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統計検定1級に合格してからの2年間を振り返る: コスパについて

2019/11/28 ならびに2020/4/27改訂 2017年11月の統計検定1級に合格して、約2年が経った。今回の記事では、その実生活上での影響について書いてみる。要は、統計検定って実際どうなの?という話。意外とその経過について書かれたものはなかった。 2年間の環境変化まず初めに、当時と現状の環境の違いについて述べた方がスッキリするかと思う。 前回の記事でも書いたが、2017年時点で自分は一橋大学商学部の3年生だった。2019年現在は東京工業大学 環境・社会理工

文系で統計検定1級に合格した

2017/12/26 ならびに2020年4月27日に改訂。 題の通り。2017年11月26日の試験で数理と応用に受かった。応用は社会科学を選択。 20歳で合格だが、最年少というわけではないらしい。というわけで何をやったのかを記しておく。 ※記事下部にいくつか追記しました しっかり読んで欲しい ※2019/11/28 受験して2年ほど経ったので、統計検定1級の効用?について書きました 自身の背景・勉強を始めた日その前に自分のバックボーンを語っといたほうが参考にしやすいと思う

北村薫『六の宮の姫君』: 現代の「六の宮の姫君」と、その処女性

これは作品の否定ではない。 エンタメとしては面白い。さらりとした文体で編まれながら、福音のように挿し込まれる一文。リズミカルに浮遊/着地を繰り返しつつ真相へと至っていく構造が小気味よい。そして物語の集大成として描き出される芥川と菊池の友情は、春の宵のように切ない。それでもこの作品は気軽に本棚にしまうわけにはいかない。これは〈私〉の成長物語であってほしいと、願ってやまないためだ。 そんなわけで、北村薫『六の宮の姫君』を読んだ。読書好きの大学の友人が長年勧めていた作品で、ようや