。
しかしその他はわかりません。
実際、私の出会ってきた超高学歴方々では、
この3つを持ち合わせている人はほんの一握りです。

私自身は特に、
3.自分の感情をポジティブにコントロールできる力(自尊心、楽観性、自信)が欠けていると自覚します。

100年生きていく過程では山あり谷あり、
身体と同様に心の丈夫さも不可欠です。
幼少〜少年期の集団生活で自然に備わるものなのでしょうか。
そこで獲得できない場合に、
社会人になったら勝手に身に付く、というものでもなさそうです。

じゃあどうやって・・・?
同じ書籍にヒントが沢山あったので、
またぐるぐる考えて、別の記事で整理していきたいと思います。

100年を生き抜くために

私が考える「生き抜く」は、
どんな場面でも自分の意見を持ち、
自信を持って選択し続けること、
かな、
と整理しました。

丈夫な身体はもちろん、学んだことを存分に活かして、
自尊心を持ちながら他者と共に生きていくこと。
試験の点数が目標値を超えただけでは得られないことが沢山ありそう。
我が子にどんな子供時代を過ごさせるのが良いか?
まずは親が、周りに流されることなく自分の頭で考え、
一つずつ慎重に選んでいく必要がありそうです。

そして親もまた、
自分の人生100年に向き合い、
子どもたちに自分の姿を見せていかなくては、ですね。

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