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【湖南市選挙解説⑦】県議選告示

いよいよ統一地方選挙前半戦の山場である県議会議員選挙が始まりました。みなさん、当選に向けて全力で頑張ってください。

湖南市でも定数2に対して4人が立候補しました。自由民主党公認の現職、立憲民主党公認の現職に加え、生田市長肝いりの無所属新人に日本維新の会公認の新人候補です。

このうち、自民、立民、無所属の3陣営が生田市長関与の候補であり、維新は生田市長が関与していない候補です。

これまでは、自民と立民が談合して無投票を重ねてきましたが、今回は無所属を立てて談合破りをしたことになります。

すると、2席しかないところに3人は無理なのでどうするのでしょうか。当然、自民で独占しようということです。

これはChangeこなん代表として生田市長の実現に力を尽くした談合相手の立民現職を裏切る行為です。

しかし、自民党も現職優先であり、現職に公認が出た以上、危なっかしい新人に推薦すら与えるわけがありません。

ただ、現体制への批判票の受け皿が無所属新人に集まり2席目に座ってから会派に加えることは自民党の常套手段です。

この経過を観察すれば、まだ出馬表明が3人の時点では立民現職候補が切り捨てられた格好となっていました。

それが、3月17日の朝刊報道で維新新人が公認で出馬するということになってから状況が一変します。

維新から新人が登場したことで、自民党の組織的支援のない無所属新人の影はすっかりなくなってしまいました。

なぜなら、自民、立民の談合体制に対する批判票は維新に流れていってしまうからです。

そうして、維新に対する期待感が大き過ぎて立民を上回ってしまえば、今度は新しい不都合が生じます。

新人を立てられた自民現職の不満に加えて、もう1枠を維新が押さえてしまえば生田市長の影響力がなくなってしまうからです。

そこで、26日に生田市長は立民現職の総決起大会に駆け付けて、嘉田参院議員や徳永代議士とともに激励演説をしました。

来賓紹介くらいで止めていれば市長としての表敬訪問で終わりますが、マイクを握ってしまってはお仕舞いです。

党支部長が敵対政党の応援演説をする。これほど前代未聞な反党的行為はなく、政党政治を愚弄する所業であるからです。

ルールを逸脱することはあっても、ルールを踏みにじる行為は民主主義を破壊しているといっても過言ではありません。

自民党支部長が自民党公認の現職の当選に全力を尽くさず、立憲民主党候補者の応援演説をするという異次元の選挙。

しかも、別に擁立した無所属候補もいて、椅子取りゲームの椅子が足りないという計算すらできていません。

さらに、立民側としても、私のような無所属市長であればその先にウイングに広がりますが、自民支部長の市長を呼んで票が広がると思ったのでしょうか。

素人考えでもわかるのにと思いますが、連合傘下単組組合員はむしろ官製春闘を主導した自民党に投票するかもしれません。

そうであれば、立民としてはさらに連合と自民党の親和性を高めることになり、労働組合運動を阻害することにつながります。

こうしてみると、目先の票で右往左往している政治関係者は、本当に誰のための政治をしているのだろうかと嘆息してしまいます。

維新のやっていることに賛成するつもりもありませんが、選択肢を奪われて、いよいよ末期だなぁ、と感じる湖南市の有権者がこのまま維新に流れてしまうのは仕方のない感じがします。

      (2023年3月31日記)

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