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紺野玉緒問答(後編)

このやり取りをきっかけに、お祭りさんと本を出しました!
サンプルだけでも面白いと思うので、下記リンク先を見てもらえると嬉しいです!




前記事:紺野玉緒問答(前編)
お祭りさんと紺野玉緒問答をした際のログ、後編です。

お祭りさんによる必見の最高考察記事はこちら:
【考察】映画館デートからよむGS3男子の人間性


お祭りさんからの「玉緒ってピュアだと思いますか?
」という質問からスタートです。(以下、敬称略・お祭りさん→祭/雉)

雉:
SCの件は公式は責任感強くて偉い子なんだよ、という意図のイベントだったと思うし、もちろんそれが大・大・大前提なのですが、私はエリートの結果を出そうとする・固執する「性質」として消化してしまいました…笑

[追記]
後夜祭で招致失敗を悔しがれるのは自分はそれを出来ると思っていたということだと思いますし、あんな大ゴケしたのに一人で再チャレンジするというのもまたものすごい勇気というか……。一人で……。
その、誰にも触れさせない芯のようなものがあるのがすごいなと思います。この芯を、プライドだとか独裁だとかエゴだとか色々な形で解釈出来てしまうのも、いかにも玉緒な気がします。

玉緒はほぼ全てにおいて本人の認識とやってることにズレがあると思っていて、生徒会長は押し付けられただけなんだ、みたいな事を言っておきながら、服装検査では他の委員会に嫌われるリスクを全然平気でとって、全委員会巻き込んで生徒間で服装検査してて、言動と行為が一貫してない気がするんですよね。

こういう自分の心情はさておき、実務はガンガンこなす人って実際いるよなあ…という風に消化した感じです。

玉緒がピュアかどうかと問われれば、私はピュアだと思っています。ピュアというより素朴という印象ですね。
というのも、玉緒は情緒の成長はあまりしていないと思ってまして。見た目や物腰から受ける印象よりも幼いかもしれないな、と。ただ、家庭環境や珠美ちゃんの物事を見る目の細かさを備えているのかなという気がします。
玉緒って会長職で大人と接する事が多かったため、ビジネス仕草みたいなものは早くから身についていたと思うのですが、その物腰と実績故に挫折が少なく、精神的ダメージから得る捻くれや、腐りなどからの成熟はあまり無さそうなこと。そして恋愛からも縁遠かったため、感情自体は同い年の子よりも素朴なのではと思います。知識はあるでしょうけど。

[追記]
紺野玉緒の人間関係、自己開示して親しくなるというより尽みたいに構ってくれる人に懐いてそのまま、みたいなところがありそうと思っており……
あと中等部から同じ学校なので人間関係がさほど刷新されないから自分のイメージ/自己認識があまり変わらないままの振る舞いでいそうだなと思っています。論拠もうちょっと出したいところですが、ひとまずこの程度に。

また、進路が理系なため、文学等から影響を受けて成熟していくシーンがその後も少なさそうだなーと思います。読書はそれなりに好きでしょうが、ボランティアサークルとテニスサークルで忙しそうなので、思想や文学に触れていくよりもそちらに時間を割きそうです。

そして今までの会長職等の、やらなければいけない事と違い、サークル活動等のやりたい事を自分の能力を発揮してどんどん実現出来ると気付いた玉緒は、今までのような倦んだ気持ちではなく主体的に物事に取り組むでしょうし、楽しく多忙で有意義な学生生活まっしぐらなのかなと…精神的な面はむしろ子供のように溌剌としていくのかもしれないなーと。ウッ眩しい……。
そんなわけで、文系大学生にありそうな文学や小難しい映画に耽溺して精神を腐らすみたいな成熟のしかた(蓮見くんみたいな…)とは益々無縁そうだなと思います。そんな玉緒もめちゃくちゃ似合うし、そんな作品拝見するのも好きなのですが…笑

