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【滋賀2区レポート】正体を現す似非革新の野合プラン

 4日前に似非革新似非保守がいると指摘しましたが、早速その正体を現しました。野党連携の名のもとに、票乞食が動き出したのです。

 政治とは何か。票を集め数を集めることではありません。それぞれが有権者の思いを背に受けて実現したいという社会に向けて厳しい妥協を重ねながら一歩一歩近づいていくそのプロセスこそが政治なのです。

 それが、立憲民主党や国民民主党が落ち目のときに後ろ足で砂を掛けて出ていって、日本維新の会に秋波を送った政治家たちがいました。

 日本維新の会では大阪府内の候補者が比例重複立候補しないという背水の陣の方針を立て、大阪から近畿ブロックの他府県の候補者にシャワーのように比例票を注ぎ渡す戦略があったので、そこにぶら下がろうと考え、昨年末に政党交付金の受け皿のための政党もどきをでっち上げました。

 「教育無償化を実現する会」などという単一イシュー(争点)で、およそ国政政党とは思えない浅はかな党名も、解散総選挙までの仮の姿だとすれば適当なものでもウケさえすれば問題ないというものです。

 しかし、これは政党のお陰で比例選挙区から辛うじて当選させてもらっておきながら当選したら他の政党に鞍替えするという詐欺行為を禁止する決まりごとのために日本維新の会に行けないだけで、衆議院が解散されればうやむやになるという法の抜け穴を悪用した脱法行為なのです。

 ところが、大阪・関西万博の工事の遅れや兵庫県知事のパワハラやおねだり問題を契機に、日本維新の会では大東市長選挙、河内長野市長選挙、大阪府議会議員河内長野選挙区補欠選挙、箕面市長選挙などと立て続けに不戦敗や敗戦を重ねると、この票乞食の人たちは自分の身が心配になってきました。

 そこで、昨日、前原誠司教育無償会代表が立憲民主党の野田佳彦代表と「いろんな話をしたい」と言い出したということが今朝の京都新聞に乗りました。

2024年9月25日京都新聞

 いろんな話と言っても、票のことしかありません。特に滋賀県第2選挙区の候補者調整をしたいということのようですが、しかし、前原代表がしたい話は「いろいろ」ではなく徳永久志代議士のことなのです。

 徳永代議士は前回総選挙では滋賀県第4選挙区で落選し、立憲民主党の近畿ブロックの比例代表で拾ってもらっています。それが昨年4月の統一地方選挙での日本維新の会の躍進を目の当たりにして、県連会長の重責をかなぐり捨て、統一選で同志を殺してきた敵方である日本維新の会に近づくそぶりを見せたのでした。

 まさに反党行為であり、除名処分になったのも当然なのですが、その後、代表選に敗れて国民民主党を抜け出した他の議員などとともに教育無償会を立ち上げ、幹事長に就任しました。これは立憲民主党滋賀県連にとっては驚くべき裏切り行為であり、腸(はらわた)が煮えくり返ったに違いありません。必死で戦っていて気がついたら大将が敵陣の隣で新しい陣を張って敵軍と仲良くしているのですから。

 当然、今江政彦県連幹事長をはじめ残された人々は新しい総大将を探さなければなりません。解散総選挙も近いというのに、大将が逃げ出すような選挙に勝てる候補が短時日にそんな簡単に見つかるはずもないのです。

 県連や連合滋賀や首長OB などが足しげく米原市へ通いました。地域の有力者や市議会なども巻き込んで、水面下ではギリギリの調整が行われました。

 平尾道雄米原市長も市政を任期途中で投げ出すことはできないと考えて当然です。それを覆すだけの必死で真摯な説得が行われたのでしょう。4日前に平尾市長は市長の職を辞して滋賀県第2選挙区から出馬するという究極の決断をされました。

 首長の辞職は勝手にできるものではありません。行政に混乱をもたらさないように20日前までに議長に届け出るかもしくはそれ以前に辞職したければ議会の同意が必要になります。それほど重大な決断を平尾市長は下したということです。折から開かれている米原市議会を最後まで全うしての辞任となります。

