紺野玉緒問答(前編)
このやり取りをきっかけに、お祭りさんと本を出しました！
サンプルだけでも面白いと思うので、下記リンク先を見てもらえると嬉しいです！
お祭りさんと紺野玉緒問答をした際のログを公開します。お祭りさん、公開の許可頂きありがとうございます！
お祭りさんによる必見の最高考察記事はこちら:
【考察】映画館デートからよむGS3男子の人間性
(以下、敬称略・お祭りさん→祭/雉)
ことの始まりはお祭りさんからの一通のDMでした……
祭:
こんばんは。突然のDMすみません！お祭りと申します。 雉さんの玉緒考が知りたくツイート遡って読んでいたんですが、こちら↓を拝見しまして… https://twitter.com/kijihajime/status/1292693235593121793?s=21
上記考察って完成されておりますでしょうか…？ もし考察が完成されていて、ご迷惑でなければ、是非、読ませて頂けないかと…！
お祭りさんが見て下さったのが、こちら(未完成)
この文章はゲーム内の紺野玉緒像に迫ろうという趣旨のもと、筆者の8年以上に及ぶ考察及び雑多な発言を再編し、文章に仕立て上げたものである。
あなたの紺野玉緒像を解き明かす一助となれば幸いである。
第一章 発祥
紺野玉緒の実像に迫るためには、当然彼の発祥から追わなければならない。彼が誕生したのはひとえにGS1の紺野珠美によるものであった。
彼は主人公の友人・ライバルキャラクターの弟として、珠美のメールから存在が明かされる。GS1の作中で得られる情報はそれのみだが、はばたきウォッチャーの尽絵日記内で複数回登場し、そのディテールが明らかにされる。
彼の当時の容姿・性格は珠美のものを継承・オーバーにデフォルメしたものであった。女の子と見間違うような見た目、泣き虫でそれ故に女子に可愛がられる描写が尽絵日記というコーナー内で散見される。
当時の玉緒は4〜6年生であり、中〜高学年の男子小学生としてはかなり幼い性格のように見受けられる。この時点では珠美の性格を継承すると同時に、尽との好対照を想定した性格と思われる。
GS3では紺野玉緒が出ることが決まっていたことにより、ゲームのスタートはゲームが発売された年より1年早く設定された。彼は主人公の1つ上の学年であり、それは動かせない事実であったためだ。(誕生日はさすがに3月からプレゼントを3年通じて渡せる1月に変更されたが)
当然年上の男性キャラクターとしての性格を付与される事になるが、彼は既にGS1、はばたきウォッチャーで幼気な性格を披露して久しい。GS既存ユーザーの訴求力を考えると、珠美の弟としての性質を弱めるのは得策では無かっただろう。かと言ってやたらと性格を強めてしまっても意外性や面白みに欠けてしまい、攻略キャラクターとしての魅力に欠けてしまう。
紺野玉緒の場合、キャラクターをゼロから創り上げるのとは違い、既に存在していた上、庇護欲を前面に押し出してきているキャラクターであった。
そんな彼にどのように新たな一面を付与するのか。彼を攻略キャラクターたらしめる為には、彼のこれまでの軌跡を汲みつつ、予想を裏切る要素を盛り込まなければならなかったのではないか。
そうして彼の指針は小学生当時の彼の将来の夢、内閣総理大臣に定められたのではないかと思う。その夢の根拠は示されていないし、当時の彼の性格からは程遠い夢のように思うのだが、とにかくそれをキーワードに、リーダー気質・優等生…制作陣はそういった要素を彼に肉付けしていったように見えてならない。
・
・（この・・・を埋める作業を放置して久しい……）
・
結論は「学力キャラ・生徒会長・先輩・珠美の弟」等の要素から容易に想像のつくキャラクターであり、それらの要素全てを裏切ることなく、思考・行動でプレイヤーの予想を裏切る男である。彼は乙女ゲームのキャラクター故に必ずプレイヤーの想像を裏切る機序を埋め込まれており、また、それはGS1～3の機序の総括でもある。
※当初イベント参加時のペーパーにでもしようと思っていて、ふざけた始まり方をしていてすみません…。中身は一応真面目に考えてます。
上の文章を踏まえて、ここから紺野玉緒問答スタートです。
祭:
玉緒、本当に最後まで分からず私個人としても受け入れて貰えた気分にもなれず笑、難しい人だと思っていたんですが、雉さんが過去のツイートで仰っていた
「玉緒は最優先すべき自分の気持ちみたいなものを常に明確に持っているわけではなく、相対的、総合的に最善の結末に持っていこうとする」
「それでプレイヤーの関心を買う裏切り方となると、生々しさで押し切るとか場当たり的に作られたシーンが多そうだなと想像している…。」
っていうのがまさに！で、改めてエグいキャラ造形だなと思いました。
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雉:
好き勝手言ってるだけですけど、私はそうやって咀嚼しました笑
紺野玉緒の全てを計算の元にやっているとしたら、一貫性が無さすぎてゲシュタルト崩壊起こしそうな気がします笑
紺野家の血、ホワイトデート後夜祭(DVD未収録)の際に玉緒の性格に関して、内田Pと小松原さんが、
「性格は幼少からピュアなまま。でも姉が例の彼女(珠美)なのでちょっと何かあると変わる」
「大接近時の玉緒の発言は紺野家の血が騒いだ(ピュアなままだとつまらないのもあって)」
