👴５時起きで成功を掴もう！＠クラブハウス党

（朝５時の定番）

　音声SNSとしては、TwitterのSpaceに先行したClubhouseが、使い勝手や音声品質などでリードをしています。そのClubhouseでは、さまざまな人がクラブをつくり、ルームを立ち上げて、世界中の人たちと声の交流を交わしています。

　今朝は、レギュラス株式会社の小塚祥吾代表取締役が主催する「朝５時の定番」クラブで開かれた「５時起きで成功を掴もう！」のルームにゲストスピーカーとして招かれました。このルームは毎朝のように５時から開設されています。

　鉄の掟が支配する緊張感あふれるルームには、早朝だというにも関わらず、経営者を中心に多くの聴取者が参加していました。鉄の掟は、勧誘行為や一方的DMの禁止、メンバー間ブロックの禁止、関係ない会話の禁止など厳しいものです。

　このルームでは、早朝から毎日ルームを開くことで、朝５時起きの習慣化、日常パフォーマンスの向上、スキルアップを目指しています。４時50分に開場となりましたが、すでにモデレーターとして小塚社長とフリーアナウンサーの優木れなさんが待ってくれていました。

　スピーカーになりたいという人が先着順でオーディエンス席からスピーカー席に上がっていきます。このあと１分スピーチが控えていますが、過去に１分以上しゃべったり、自社の広告宣伝をしたりしたような人はスピーカーにされません。

　５時から５時30分くらいまでの間には、12名で締め切られたスピーカーが端的に１分で自己紹介をしていきます。そこでは、有料級の話を１分間ですることとされ、そのための事前準備が求められています。但し、チャレンジはOKとのことでした。

（ゲストスピーチ）

　そして、５時30分頃からはいよいよ日替わりゲストのスピーチとなります。「有料級ゲスト」と書いてあるので緊張します。最初に優木れなさんが略歴を読み上げてくれました。

《昭和41年生まれ。滋賀県庁で滋賀県立大学の開設や行財政改革などに従事、36歳で地元の町長選挙に出馬、現職を倒して就任。１年半後に町村合併で自らの首を斬り退職後、新しい湖南市長選挙で当選、初代市長として４期16年。 全国市長会副会長や相談役を歴任。

　障害者支援や地域自然エネルギー利活用、地域防災、教育現場改革、外国人受入問題、公務員の地域活動促進、新型コロナウイルス対策など幅広い分野で活動してきました。 昨年11月に湖南市長を退任、諸国漫遊をするとともに、クラブハウス党を結成して党首に就任、Clubhouse内での民主的言論の確保に努めています。》

　以上の優木れなさんの紹介を受けて、自己紹介をもう少し詳細に説明してくださいとされましたので、まずは滋賀県庁で従事した仕事について、とりわけ、地方分権改革で上下主従から対等協力の関係となった中央－地方関係を前に、知事以下部長級職員に頭を切り替えてもらうために青臭い書生論を吹っ掛けたことについてお話ししました。

　ここから、小塚社長が話を掘り下げていきます。まずは、首長になろうとしたくだりや首長としてやり切ったことは何かについて問われました、そこで、県庁で青臭い書生論を上司に吹っ掛けておきながら、改めて地元を見たときにいい加減な自治体運営がされていたので、これを放っておいてはこれまで県庁内で言ってきたことが嘘になると考えて、県職員を辞め選挙に出た決意や、36歳で選挙に勝ったうえで、破壊された職員組織や地域の立て直しについて、意識改革を中心に権限を任せることで再生させてきた経過について説明しました。また、教育現場の立て直しについても発達障害者支援を含めて現場の力を引き出しながら進めてきたことをお話ししました。

　小塚社長からは、自治体の運営や立て直しについては、機能していない組織に対して、元々居る人に聞いても良い案は出ないし、はじめは方針を示して役割を与える事が大切で、背中を見せる所から地道に始められたところは、企業の運営、立て直しと共通する部分が多いという感想があり、湖南市ではどういう失敗談があったのかと問いかけられました。しかし、特にその場で失敗談は思いつきませんでしたが、自治体運営と企業運営は非営利か営利かで異なっているが、公的セクターでもエネルギーの多極分散やＳＤＧｓに取り組んだり、公立病院や水道などの公営企業という企業感覚を求められる分野についても改革が必要で取り組んできたという話をしました。

　以前小塚社長と話をしていた際に触れた市長が24時間体制であることについても話を振られましたので、退職して緊張感は解けたが、現職の時には就寝中も遠くのサイレンに目を覚まし、建物火災であれば現場に臨場した話や防災体制を確立する話などをしました。

（全国市長会とクラブハウス党）

　また、小塚社長から、「全国市長会」についての詳しい説明を求められたので、全国市長会は815の市長と特別区長によるわが国最大の自治体の連絡組織であり、その副会長をしていたことや国民の８～９割をカバーしている団体であること、実は今、中央政府の政策形成能力が落ちてきており、全国の首長たちがそれを穴埋めせざるを得なくなっている話やその原因は中央省庁等改革で内閣人事局に人事権を集約して首相官邸が未熟な方針を打ち出し、政策形成ができなくなっているということについて、幼児教育保育無償化導入や出入国在留管理法改正、新型コロナウイルス対策などの例を挙げながら解説を加えました。地方分権改革もあり、今の日本は予想以上に弱い国家になっており、地方分権主義を主張してきた身にとっても、中央政府が危機管理をできなくなっていることに対する不安を伝えました。

