舐めプレッチェのポイチ~「必殺技」を求めて~

 まずは謝罪から。当文章は一部の紫色のクラブおよび、そのクラブのレジェンドにして某国サッカー代表を率いている監督さんに対する悪意は一切ないということを予め表明しておきます。だってどういう文章書こうかな~と思って晩の飲みものを探しに夜の街を彷徨ってたら、ふと頭に浮かんできたんだもん……。

 こんばんは。某仕事を無事? クビとなり繋ぎの仕事をする中で稼がなきゃな~と思っていたら、まさかまさかのアイマスPとしての活動が稼業になりそうなお仕事を見つけて就活のテンションが爆上がり中の北条加蓮Pサッカー部員のkcでっす。今回は残念な結果に終わったアジアカップより後の北米W杯アジア二次予選までのサッカー日本代表の戦績を振り返りつつ、今後どのように戦っていけば日本はいい試合をしつつW杯の最低目標とされるベスト8に行けるのかを、サッカー経験者である私kcの意見を踏まえながら考えていきたいと思っています。
皆さんは私の意見を読みながら「ふんふん、言ってることはもっともだな」とか「いやいや、それは違うと思うぜ?」とか「kcあいつ、学マス最初のガシャ40連でSSR計6枚抜きしてるの許せねぇよ!」だの思いながらご一読いただけると幸いです。リーピャンカワイイヨー

 さてさて前置きはこれくらいにしておいて本題です。今回の大まかなテーマはズバリこれです。『サムライブルーは軸となる、こうすれば点数を決められるような武器を手に入れたのか? あるとすればそれはいかなるものか?』というものです。
 前もって言っておくとサッカーというものはこれをやれば絶対最強で無敵というものが存在しません。たとえあのブラジル代表だって弱点を徹底的に調べ上げたうえでそれを突く戦術を浸透させ、本番でその一点に賭けてさえいれば今の日本なら20試合やれば1試合は勝ってもおかしくないサッカーができるだけの実力は備えています。
 W杯優勝経験無しの日本がそれをできるのですから、例えばW杯出場経験無しの大陸間予選プレーオフを狙える国ならば、ブラジル相手だって1/100の確率で勝てると言っても過言でないのがサッカーです。なのでここで語ったことはあくまでも『困った時に頼るべき手段』を語っていると思ってください。相手によってはそれを捨ててまでも攻め入る必要があるのがサッカーという競技です。

 最初に語るはホームの北朝鮮戦です。
 日本の布陣は4-2-3-1。GK鈴木、DF左から伊藤、町田、板倉、菅原、ダブルボランチに守田と田中の川崎コンビを置き、2列目は左から前田、南野、堂安、1トップには上田が入りました。
 この試合ははっきり言って消化不良でした。最近限界が見えつつあった偽SBが2列目のふたりがサイドとは逆足利きということで偽としてでなく古典的なSBの攻撃参加を見せるものの、特に伊藤は最後の精度なども不足していたせいで低評価を付けざるを得ない結果となってしまっています。
 攻撃の選手も幸先の良い先制はしましたがご覧の通り追加点は奪えず。この試合を見て私は柔道五輪金メダリストの野村忠宏さんが後輩に贈っていた言葉の「必殺技を持て」という言葉の重みをひしひしと感じることとなります。

 閑話休題。今思えばアジアカップで優勝できなかったのは圧倒的なゲームプラン不足によるものだったと私は思っています。無敵艦隊同然の日本に久々に土をつけたイラクは、前半20分までにオーバーペースで走り回って早い段階で点を取って楽になろうという奇策を立ててきました。日本の前に立ちはだかったイランも粘り強く戦えば自分たちの強さである高さと強さを活かせると皆が知っていたように思えてならないのです。
 私が人生の書のひとつと崇めている中国の兵法書である『孫子』には超訳すればこう書いてあります。「戦争というものはセオリーと奇襲を使い分けないと勝てない。それの使いどころは常に入れ替わっているので誰がそれを極められようか」と。中東の二ヶ国は結果としてはこれを実行に移したからこそ日本に勝利を収めたと私は思っています(ちなみに私の人生のもうひとつの書はシンデレラガールズの二宮飛鳥役・青木志貴さんの『わがままに生きろ。』です。しきくんはいいぞ)。

