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【カニ記】いつかテレビで知り合いを見かけるんじゃないか

しばらく前に、元クラスメイトの父親の訃報を知った。元クラスメイトの父親はテレビに出ることもある有名人で、彼が亡くなったこともニュースで知った。それまでも、何年に1回かその父親をテレビ等で見かけるたびに、別にそれほど親しくしていたわけではなかったクラスメイトのことを思い出していた。

漠然とした不安というか、恐怖というか、こんなふうに、いつか元クラスメイトや知人をテレビで見かけたらどうしよう。というものがある。
画面上で、見知った顔と名前をみてしまったらどうしよう。
何かの識者としてだったり、単なるインタビューの取材対象としてだったりすればまだいい。
怖いのは、事件や事故に巻き込まれた際の報道で知り合いを見てしまった場合。
そんなケースは日常的にはあまりないんだろうけど、最近になってぶすぶすとくすぶる不安として存在している。

人混みの中にも、見知った顔を探してしまう。
ちょっと知人に雰囲気が似ている人が近づいてくると、警戒してキョロキョロしてしまう。
不思議なのはそんな時、今の年頃の知人の姿ではなく、最後に会った時の姿を探していること。高校のクラスメイトなら、高校生の時の印象のまま。
いろんな知り合いも、言うたら絶対にいい大人なわけで、それよりか中年なわけなんだけど…。
大学時代の知り合い、中高時代の知り合い、変わらない面影を無意識に探したり見出したりしている。
別に会いたいわけじゃない。本当に知り合いに会ったとしても、見て見ぬふりをするだろう。
ただ、いつか会うんじゃないかという不安感が拭えない。

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