　そうしたときに、小塚社長からクラブハウス党のお話を振っていただいたので、クラブハウス党とはクラブハウス内に立ち上げられたバーチャル政党であること、現在は、人々がサークルに閉じこもりサークル外の考え方に攻撃を加えるとともに、同質で形成されたサークル内ではいじめが横行するという「分断」が世の中を覆っていることに触れたうえで、ＳＮＳではテキストベースで分断が拡大されたのに対して、音声ベースのクラブハウスは相互の距離感や感情を感じて議論を交わすことで分断を回避できる可能性があるため、クラブハウス党はこうしたサークルを超えた言論プラットフォームを提供するために結党されたとお話ししました。

　そうしたことから、クラブハウス党は既存政党の上部構造として設立したため、右から左まで誰でも参加していただけるだけでなく、ひとりひとりが居場所と役割を持って世の中に貢献していただきたいこと、そのための担当大臣を任命していくこと、さらには、世の中が変わらないといけないと気づいたのに誰も変えてくれないと嘆いている人は、自分が世の中を変えるために努力する責任を果たしていないからだということから、気がついた人、すなわち「自覚者が責任者」であり、みなさんひとりひとり気がついたら活動してほしいとお伝えしました。

（質問タイム）

　６時15分を過ぎて、お話を終えると、質問タイムに移りました。４人のスピーカーからの質問がありましたので、それぞれお答えしました。

（Ｑ）普遍的な話ではあるが、組織論を学んできて、若い頃から改革を進めていた。周りを味方につける重要性があるが、そのためには小さな成功例を作っていくのか。
（Ａ）トップとしては、方向性を示したうえで、みんなが同じことができると思ってはいけないので、怒らずに待つということが大事だ。自主的に来るのを待つ。

（Ｑ）地方議会では長老議員がいるため、いまだにFAXと紙で連絡している。無理やりメールや電子媒体に代えられない。また、議員になりたい若手が少ないがどうするべきか。
（Ａ）湖南市では市長から議会にタブレットを導入してはどうかと言ったところ、タブレットを使えない議員がいるからと反対された。その後、その議員は引退し、タブレットが導入されたが、今では便利に使われている。最初の段階で導入していれば全国トップレベルだったが、後追いになった。もしかしたらしばらくはタブレットと紙の併用でもよいのかもしれない。若手議員については、次の４年後に落選するかもしれないのに安心して挑戦できないため、変えていく必要がある。地方の側から国会に伝えて法律を変えてもらうことも大事だろう。しかし、一方で処遇をよくしすぎると、若手でも職業政治家になって自分の身分を守ろうとするので、その塩梅が難しい。

（Ｑ）発達障害への取り組みは市によって温度差がある。当事者が声を上げる必要がある。政治のトップダウンでは声が多い人の声が通るのはおかしい。学校現場を変えるべきだが、学級崩壊をどのように再生していったのかについてより詳しく聞きたい。
（Ａ）まずは、法律が改正されて市長が教育委員会とともに教育行政にかかわれるようになったので、市長から関わるということが大切。次に、湖南市は発達障害者支援のシステムを構築し、それがそのまま法律化されて全国の自治体に義務付けたが、濃淡がある。一方で教育と福祉を融合する必要がある。湖南市は全国で初めて社会福祉士を教育委員会に置いた。福祉部局に教員を入れ、教育委員会に福祉を入れて相互に連携させた。学校は家庭に介入できないが、福祉的アプローチから家庭を立て直して学校生活に良い影響を与えてきた。

（Ｑ）市長選挙のときに有権者が見るべきところはどこか。
（Ａ）①市長は幅広く政策を見られているか、ワンイシューでひとつの専門性だけで主張しているとよくない、②市民全体に責任を持つため、老若男女全員に対する覚悟をもっているか、③危機管理ができるかどうか、の3点で見るとよい。
　そして、クラブハウス党幹事長の政治アナリストチャオさんからも、コロナ等混乱時の対応が大切なので、次の選挙でもコロナ対策を見てみることも重要だとの助言がありました。

（今後への期待）

　ここで６時30分を少し回ったため終了となり、小塚社長からは「月曜日は集客が難しいところ、400人近い人が聴取していただいた」という報告がありました。

　小塚ルームが終わってからも、別のルームでお話の内容についていろいろと訊かれることもあり、改めて小塚ルームには意識高い経営者などのみなさんがたくさん集まっていたことを感じさせていただきました。小塚社長には改めてこうした場をご準備いただいたことに感謝申し上げます。

　原稿もなく、小塚社長の進行で問われるままに答えたため、お話しした内容は後で思い出しながら書き上げました。そのため、正確ではないかもしれませんが、こうした内容をお話しすることによってクラブハウス内に大きな波紋を生じさせていただけたことだけは確実です。

　みなさんひとりひとりが自覚者となって社会変革の責任を果たしていただければ、バタフライ効果も含めて、まだまだこの国の底力を発揮することにつながるのではないかと密に期待させていただきました。