でも、ピュアと言い切れない印象というのもすごくわかります。
玉緒は自分は結構大雑把な癖に物の見方が細かい面もあるのと、末っ子特性かなと私は勝手に思ってるのですが、無意識下で人のこと(実績・性格など)を分析・甘えられるか判断・ログを溜めていると思っていて、甘えられる人(バンビや設楽)と判断した人にはラフに自己開示してきたりするなーと思ってます。

玉緒は普段なら物事が順調そうなら口出ししないし、勝てない・自分に都合の悪い展開になりそうなら黙っていると思いますが、
勝てそう・都合の悪い展開を有利に運びたい・喧嘩時は無言で溜めていたログを日頃から鍛えている筋道立てた口調責めてくる(けど、実は私欲やエゴがふんだんにまぶされている。倫理観等絡めてあってかなり正論に聞こえそうなのがタチ悪い)という気がします。これは特に設楽先輩相手に多い気がしますね笑
ただこれはどちらかというと性質や手段であって、性格では無い/性格と言い切るのは難しい気がしますね。やはり性格と言われるとピュアかなと思ってます。
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祭:
性質と性格の違いを改めて確認したのですが、性質は生まれたときから元々持っていて変えることのできないもの…ですよね。玉緒の、有能さ及び結果に固執するエゴイストな面が今後も不変の性質なんだ…と思うとちょっと恐ろしくなりました。笑

玉緒は認識と行動にズレがあるというのも本当に納得です。リーダー的な仕事をやりたくないというのもちゃんと本心なんですよね…!責任感強い+できちゃうだけでね………
。
それを踏まえて先程、改めてADV「リーダーの器」を読み返し、SCを呼べてしまったのって玉緒にとって本当によかったことだったのか?!と思ったりしました。
玉緒って今後も情緒が育つ機会が極端に少なそうなので、SC招致は失敗体験として在った方が精神の成熟に繋がったのではと…。マジのマジで余計なお世話なんですけど、能力の高さ故に挽回できたせいで、内面の、プライドの高さを確固たるものにしてしまっていて危険だなと。今後もある種の面では成熟することがない精神…

ただ「素朴」というのはかなりストンと落ちました!!!!辞書引いたんですが、
1 自然のままに近く、あまり手の加えられていないこと。単純で発達していないこと。また、そのさま。

2 人の性質・言動などが、素直で飾り気がないこと。また、そのさま。
たまお、そぼくです……!!!
ゆえに仰る通り、大学では溌剌とした有意義な生活を送りそうです。幸せな男の子……。
玉緒は自分の立場を踏まえて共感できるかどうかを判断するから映画「抱擁の季節」をわからんと言っていたし、蓮見くんコースはなさそうですよね。似合うのは超同意なので、失恋したらある…に賭けたいです。笑

玉緒の末っ子論も超面白く、わかる〜!!!と思いながら拝見しました。理論を絡めて自分のエゴを正論ぽく言ってくるのホントそうですよ。軽いところだと、設楽へのお笑いの薦め方、重いところだと先輩△のときの態度ですかね…w

逆に赤城への態度は真逆だから(勝てない…の方の態度)人間だな〜とおもいます。
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雉:
是非バンビの言動も色々着目されてみてください…。
謎の指示性や珠美ちゃんみたいな凄みのある譲らぬ何か、迫力が垣間見えて、玉緒にはこのバンビしかいない気がしてきます……。(言い過ぎ)
玉緒のデートの3択(バンビの思考)って当然玉緒の魅力を引き出すべく設定された問いなわけですが、弟み・先輩み・生々しさを引き出すべくなかなか凄みある問いになっていて、結局玉緒の合わせ鏡の存在であるバンビの凄みにつながるというか…。
玉緒はバンビでなくともきっと一流大で彼女は見つけて長く付き合い、結婚すると思うんですけど、バンビほど相思相愛、或いは恋をしないというか。スペックのすり合わせみたいな部分が少なからずありそうだなと。