 そういった苦しい時間帯で自分たちを奮い立たせてくれるものはなにか。それが野村忠宏さんがいう「必殺技」なのだと思います。『今の俺は追い詰められて苦しい。だけど俺にはこの必殺技があるからそれに賭けてみよう。今まで俺はそれで負けたことが無かったじゃないか。よし、一か八か前に出てみるぞ』。こうやって勇気をもって前に出て奇襲を仕掛けた者にしか勝利は訪れないのです。繰り返しにはなりますが私がここで語るのはその必殺技についてですし、もしこれを読んでくださった方が「森保ジャパンはこういう風にやってみたらワンチャンあるんじゃね?」と考え、それが実になる観戦体験をしてもらえればこれ以上の喜びはありません。

 元の道に戻ります。続いてはアウェイのミャンマー戦です。
 スタートの布陣としては初めての3-4-3となったこの試合の先発はGK前川、DF左から伊藤、谷口、橋岡、中盤の4枚は左から中村、旗手、守田、菅原、FWは左から鎌田、小川、堂安でした。
 この試合に関しては60分過ぎあたりから相手の足が止まってきたところが参考にならないという声も聞こえてきそうですが、テストとしては非常によかったというのが私の意見です。アジアカップで不安を見せたものの谷口は非常に安定しつつ、伊藤はタクトを振り橋岡は相手CFを封じる役目がほぼ完壁でしたし、両サイドのスコアラーも素晴らしい出来でした。小川に関していえば中村の締めの一発をアシストするという従来の日本にはなかったような体の張り方をできるというのは大きな収穫ですし、私はこの試合の森保監督が終始3-4-3ないし3-4-2-1にこだわってくれたのは、必殺技の引き出しを増やすという意味では非常に好印象を持ったということを言わせていただきます。

 それにしても今思うとなのですが、この森保一という男、一件おとなしめな印象を受ける熟練の指揮官といった風貌をしています。それに対しては私は何も言いません。
 ……ですが彼は現役時代は非常に熱いものを持った所謂闘将タイプでしたし、きっとそれは多くのエリートたちである選手を上手くまとめ上げているスパイスの中にも存在しているのだと私は想像します。そう、それは時に過激な要素を体現して。

 さて最後は昨日のホームシリア戦です。
 フォーメーションは3-4-2-1。GK大迫、DF左から町田、板倉、冨安、ダブルボランチに田中と遠藤、左WB中村右WB堂安、シャドーには南野と久保が入りワントップは上田です。なおこの試合は適宜フォーメーションが変わりますがそれについてはのちに語ります。
 まずこの布陣を見た時の私のひとことは「カタールの再来だ……」というものです。カタールW杯で日本が勝った時のピッチ上の布陣は3-4-2-1だったのは有名な話ですが、あの時はまさかまさかのWBに伊東と三笘を置いての勝利でした。
 つまり何が言いたいかというと、攻撃的な選手に守備を負わせてより一層攻撃の厚みを増したのがカタールの真相だったのです。よくサッカーでは「守備的な選手に攻撃をさせるよりも攻撃的な選手に守備をさせるほうが上手くいく」と言いますが、カタールと昨日ではそれをやってのけたのが森保一という男の芸当なのです。
 カタールに関していえば『孫子』のセオリーと奇襲の使い分けをしたという見方もできます。ただ昨日に関して言わせてもらえば、森保監督は所謂『舐めプ』をしたと私は思っています。何故ならアジアカップで消えることとなったイラン戦では、W杯で成功したからといってWB三笘で攻撃の層を厚くすることはしませんでしたから。これが外交だったらシリア国民に対して日本は誠意を欠いた舐めた行為をとったと思われても仕方ありません。
 『舐めプ』はそれだけではありません。森保一という男は攻撃の軸である中村を後半開始と同時に下げ、上手くいっていたフォーメーションを4-1-4-1にします。ブラジル式で言えば「上手くいってる時はいじるな」なのですから、はっきり言って森保監督は相手を舐めています。
 個人的なことを言わせてもらえばこの4-1-4-1というフォーメーションは私が試合前に一番期待しておりかつ可能性を感じていた布陣でした。右サイドの堂安と久保がポジションを入れ替わりつつ、堂安はカットインからのシュート、久保はドリブルからの崩しというギミックで右サイドにオーバーロードしつつゴールを狙い、空いた左サイドにシュート職人の中村が一発のシュートで沈めるというゲームプラン。しかしこの試合においては連携があまり成り立っていなかったことと、左WGの南野がWG向きでない選手かつペナルティエリア内で仕事をこなすタイプのシューターであることが点数を生み出せない要因となっていました。
 それだけではありません。普通ならゲームバランスが悪くなっているのは各々が勝手に見える行動をしているからキャプテンにまとめさせよう。同時にボランチからのボール供給を増やして前が渋滞している現状を変えるべく、2列目の選手を誰か3列目に落とす交代をしようと思うのが筋です。

