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令和5年7月の朝礼

 全国の地方公務員のみなさん、おはようございます。今朝も熊本で線状降水帯が発生しておりますが、6月から7月への月またぎで九州から東北にかけて強い雨が断続的に降り続いたことから、発生した災害への対応をしたり、警戒を続けたりしてきた職員のみなさん、大変ご苦労さまです。これから台風へも警戒が必要になりますが、自らの安全をまず確保したうえで、先手先手での避難誘導や支援をお願いします。

 さて、まず冒頭に堀忠雄京都府和束町長が先月29日に出張先の北海道で交通事故に遭い亡くなられました。心からご冥福をお祈りいたします。堀町長は誰からも慕われるお人柄で和束町をひとつにまとめながらしっかりとしたまちづくりを進めて来られました。総仕上げを前に心残りではなかったかと思いますが、和束町のみなさんが後を引き継いでいただけると確信しております。

 先月21日には通常国会が閉会となりましたが、防衛費増額の財源を確保するための特別措置法や外国人収容のルールを見直す改正出入国管理・難民認定管理法、性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進法、原発の運転期間を延長できるようにするための電気事業法や原子炉等規制法などの一部改正法など、国民生活や自治体経営に大きな影響を及ぼす法律の制定改正が相次ぎました。第十三次地方分権一括法も成立しましたが、罹災証明や所有者不明土地、空き家対策等に関する情報連携など事務の円滑化に資する改正もありますので、担当部署ではしっかりと活用するようにしてください。

 また、国会最終盤にはすわ衆議院解散かという場面もあり、投票管理・投開票事務を司る全国の自治体現場は臨戦態勢寸前で首相の解散権に翻弄されましたが、こういう不誠実な姿勢からは、単なる政局の綱引きの枠組みに収まらず、ただでさえ疲弊している全国の現場が巻き込まれるということが見えない近視眼が政権の信頼を失いかねないことに官邸は気づくべきでしょう。

 同様な近視眼として、今のわが国政治行政が直面している最大の危機といえば、マイナンバーカードが挙げられます。マイナンバー制度はわが国がデジタルトランスフォーメーションを進めるためにはその一丁目一番地の基盤的なデジタルインフラであり、適正に活用すれば宮崎県都城市のように住民サービスの飛躍的な向上にもつながるものです。しかし、近視眼的にカードの普及だけを至上命題にした施策で現場に混乱をもたらした政府が、目の前の責任から逃げるために現場や事業者にすべてを押し付けるような姿勢を示したことから、国民の不信感を拭えなくなってしまっています。デジタル化は待ったなしであるなかで極めて残念なことであると言えます。これを他山の石として、現場においても住民の信頼を失わないような真摯な行政対応を重ねていただきますようお願いします。

 先月13日の「子ども未来戦略方針」、16日の「経済財政運営と改革の基本方針」いわゆる骨太方針については問題先送りの部分もありますが、今後の方向性が示されていますので、関係部署ではしっかりと読み込んで次のアクションにつなげる準備を進めてください。27日には総務省がふるさと納税の基準厳格化の基準を示しましたので、担当部署ではしっかりとQ&Aを読み込みながら対応してください。

 先月7日には孤独・孤立対策推進法が公布されました。来年4月の施行予定ですが、孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会、相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会を目指すとしており、自治体は孤独・孤立対策地域協議会を置くように努めることが規定されています。地方版孤独・孤立対策官民連携プラットフォームも9団体が決定されましたが、全国に広がるようにみなさんのご協力をお願いします。

 夏アニメの「AYAKA―あやか―」は本土の児童養護施設で育った離島の少年が施設を卒業して離島に戻り、亡き父の弟子たちと暮らすという触れ込みでしたので第1話を見てみましたが、主人公は異能の持ち主で亡き父は島を守ってきた仙人という設定でした。主人公の少年の後見人となった稲生三次・綾ヶ島市長が着用していたバッジはそれっぽい市長バッジだったので、これからしっかりと描き込まれていくのかを見ていきたいと思います。

 暑さも厳しくなってきますので、体調管理には十分気をつけて職務に邁進していただくようお願いをして、今月の朝礼を終わります。

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