イラクの一年越しの新大統領/今日のニュース

こんにちは、浅野です。
10月16日のVoicy News Brief にてイラクの新大統領選出ニュースを扱いました。イラク政治の前提知識がなかった為、手に入るニュースで調べたのでシェアします。
尚、この地域はメチャクチャ深掘りできる内容が沢山あるのですが、とりあえず何が起きてるか分かるようになるレベルです。


Voicy News Brief 2022年10月16日

今回は最後のチャプターで日本語で概要説明してみたので、文字より音が良い方はお時間ある時に聴いてみてください。

10月16日の記事概要

Iraqi Parliament Elects New President as Rockets Target Green Zone
ロケットがグリーンゾーンを狙う中、イラク議会が新大統領を選出

NYTの記事は大体Voicyで読んだ文章より長いバージョンです。Voicyでは400語くらいの長さの記事を選んでいます。

このニュース、前提が分からないと追いづらい内容となっています。

このニュース、ざっくり言うと

激しい衝突が発生している政情不安のイラクで、選挙から一年経ってやっと新大統領が選出されました、というニュースです。

どうしてイラクは政情不安定なの?

大衆人気のある指導者が勢力下の議員を引き連れて大量辞職、その後他の勢力が政権樹立しようとするが、辞職した勢力が議会外で武力を用いて抵抗している為。

具体的な経緯は?

イラン・アメリカ両方と距離を置くスタンスで人気のある、イスラム教シーア派のサドル師 (Mr. Sadr, Hassan Al-Adhari) が2021年の選挙でイラクの第一党となったのですが、過半は取れず基盤がぜい弱であった為、連立政権樹立に失敗しました。
この結果、議会定数329人の内、勢力下の73議員を引き連れてサドル師は議員辞職しました。

その後、サドル師と敵対していたイランに近いシーア派が政権発足を目指していましたが、サドル師派は議会の解散を主張し、デモや議会を占拠するなどの激しい衝突を繰り広げていました。
本文内でロケットがグリーンゾーンへ着弾した、というのもこの流れです。

グリーンゾーンとは?

グリーンゾーンというのはバグダッドの中にある旧米軍管理地域で、国会や各国大使館もある中枢のエリアだそうです。
Baghdadの中でTigris川西岸にある場所、元々は軍隊の用語から来ているようです。

現状は?

イラクで人気の高い元第一党が議会外での過激な抗議を繰り返す中で、新たな政権が発足します。

議員の投票で選出された大統領はAbdul Latif Rashid氏 (ラシード氏)
現在78歳、クルド人でイギリスでエンジニアリングを学んだ元大臣だそうです。

大統領はMohammed Shia al-Sudani (スダニ氏) を首相として指名しました。

ちなみに、イラクの大統領 (President) は政治的権力は限られる象徴的存在だそうで、慣例として少数民族のクルド人から選出されるそうです。一方実権のある首相 (Prime Minister) はその限りでないようです。

少数民族のクルド人を大統領に選出する点はとても面白いですね。多民族国家ならではの融和政策なのでしょう。
クルド人はトルコ国境やシリアでの戦争、最近だとイランの抗議デモのニュースでも耳にする機会が多いですよね。

どこに住む、どんな歴史を持つ人々なのか、参考になるYoutube リンクを貼っておきますので、ご興味のある方は是非見てみてください。

今日のまとめは以上です。
間違っている部分などありましたら、ぜひ教えてください。

ではまた。

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