 それなのに『舐めプ』の達人? である我らが森保一監督は、キャプテンの遠藤を下げる選択をしました。
 暴挙はそれだけではありません。普通だったら攻撃的と守備的の1枚ずつ、もしくはふたりとも守備的にするのがセオリーのダブルボランチをふたりとも攻撃的な選手に置き換えたのです。
 それがまだ途中の鎌田田中の並びならわかります。それを比較的守備的な選手の田中を下げて世界の舞台では守備面が未知数の地元選手である川村を入れ、かつて未完の夢といわれ世界で話題となった一時期のイングランド代表の失敗作ダブルボランチコンビ(もちろん選手としてはふたりとも間違いなく名選手中の名選手です)のジェラードランパード的な並びにしてさらに前に行ったかと思えば、今まで出番が無かったのが不思議なくらいにいいGKである谷を投入という余裕にも程がある失礼極まりないレベルの『舐めプ』を披露。これには私は笑うしかありませんでした(と同時に森保一という男の徹底的に戦い抜く姿勢というものを見せつけられ震えてもいました。くわばらくわばら)。まあ結果として相馬南野のゴールに結実したのでこの日はオールOKだったんですけどね()

 駆け足ではありましたがここまでの試合内容はこのようなものだったと思います。ここまで見たうえで私が「必殺技」だと思うもの、および「必殺技」を通すために必要だと思う条件を述べてこのnoteを終えようと思います。

 守備面に関していえば今回の三試合はあまりサンプルになるものがありません。強いて言えば右SB菅原は守備面で不安なので、今後相手を封じる4バックを敷く際は現状では冨安が右SBに入るという非常に贅沢な布陣を敷くしかないのかなとも思います。
 あと4バックに関していえば左SBも問題です。本来ならドリブルもある程度できる中山あたりが戻ってきてくれると計算が立つのでしょうが、私としては伊藤が来シーズンはさらに高い舞台(CL)で戦う予定なので、そこでの成長を期待するのが現状の最上手段なのかなとも思います。もちろん私は長友という選手を非常に信頼しているので、彼に代表での最後の輝きを期待するというのも手段なのかもしれません(それにしても平成初期産の私よりも上のあの歳になっても未だに進化を止めない長友には、ただただ拍手を送るしかないのですが)。
 ただし3バックにしてしまえばこれらの問題は一気に解決しますし、3-4-2-1も悪い手段ではないので3バックでしばらく戦うというのもありではあるんですけどね。

 さて問題の攻撃です。カルチョ好きの私でも攻撃がなっていなかったからアジアカップは負けたと思っているのでここのテコ入れは急務です。
 今までの森保監督の悪癖は選手の突破頼みというところでした。初期のNMDの堂安中島の個人技然り、『一ミリ』で一躍時の人となった三笘然り、今回の中村の一発然り。
 ですが個人的に感じた日本の希望はこの6月に行われた2試合にそれぞれ点在しています。まずはその最初のほうですが、それは相馬のクロスが小川の1点目をアシストしたシーンです。このシーンは日テレ公式YouTubeにあるので是非ご覧ください(URL: https://www.youtube.com/watch?v=GLR02iDC3M8 )
 このシーンは要は時間を稼ぐ中でCFの小川が自分の撃ちたいスペースを相馬と共有でき、それが結実したシーンと思ってもらえれば大丈夫だと思います。相手の足が止まっていたのと、万が一ついてきたとしても相手DFが小柄な選手だったのはあるでしょうが、これは私が希望だと感じた見事なシーンでした。
 もうひとつのシーンはこれはゴールに結びつかなかったので動画は無いのですが、シリア戦終了間際に堂安が逆サイドの相馬を感じて斜めのロングボールを送ったシーンです。
 これは想像以上に走れているシリア相手に決めていれば相手を正真正銘地に落とすこととなったシーンでしたが、それに反応する上田やブラインド状態になっても決めようとする相馬の頑張りが素晴らしかった一幕です。お分かりの通り私が希望だと感じているのは『サイドでタメを作れる選手からの逆サイドへのアーリー気味のクロス』になります。