多分本来玉緒は高校時代ってまだ恋をするような精神的余裕はなかったと思うのですが、過去の背が低かったり泣き虫だった自分を知らない/年下で賢くて自分の話を聞いてくれるバンビだからこそ、高校時代からでも心を開いて相思相愛になった部分はあるのかなーと思ってます。
バンビが程よく自分のことを知らないからこそ、自己開示出来たというか。設楽先輩にも、普段自分の属する社会(同級生・生徒会等)に属していない人だからこそ、雑でラフで心を開いたような態度でいるのかなとも思っています。
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祭:
玉緒本体をみるのに必死で視野狭窄になっており、バンビの在り方は全然着目してなかったです。

バンビの存在ありきで彼をみるとまた新たな扉を開けそうです。スペックのすり合わせではない恋愛は玉緒の醍醐味だと思うので…!
そうだ!雉さん的にキたデート3択解答ってなにかあったりしますか?!
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雉:
デートの会話…改めて見ると、お父さんが女児に性教育をしようとするときの恥じらいみたいな空気のもの(?)が多いな…と思ってしまいましたね……。
一番最初に思い浮かんだのが水族館の水中トンネルのときめき会話でラッキースケベで胸に触ってしまうやつだったので、あんまりにもだな…と他のときめき会話を見てたんですがどれも脳トロで見てしまいました……。

あ、玉緒の謎の弱みの見せ方だとフードコートのときめき会話が面白いなと思いました!受け入れてくれる/甘やかしてくれるの前提で弱みさらけ出してる気がします。性格悪く深読みしすぎなだけなのですが…笑
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祭:
水中トンネルのときめき会話、玉緒のテンポの悪いなんでやねんのほうに気を取られていたんですが(どういう観点?)、あれラッキースケベですね…!!!
玉緒と性、切っても切れない概念…!部屋3回目も似た気まずさありますね。
フードコートは…たしかに!あれ完全に甘やかしてもらうの前提でいってますね、、!
それこそバンビの言動に着目してないとスルーしてしまう観点な気がします。変態性感じます(すみません褒めてます)
そしてときめき会話眺めてて思ったんですが、玉緒は空気が重くなるやつ(聖司さんとニーナに多発するコンプレックス刺激系のそんな意味で言ってねーし!っていう会話)がほぼなくて、さすが設定じゃなくてディテールの生々しさで包まれた男だ…と改めて実感しました。
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お祭りさんとの紺野玉緒問答はひとまずここまで。
対戦ありがとうございました!

後記:

いや〜難しいですね、紺野玉緒!!
個人的には電撃GIrl's Styleの内田Pと小松原さんへのインタビューで語られた紺野玉緒像が何よりも正確だと思いました。該当の記事は消されてしまっていて大変残念なのですが、抜粋します。

内田さん「キャラクターのコンセプトとしては”オチのない優等生”ですかね。でも、それだけでは人間的に深みがないので、いろいろ考えた末、優等生を期待されている子のリアリティを描こうと思いました。」
小松原さん「彼は、隙が無いですよね。」
内田さん「容姿端麗で成績優秀。誰が見ても当然、生徒会長なんですよ(笑)。でも彼自身は、「自分はそんな器じゃない」と思っていたり、自分のダメな部分を知っている。周囲が見る自分と、自分が思う自分のギャップにヒヤヒヤしながら生きてる子ですね。ただそういう子ほど、本来はしっかりしたリーダーに育っていくんですよ。その意味で紺野先輩は、根っからリーダー気質ではあるけど、まだ成長過程。心の中に弱さもある。それが、優柔不断さとなって現れることもある。そういう部分を描きたかったんですよね。」
小松原さん「たしかに、話をしていてちょっとイラッとくるところはありますね(笑)。でも、自己完結してすぐに「なんでもない」と言っちゃうんで、「ツッコんじゃいけないんだろうな?」という空気を醸し出すんです。」

このインタビュー見返す度に、途方も無い気持ちになり言葉を失うのですが……。
何はともあれ、紺野家の血が流れ、観測者の望む肉をまとい、様々な姿かたちを魅せて翻弄してくれる末っ子長男生徒会長先輩に乾杯!
そして何より、お祭りさんに感謝!

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