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ディズニーの魔法(ビジョナリーカンパニーたる所以)

数年前からずっと気になっていた。
それでも読んだことはなかった名著。
ようやく読んでその本質を理解。

繰り返し出てくる重要な概念。
それに基づく数々の具体的な企業の成功事例と失敗事例の対比を詳しく明確に記載。

ボリューミーながら、「人動かす」「ストーリーとしての競争戦略」にも近しい内容であると感じ、数多くの経営者やビジネスパーソンに支持されていることに納得。

簡単にその内容を概念をメインにグラレコ。
ご興味ある方はぜひ本書を。

・著書:ビジョナリーカンパニー
 ~時代を超える生存の法則~
・著者:ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス

■ビジョナリーカンパニーとは?
・未来志向、先験的な企業
・組織力に優れた企業

(⇔カリスマ経営者や優れたリーダーなどの個人)

■ビジョナリーカンパニーとしてのポイント
・時計をつくる設計者であれ
(⇔時を告げる預言者)
→単発的に事を成すだけでなく、その理念を進歩させ、継続して組織としての力を養うこと

・「AND」の才能を重視
(ORの抑圧は跳ねのける)
→現実的な理想主義
→つまり、不変の「基本理念」+「目的意識」の両方の実現を目指すこと

・基本理念の維持+進歩促進
→特に進歩の加速には、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)=明確で説得力あるシンプルな目標=が必要(目標は変化OKで進化すべき)

一貫性の追求
→基本理念が変わらなければ、例え創業者やバックグラウンドが異なる社外からの経営者がリーダーになっても構わない。
(⇔同じ状況下でも、その都度、基本理念が変動するのはNG)

以上、言葉にするとなんてことはないとも感じるかもしれないこと。

これらのキーワードが繰り返され、それにまつわる具体的エピソードの中で、イメージしやすいと感じたのがディズニー

そして誇りに思えたのが、日本企業の中で、唯一ソニーが取り上げられていたこと。

ここではディズニーでの具体例を紹介。

■ディズニーの魔法
▽基本理念
・人々を幸せにする
・細部にあくまでこだわる
・想像力、夢、発想

BHAG
・ディズニーランド建設
・業界標準に従ってでなく自分達のイメージで

▽一貫性
初代のウォルト・ディズニー~6代目のロバート・アイガー、そして新たな7代目の経営者に至るまで、創業一家以外の経営者もその職務に就く中、決して変わらない基本理念
一方で時代に合わせて進歩(進化)してきた方法と手段=BHAG

例;
・5代目 マイケル・アイズナー
→古い慣習による停滞打破を目指し、園内への事細かなこだわりだけでなく周辺ホテル経営、映像のビデオ化、チケット額の変動制など、時代に即した新たな方法手段を講じた救世主。

・6代目 ロバート・アイガー
→最大ミッションの中国ディズニーランド開園直前に起きたアメリカディズニーにおける2つの大事件。
謝罪や悲しみの対応に暮れながら、開園スピーチでは、決してそれを表には出さず、満面の笑みで臨んだとの理念を守り抜く使命感。

▽時計をつくる
全従業員に対する徹底した教育とアメリカでは珍しいかもしれない秘密主義≒囲い込み(カルト的意識の刷り込みや愛社精神)で以下を徹底。

教化
(職種ごとに完全に明確、選別されている時給や、2度以上、別々の面接官による厳正なる面接や性格テスト)

同質性追求
(髭やイアリングや厚化粧はNG→どの親が見ても自分たちの子供に真似しなさい、といいたくなるような爽やかさ、健康さ、親しみやすさを持った、似通った人物イメージ)

エリート主義
(職種、職制を問わず、歴史や文化や考え方、また独特の社内用語をディズニー大学という社内教育機関が刷り込み)

→結果として、例えば、ある質疑応答で、どの従業員に聞いても同一の回答。

・トレーナー「ディズニーはどのような事業を行っているか?」

・従業員「人々を幸せにする仕事をしている。」

人々に夢や希望を与える存在であり続ける、という確固たるブランドイメージ=理念があるからこその、徹底した秘密主義と情報管理による、キャスト=従業員、ゲスト=入場者に対する神話や魔法の空間を演出すること。

以上が大分端折りながらも、ディズニーがビジョナリーカンパニーであり続けている所以。

じっくり読むと果てしなくかかる一冊。
それでも時間のある時にじっくり読んで、理念と共にその具体的事例を学び、自社のあり方、自分の生き方にも生かしたいと思える一冊。

2、3、4…と続編もあり、早速図書館で予約。

#ビジョナリーカンパニー
#ディズニー
#ソニー
#グラレコ

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