 これのいい点を挙げます。1点目。斜めへの人およびボールの動きというのはDFとしては対応が難しいこと。2点目。アーリークロスというのはされた側からしてみれば戻りながらのディフェンスになりがちなのでアンタッチャブルが起こりやすいこと。3点目。これらは日本の弱点である体の弱さおよび背の低さを無視しうること。これら3点が私が日本の必殺技としてアーリークロスを勧めたいポイントです。

 解説をします。1点目ですがまず持論を語ると、サッカーをする人間というのは脳が何次元でサッカーをやっているかどうかで選手としての実力を判断できるというものがあります。
 要は1次元でサッカーをやっていれば縦に行くか行かないかの考えしかできないですし、4次元でやっていれば時間も見据えてサッカーができるすごい選手ということが言えます。要は時間を扱えなかったポルナレフのシルバーチャリオッツが、時間を扱えるディアボロのキング・クリムゾンに勝てないのは常識的に考えてもそうだよねということです(ジョジョわからない方すみません)。
 その際脳は疲弊すればするほど思考の次元が下がっていくのが常なのですが、これが扱えて2次元な選手が疲弊して1次元しか扱えなかったりすると、ピッチは縦横なわけですから斜めに動くという選択肢がすぐには出てきません。
 それを無視してもピッチ上の選手たちは縦横基準で自分の位置を把握し相手との駆け引きをするわけですから、斜めに動く人やボールというのはDFからしてみると非常にやっかい、つまりそういうプレーをするということはゴールに結びつく確率が増える可能性があるということです。

 2点目です。アーリークロスというのはいわゆるマイナスのクロスとは違い、相手陣の比較的浅いところから相手陣の奥へと斜め前に蹴るボールのことを指します。
 マイナスのクロスというのは自分のポジションを固めてしまえばあとは対応するだけなので比較的簡単なのですが、アーリークロスは相手の守備が固まり切っていないシーンで撃つことがあります。
 その自陣を固めつつも相手が不意に撃ってきたボールを対処しないと中に入り込んできたCFにシュートを撃たれて点を決められてしまう――これはDFとしてはちょっとした恐怖でもあります。
 そんな不完全な中でもプレーをして点を防がなければやられてしまう、ならばやろう→不完全な中でやったプレーが中途半端になってオウンゴールを決めてしまった……。これはDFのみが責められるシーンでないことが多いですが、FW出身の私からしてみればDFなんとかしてくれよ!! とチームに亀裂が入りかける瞬間でもあります。
 サッカーは集団スポーツという心理戦ですからこれをアドバンテージに攻め入る、しかもそれの使い手は遠慮を知らない『舐めプ』の達人森保一……この結末がどうなるかは皆さんのご想像にお任せします。

 最後3点目。以上1と2から相手のDFには相当な負担がかかっておりマークにつききれないシーンも出てくるかと思います。今回はそういうシーンのみが見受けられました。点に繋がった小川は高く強いですが、点に結びつかなかったとはいえ相馬は小柄な選手ながらもう少しで点を決める状況でしたし、それのブラインド要素を生み出して点を阻害した結果となった上田は190cmのCBがいるシリアのDF相手に頭ひとつ抜け出していました。
 私が好きな指導者のひとりである故イビチャ・オシムさんは、所謂『走れるタワー』型の選手を好みその愛弟子が利き足は頭と公言していた巻誠一郎さんなわけですが、もし今の代表でそういうタイプの選手が繰り返しアーリークロスの練習をして宝刀を抜く準備をしていたとしたら――私はそれが非常に面白いことだと思うのです。

 決してアーリークロスだけが日本を救いうるわけではありません。アーリークロスが通じない相手としてはドイツみたいに高くて強くて速いCBを3枚も揃えているようなところが挙げられます。そういうチームにはかえって今の日本の最大の武器であるWGをぶつけて正々堂々CBと勝負させたほうがカタールの浅野然り、ベルギー相手に点を取った原口然り結果が出ると思います。このあたりは完全に指揮官とピッチ上の選手の考えがどのように化学変化を起こすかどうかなので、その化学変化がどう起こるかを予想しながら「俺だったらこう攻める!」というのを考えるのもサッカーの楽しみなのではないでしょうか。

 またしても長い文章になってしまいました。私はこれから信頼しているアイマスPさんが教えてくださったことを守ってプロデュース業の世界に戻ります。皆様がアイマスの世界にも興味を持ってくださったらどこかで逢えることを心待ちにしながら、このあたりで文章を締めさせてもらいます。リーピャンカワイイヨー

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