こんな風に仰ってたので、深読みじゃなくてちゃんと意図的に独占欲強い感じなんだと思います…。
プレイする人の関心度や深読みの仕方で、捉えどころが無さすぎて魔性の男と化すか、理解不能になるか、典型的な生徒会長or優等生キャラとして消費されるか、という風に分岐していくのも本当面白いし、すごいな…と思います。
[追記]
この個人の解釈の形について少し追記すると、玉緒は観測者(プレイヤー)が今まで見知ってきた人の像からすり合わせて形作られる印象があります。そして、玉緒に何らかの欲を持たなければどんな人か見えても来ない。
キャッチーさもキラーワードもさほど無い人なので、その人の好みや印象にゲーム中の玉緒像が肉付けをしていく、というか。
玉緒に興味無い方なら真面目生徒会長（でも眼鏡を外すとえっちに♡）等の既存の自分の中の分類ラベルをつけて満足する方が大半なんじゃないでしょうか。
そして、考察好きな方は全キャラ考察してみて、ある時ふと玉緒って何なんだ…と気付き、おののく印象があります。
じゃあ玉緒推しの人の考察はどうなのかというと、長文の考察を読んだ事が無いので、熱望している、というところです。
頼む読ませて欲しいあなたの全力の紺野玉緒を……。
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祭:
珠美ありきで考えていったほうが読み解きやすいですね！
珠美からは遠慮がちなのに絶対自分の我通したる！っていう圧を感じたんですがw、玉緒の独占欲もそこ起点というのはなるほど…！と納得がいきました。
そして玉緒から漂う謎の性の香りにも合点がいきました。笑
商業作品として出されている以上、商品としての「正解」はあると思うんですが、玉緒はそれがだいぶ薄いというか…。ほんと分岐がえげつないんですよね、稀有なキャラクター…。
あっあと単純に質問なんですが、ゲームの中で1番好きな玉緒(スチルでも会話でも)ってお聞きしてもよいですか…？
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雉:
一番好きな玉緒の……
恥を晒すことになりますが、ハマったきっかけが、PSPのスイートボイス 彼の部屋のキャラ崩壊すれすれのエロい音源だったので、結局エロいやつが…。接近会話(2択の方)は永遠に聴いてたいです！
真面目に落ちたのは、玉緒のSUPER CHARGER(以下SC)招致イベントでしたね。
あれ玉緒も生徒会も呼ぶ必要の無いイベントなのに(制作陣の1から存在するSC、かつ先輩の赤城のイベントも絡めておこうという意図なのではと邪推しています…)、やたら陰口言われて痛めつけられて、それなのに一人でクリスマスに呼んじゃったところが、有能かつ無意識にエゴイスティックというか、ミスの挽回への執念がエリートのプライドの高さや自分の能力への信頼という性質を感じ……。
SCを一人で呼ぶという行動のきっかけ・表層は本当に申し訳ない、という気持ちだったんでしょうけど、彼が最も恐れていた人前での失敗を、つぐなうべく行動出来るのは、ちょっと言葉を失うというか…という感じでした……。
好きなセリフというより語気がありまして、一つは友好時のデート待ち合わせ時の、「遅刻者には罰として〜……やっぱり思いつかなかったから何もなし。行こ。」
この落ち着いた行こ、が本当好きです……。生を感じます……。
玉緒の台詞自体は結構マスオさんと似たようなのも多く、キラーワードも他の男子ほど多くないこと、玉緒の生々しさが好きなため、好きな語気に偏っています……。
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祭:
キラーワードがないってのはまさにで、だからこそ公式のガワ人物紹介(生徒会長/末っ子長男/真面目で穏やか)と実際のプレイで感じることに差異が生まれ、混乱しちゃうんだと思いました。
SCのイベントはすごい鋭い考察でホントだ〜！！！と感銘を受けました。玉緒こそがGSの概念…！！！？
「有能かつ無意識にエゴイスティックというか、ミスの挽回への執念がエリートのプライドの高さや自分の能力への信頼という性質」がまさに私もプレイ中感じていたことで、玉緒怖…と思っていた部分でもあったので、言語化されていて思考が整理されました。
そうなんですよね、ガチの有能なんですよね玉緒は…。勿論努力もしてるんでしょうけど、根っから仕事出来ちゃうタイプの人間。人望があるのもその能力のおかげ。で、人に無闇に嫌われたくない…。社会模範に沿って生きるのが楽。生徒会長選ばれ大変な役を押し付けられるのって、良くも悪くも因果応報だなと思いました。
あっそうだ、また質問してしまって恐縮なんですが、玉緒ってピュアだと思いますか？
公式もファンもピュアという扱いをしていますが、どうも自分の中に落とし込めず。
[追記]
その後、お祭りさんは玉緒親友をやり直し「これはピュア…！」としっかり感じました！とのことでした。
ピュアって辞書でひくと「混じり気がない」と出るんですが、親友のあのサンドバッグ善人感(最悪表現)はまさにピュアで感動しました。とのことです。よかったね、玉緒！
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後編はこちら
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