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名誉の負傷

右手に何か所か傷ができている。

それも手のひらの側じゃなくて、甲の側。中指の付け根のあたりと、第二関節のあたり。人差し指の付け根のあたり。切り傷というよりは擦り傷で、薄皮が削げた部分に3ミリぐらいのかさぶたができている。

理由は簡単だ。私は家に帰ると、鍵を玄関近くの戸棚に置いている(防犯上、無論フェイクが入った表現です。ご安心を)。家に帰って、いつも同じ場所に今さっき使った鍵を置く。

このとき、家の中は電気が点いていないので暗い。そんな中で棚へと手を伸ばすので、ときおり見誤って棚の横板を殴ってしまうのだ。馬鹿なの?

もちろん、これは電気をつけてから置くようにするか、鍵を置く場所を変えれば簡単に解決する問題だ。

しかし、私は今住んでいるところに引っ越してやっと「帰ったら所定の場所にカギを置く」という習慣を身に着けることができたのだ。人生で初めてかもわからん。ここしばらく、家を出るときにカギを探していない。大進歩なのだ。

場所を変えたり、電気をつけるという工程を一つ挟むことでこの習慣がぶっとぶのが非常に恐ろしい。困る。大変にリスキー。

そんな事情と天秤にかけて、私は今日も戸棚を殴っている。家を出ようとした瞬間にカギが見つからないことに気づく、そんな大ピンチを週1で味わうぐらいなら、手の骨がでっぱっているところが擦り剥けるぐらいなんてことないことである。肉を切らせて骨を断つのだ。自分が切られようが相手をぶん殴れる、バーサーカーみたいな精神で生きようと思います。


今日はここまで。ありがとうございました。

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