ナリカーとはなにか? (タイ語)
またもごぶさたです。
急に寒くなり、タイが一層恋しい季節になりました。
最近、『タイ日大辞典(改訂版)』を買い、心のおもむくままに拾い読みをしています。
以前は中古で9万円くらいまで値が上がっていたのですが、改訂版が去年刊行されてるよ、と教えてもらい、これは本を買うチャンスだと。
冨田先生が生涯をかけて編纂したものを、改訂版では赤木先生が[ ]の形で補筆しています。
で、私はなんとなく「時刻」の表現を復習しよう思い、時刻に関するいろいろな項目を拾い読みしていました。「ナリカー」が特に興味深かったのでここに紹介したいです。
ナリカーとはなにか?
ナリカーとは あるヤシ科の植物のこと。水に入れると一定の時間で沈んでいくことから、時を計るために利用された。計時器。
現在ではナリカーは時間という意味でも使うし、「19ナリカー」(19時)など、書き言葉の24時制を表現するときに使います。でも、本来的には時間ではなく時を計る道具ということなんですね。
その他の時刻に関する表現
モーン、トゥム、ティー …… 時を知らせる鐘の擬音、太鼓の擬音、金属片の擬音。(これらはよく知られていますよね)
チャーオ(朝) …… おそらく「朝」(チョウ)
ティアン(正午) …… 「不変の」。基準となる南中を表す
バーイ(午後) …… 「傾く」。南中から傾いていく太陽
そして「ソーン・ヤーム」(午前0時)
私がはじめてタイ語に触れた時、テキストは『エクスプレス タイ語』で、午前0時の表現として「ティアン・クーン」のほかに「ソーン・ヤーム」が載っていたと記憶します。
そこからずいぶん間があいて、7年くらい前にタイ語にふたたび触れたとき、20代前半のタイ人の先生から「えっ? 今は言いません」と言われ、そのタイムカプセル感がなんだか恥ずかしかったです。
今回、辞典を読んで、ずっと幻だった「ソーン・ヤーム」の意味がわかりました。
「ヤーム」(yaam, ยาม)とは夜の警備員、夜番のこと。夜番は午後6時に始まり、午後9時、午前0時、午前3時に交替する。午前0時が2回目の夜番の交替なので「ソーン・ヤーム」と言われた。
そういうことなのかあ。『タイ日大辞典(改訂版)』、私の思い出を少しずつ埋めていってくれるよい買い物でした。