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【カニ記】TikTok垢抜け男子を見て思うこと

なんか最近あるじゃないですか、TikTokで流れてくる垢抜けない男子のビフォーアフターみたいなやつ。美容院でカットしてもらって、メガネも外して、ほら!イケメンになった!ってやつ。

それを見て思い出したのが、初めてコンタクトレンズをつけた時のこと。

小学生の頃から眼鏡っ子で、高校生になって初めてコンタクトレンズをつけてみた。眼科でハードレンズを処方してもらって、あがあが苦戦しながらようやっとレンズをはめて。うわー、異物、涙、違和感、乾燥!ってな感じでその時は鏡で自分の顔をじっくり見るなんて余裕もなくて。

眼科からの帰り道、信号待ち中にドキドキしながらそっと携帯のカメラで眼鏡なしの自分の顔を確認してみた。
すると、代わり映えのしないのっぺりとした自分の顔が、少し解像度のあがった状態で見つめ返してきた。
そりゃ、そうだろう。とは思うのだが、どこかで私は少し、映画のお約束の展開のように、見違えるほどの美人にでもなることを期待していた。

あまりに落胆したので、
「なんだ、変わんないじゃん」
と、口に出してしまった。
同じく信号待ちをしていた人たちに聞こえるくらいのボリュームだったので、何人かに振り返られた。

ちょうどそのころ、クラスメイトにこう言われていたのも失意の理由だったのかもしれない。
「カニヲ君はコンタクトにしてストパーかけて髪を染めればモテるのに」
モテないよ。

映画やアニメのように、『地味で目立たない子が実は美少女・美少年だった』というのは、本当にフィクションの中の出来事。それか、実はもともと顔立ちが良かったからという理由に他ならない。

頭の片隅で私は、パッとしない自分の存在の元凶は眼鏡であり、それさえなければ自分はもっと輝ける、といった幻想を少なからず抱いていた。
眼鏡をかけていない自分というものに変な希望や期待をしていた。それよりほかに、改めたほうがいい箇所はいっぱいあったのに。

だからこそ、口にしてしまった。
「なんだ、変わんないじゃん」

TikTokの垢抜け男子動画を見ても、そんな理由でモヤモヤしてしまう。
まずは、眼鏡についてる汚れをよく拭け。
似合うコーディネートが手元にあんのか?
その髪型は自宅でも再現できんのか?
量産型の髪型で満足してんのか?
そんな意地の悪い考えも浮かぶ。
ただ、自分を変えようと一歩を踏み出した勇気はすごいと思う。自分が納得するイメージチェンジならそれもいいと思う。


私は自分のイメージと折り合いをつけるまでは何度も試行錯誤が必要だった。
結果的に、コンタクトにもしていないし、ストパーもかけていないし、髪を染めていない。
今のスタイルは自分を最大限表現したものだし満足している。
ただ、モテてはいない。
もうモテを気にするお年頃でもないからいいのだ。
モテてないけど…。

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