 本来であれば平尾市長も辞意表明すれば全力で選挙の事前準備に取りかかりたいところ、最後まで責任を果たしていこうというのは政治家として欠くべからざる姿勢です。しかし、そうした姿勢や素養のないのが教育無償会です。

 そもそも、何で立憲民主党に離党届を出したのか、なぜそれが受理されずに除名されたのか、そのため立憲民主党県連はどれだけ塗炭の苦しみを味わったのか、このいい加減な政治に対して平尾市長はどれだけ厳しい決断を迫られたのか、米原市議会と米原市民はそのためにどれだけ負担を被ることになったのか。

 平尾市長が辞職した後、おそらく県議会議員が辞職して市長選に臨めば県議会議員を失い、市議会議員が辞職して市長選に臨めば市議会議員を失うのは滋賀県第2選挙区の米原市民たちなのです。その有権者一人ひとりの苦渋に満ちた顔は見えていないようです。

 これらは、自分の票のために強い維新にへばりつこうと立憲民主党に後ろ足で砂を掛けて除名され、気がつけば維新が落ち目だからといって、少し人気が上がってきたかなと見える立憲民主党から票を分けてもらおうというさもしい票乞食行為しかしない政党もどきにはわからないことでしょう。

 昨日、日本維新の会の馬場伸幸代表は立憲民主党との選挙区調整について、「選挙区調整は政策協定を結んだ延長線上にある。この期に及んで調整するのは無理だ。有権者から野合に見える」と述べました。野合!その通りなのです。まさに野合です。

 国民民主党の玉木雄一郎代表も、立憲民主党との選挙区調整について「最初から否定しないが、外交安全保障やエネルギー政策、憲法で一致しないといけない」と言っています。支持基盤である連合を共有する立憲民主党とですらこうですから、日本維新の会においておやです。

 ところが、最初に立憲民主党や国民民主党に喧嘩を売って、いや、落ち目とみると後ろ足で砂を掛けて逃げ出して敵方に走っておきながら、維新が落ち目とみると立憲民主党と「いろんな話をしたい」とは、開いた口が塞がりません。

 その玉突きの事故に巻き込まれて万やむを得ず自らの職を辞して有権者に選択肢を示そうとした平尾市長の処遇を、当事者不在の欠席裁判で代表同士の裏取引に使おうとは、政治家を名乗るべきではない政治屋の代表格であると言えます。

 こうした不道徳な行為を徳永代議士は是としているのでしょうか。まさに「自己都合政局」であり、有権者不在、納税者不在の「野合政治」、「民主主義泥棒」であるとも言えます。

 有権者のために選択肢を作ろうと身を捨てる決意をした平尾市長を殺そうとする教育無償会は、こうした経緯を子どもたちにどのように説明するというのでしょうか。主権者教育にとっては唾棄すべき汚ならしい事例となるでしょう。

 教育上悪影響を与える政治集団が国民の税金の使い方について決定権もないのに勝手にタダでバラ撒きますよという詐欺師まがいの党名で欺瞞する政党もどきの動きには、滋賀県第2選挙区の立憲民主党や国民民主党、社民党、市民の会だけでなく、自民党や公明党、共産党の支持者も注視する必要があります。

 もしかして、当の日本維新の会の支持者にとっても敵方から寝返った信用できない大将です。パワハラ気質の大阪本部からムリヤリ押し付けられたのに、実は敵方へ内通しているのかと思えば、日本維新の会の地方議員や支持者たちも神経がすり減るでしょう。

 似非革新だから票が向こうにあると思えば平気で維新に乗り換える。似非保守なので票がこっちにあると思えば革新に寝返ることも厭わない。有権者の顔はひとりも目に入らず、入っているのは票数という数字だけということです。票を求めて右往左往。こんなものが果たして政治と言えるのでしょうか。

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