10年経っても大手志向が減らないのは、キャリア教育の敗北

こんにちは、羽田です。意識高すぎない学生向けのキャリア支援サービスや、学生の声を生かして企業の情報発信をお手伝いするサービスをやっています。


僕がいわゆるキャリア教育と呼ばれる領域でサービスを初めて立ち上げたのが2013年。つまり、今年で10年になる。
ニーズはあるのに先行事例がほとんどなく、ブルーオーシャン目指して色んな会社が色んなサービスを立ち上げては消えていく、ビジネス的に見ると悪夢のようなマーケット。

僕も、マネタイズや事業という意味では決して成功したとは思っていない。想い先行型で民間企業の会社員としては当たり前の採算性や持続性なんてものは全く気にせず、とにかく思いついた事をやっていた。会社員として他の部署を巻き込んだり、ヒト、モノ、カネをうまく調達してスケールさせていくという発想すらなかった。ほんとに僕は、会社員としての才能は皆無だったと思う(独立した今やればもうちょっとうまくやれてたかなあなんて思ったりはする)。

まぁそれでも個人的な救いとしては、当時学生だった人達がその後立派に活躍していたり、社会人になってからは今の学生のキャリア支援に協力してくれたりしてご縁が繋がっている事だと思う。

ただ、学生の就活の相談やサポートをしていて思うのが、いまだに大手企業志向は根強いし、やりたい事が分からなくて苦しむ学生も多いし、自己肯定感の低さから一歩を踏み出す事ができない学生も多い、という事だ。

こないだ、2008年に刊行された「就活のバカヤロー」という本を読んだ。所々今に当てはまらない事もあったけど、本質はほとんど変わらない。学生は、2008年も2023年も同じような事で苦しみ、翻弄されている。

キャリア教育の世界に足を踏み入れて10年。状況は何もかわっちゃいない。この業界は一体何をやっていたのだろう。そしてこれは、キャリア教育の敗北なのではないだろうか。

もちろん、前進はしていると思う。大学でも低学年からのキャリア支援を行う学校も増えてきたし、高校では探究学習も本格化してきた。10年前に僕がこの領域で仕事を始めたときは大学生に「キャリア」というと「転職のことですか?」みたいな感じだったが、今ではそうではない。

そう、停滞しているわけではないと思う。ただ問題は、キャリア教育がのそのそと前進している間に、社会の変化がとんでもなく進んでしまったということだ。

少子高齢化がいよいよ実態を表したこの社会で、
Chat GPTが登場したこの社会で、
リモートがデフォルトになったこの社会で、

我々が考えなければならない「キャリア」とは何か、そして学生たちに行うべきキャリア教育とはなんなのか。

そんなことを考えながら、僕はまだこの界隈でもがいている。

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