旅情が集う寝台特急(C99の旅2021冬 その1)
TwitterでFFの人が初めてコミケにサークル参加するということで、その付き添いとして東京に行った話。
2021年12月30日
12月30日の23時、まもなく今年最後の日を迎えようとする頃、私は大阪の京橋にいた。
年の瀬ということもあり多くの人が往来し、酒に酔って陽気になっている人も多く、寒空の下でも夜の街は賑わいをみせている。
2021年12月31日
時刻が0時になったことを確認して、31日からの乗車券をJR線の改札に通し、入場する。そこから、大阪環状線内回りの電車に乗車する。車内にぽつぽつといる人々の多くは、雰囲気からして、飲み終えて家路に向かっているのだろう。
列車は大阪駅に到着し、降車する。いつもなら多くの人が乗降するこの駅も、この時間になると閑散としており、いつもと違った雰囲気を醸し出す。
11番のりばに移動し、TwitterでFFの人と合流する。彼が引っ張るキャリーケースの中身は、コミケで頒布する同人誌やグッズなど、コミケ関係のものが大半を占めているらしい。
そして、時刻は0時半を過ぎ、寝台特急サンライズ号が入線する。
利用するのは、のびのび座席。繁忙期の特急券を取ってくれたことに感謝。
時刻はすでに深夜で車内は寝静まっており、発車後も放送は流れない。床下からの音がよく聞こえる。
初めての夜行列車なので車窓とか車内を楽しみたいが、明日の7時に東京に着くので、夜更かしをするわけにはいかない。某鉄道系Youtuberの教えに従って、毛布を下に敷き、コートを掛け布団のようにし、そしてマフラーを枕のようにして寝ようとする。床は依然として固かったが、それでも京都駅を通過するまでには寝に入った。ただ、やはり慣れない環境だからか、途中で目が覚めた。そこで、気分転換にデッキに行ってみることにした。
列車は甲高い音を立てて、深夜の暗闇を高速で走り抜ける。誰もいないデッキの椅子に腰かけて、流れゆく光をボーっと眺める。贅沢な時間である。ともあれ、気づけば名古屋駅を通過していたので、再び寝に就くことにした。
再び起きた時、列車はちょうど静岡駅に停車していた。時刻は4時38分、定刻で到着したようだ。
そんな感じで、時折目が覚めてはカーテンを上げて現在地を確認することを繰り返した。
6時台になると空が明るくなってくる。そこからは寝ることなく、やはりボーっと車窓を眺めて過ごした。得も言われぬ「旅情」がここにある。そうこうしているうちに、7時3分、列車は東京駅に到着する。
つづき