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【湖南市選挙解説29】最終日に当たって

「選挙は水物」とはよく言ったもので、選挙を戦っている当事者は「選挙麻疹(はしか)」に罹っているかのように熱にうなされ、ものごとが霧に包まれて見えなくなります。「政界は一寸先は闇」とも言うように、政治が人間を扱う営みである以上、人間関係に大きく左右され、ひとつのうっかりした言葉ですべてが水泡に帰してしまう場合もあります。勝負事を表現して「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とも言いますが、これは選挙においても同じことです。しかし、「選挙麻疹」に罹って「一寸先の闇」が見えなくなっている人々にとっては、状況が常に変転する「水物」に見えるということです。

時代によっても、置かれた地理的条件によっても、歴史的文化的伝統によっても、人々の所為は変転して行くものですが、ものごとを「岡目八目」に概観するためには、いったんそういう喧騒の外に出てみるのもよいのかもしれません。

そういえば、先ほどの投稿で800席に立ち見が出たとか、430席と500席を連続して満席にしたというのは、選挙の相手が生田邦夫現市長本人かその代理者だったときに、湖南市が衰退すると危機感を持った市民のみなさんが、本当にド真剣に自主的な動員を重ねていただいて、ひとりひとりの市民の力が集まって大きな花が咲いたものでした。今、ろくに票を持っていない生田市長を奪い合っているような選挙ではそういうひたむきな姿勢というものは感じられないでしょう。

生田市長の実現は「負けに不思議の負けなし」で負け続けた上に、無投票でようやく手に入れたものであり、無投票から左右できる票などあてにはできないのです。

本日が滋賀県議会議員選挙の最終日ですが、最終日になってもいまだに生田市長の票を求めて右往左往しているようでは、霧に包まれた中で気がつかないうちに足元が当選の圏外に出てしまっているとも言えます。

一度、「選挙麻疹」の熱を下げ、「岡目八目」の立場になる努力をして、自らの位置を外から確かめてみて、生田市長の票ではなく、市民有権者の顔をしっかりと見つめて、地に足の着いた選挙戦を最後まで戦ってほしいと思います。

それに対して、ひとりしがらみに囚われることなく、今の湖南市の衰退ぶりを憂いて市議会議員の職を投げ捨て、生田市政以前の活気のある湖南市と同じように元気なまちづくりに貢献したいと立ち上がったのが柴田栄一候補です。

市長を辞めて、湖南市以外の全国の市町村を見てきて思うのは、活気ある自治体ではいわゆる地域名望家という人たちがまちづくりに積極的に参加しているということです。究極のまちづくりは政治であり、社長や商店主、起業家など多様な経済界のみなさんが政治に参加することこそ、地域の活力を生み出すのですが、湖南市では長い間君臨した国政政治家が、地域の実力者たちが政治を志そうとすると必ず水面下で出馬を潰しにかかりました。

その結果、湖南市においては、地域経済を支えながらまちづくりに関与できる政治家が育ちにくい土壌となり、旧甲西町においては破綻寸前のところにまで追いやられた過去がありました。

私はそういう事実を知らずに突然立候補を表明したため、出馬すること自体は潰されることがありませんでしたが、告示日までの間、水面下で度重なる妨害を受け続けました。それでも当選できたのは、本当に湖南市を愛し将来を危ぶんでくれている市民のみなさまのお力に支えられてきたようなものです。

今回の選挙に際しても、当初は無投票の見込みだったものが2議席に3人を立てるという生田市長の計算誤りで一転激戦となりましたが、柴田候補が出馬するまでも水面下でいろいろあったと聞いています。そういう水面下のいろいろを市民の前に見せることができる政治家がたくさんいてほしいと思いますが、現実は難しいようです。

そこで、柴田候補はやむなく日本維新の会に所属することで身を守るという選択をしたということですが、その結果、柴田候補は私と同じように市民のみなさんの前に突然出馬を表明するようなかたちになったようです。

そして、本日は選挙戦最終日。

日本維新の会は岩永裕貴現甲賀市長を衆議院議員に擁立して以来の活発な動きを滋賀県で展開しています。そして、この選挙を通じて初めて国政政党の党首が湖南市入りします。自由民主党も立憲民主党もいわゆる大物政治家を湖南市に入れず、重要視されませんでした。しかし、日本維新の会は最終日のお昼前という、全国で同時に行われている統一地方選挙の中でも最も重要な時間帯に湖南市へ政党党首を投入するという決断をしました。

ちなみに私は日本維新の会の支持者ではありませんし、馬場伸幸代表の話を聞いたこともありません。なので、11時30分には岩根地区の平和堂甲西店前に行って街頭演説を聴いてみようと思います。

11:30 平和堂甲西店前(湖南市)

近隣自治体で日本維新の会は、栗東市、守山市、東近江市・日野町・愛荘町に候補を擁立していますが、野洲市、近江八幡市・竜王町、甲賀市には立てていません。そうした市町から日本維新の会の馬場代表の生の声を聴いてみたいと思う人がいれば、選挙区が違っていても、11時30分に湖南市岩根の平和堂甲西店前に来てみれば聴くことができます。

政治は未来をつくるものであり、決して過去の遺産を食い潰すものではありません。そして、一人ひとりが諦めたときが政治が死を迎えるときです。せっかく国政政党党首の生の声を聴くチャンスが近くに来たのであれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

聴いてみて、鵜呑みにするのではなく、自分事として考えて捉え直し、行動につなげる。まさに「自覚者が責任者」となり、衰退する地域を何とかするためには、自らがまず政治の小さな第一歩として「参加し考える」ということを実践してみませんか。

それこそが、主権者としての責務であり、この統一地方選挙に参加したという実感につながると思うのです。(一市民のつぶやき)

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