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いよいよ家族会議 前編【HTLV-1キャリアでもある私】回想・・11

なかなか帰ってこない忙しすぎる息子を、何とか呼び寄せた。娘にも帰ってきてもらった。

まずは息子にHTLV-1のことを少し話してから赤十字からの手紙を見せる。手紙を持ったまま部屋に引きこもってしまった。ショックを受けたはずだ。娘は気丈で冷静でいてくれた。そして「私、2年前に献血したけれど、問題なく・・というハガキを赤十字からもらったんだけど・・。私は感染していないと思うのだけど。最近も献血行ってたから、そろそろ結果が届くはずよ。」と不思議な事を話した。偶然にも、流行ウイルスのなか血液が足りないと聞いて献血に協力していたらしい。娘が感染しないで、息子だけが感染するってあり得るんだろうか。同じように母乳を与えてきた。どちらかと飲みが良かったのは娘の方だった。またこの病についての疑問が湧いてくる。娘は感染していないという望みも出てきた。ちゃんと検査をすれば息子も感染ではないと、結果が出るかもしれない。期待でドキドキしてきた。

 

娘は婚約者と話し合ったという。婚約者は驚いていたが、たとえ感染していたとしても、娘と結婚すると冷静に言ってくれたらしい。

そして私たち夫婦に、うちに挨拶に訪ねたいとまで言ってくれたという。
今度は感激で泣いてしまう😂

 

部屋に籠った息子を呼び出し、夫・娘・息子・私の4人で話し合った。付き合っている子はいないらしい。母乳感染が高いから一緒に病院に行こうと提案した。息子はプイッと「病院なんて行かない。自分の勝手でしょう。」と言った。(・・夫と同じ・・)

私は説得にかかった。夫は「まぁ、まぁ・・。」と私と息子をなだめる。娘も息子を説得にかかる。そのうちに私は「苦しい思いをさせてしまってごめん、ごめん・・。」と涙が溢れてきて何度も謝った。息子はまたプイッとして部屋に籠ってしまった。

息子が献血したのは人生初20歳の献血であった。本人は何も言わないが、献血した日付けは私の誕生日でもあった。私の勝手な想い込みかもしれないが、ろくに口をききたがらない息子だが、私への優しい気持ちと深く感じた。それなのに私は、息子に大きなものを背負わせてしまっていた。私がHTLV-1キャリアであることをもっと早く気が付くべきだったが、この時気が付いたことは何か意味があるのかもしれない。


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