問題点を絞る技術
※主にはリハビリテーション関係の話ですが、ほかのことにも転用できる・・・はずです!
目の前にいる患者さんの問題点を、どうやって絞っていくか?
研修会に行けば、それだけ知識も技術も増えます。
しかしいざ業務に戻れば、目の前の方には20分しか時間がさけない。
研修会で学んだ多くの、複雑なことを、その20分間に込めることができるのか。
いつもそんなことを考えています。
今日は目の前の患者さんに対する問題点を絞る思考を考えて行きたいと思います。
1.どうやって仮説を立てていくのか?
主にはクリニカルリーズニングと呼ばれるこの思考。
模式図はたくさんありますが、
これが有名ですね。
重要な点としては
①患者さんの参加が必要
②このサイクルを、一回の治療で何度回せるか
が重要だと考えています。
①患者さんの参加
図の右側に「患者さん」自身の意識や思考の過程が書いてありますよね?
つまり必ず患者さん本人も思考し、結果を受け取ることで行動・思考の変容が起こっていくことが必要だということです。
一方的に治療していませんか?
黙々と治療をして、「上手く変化が出るだろう」と思ってもうまくいかなかったことが自分もよくあります。
たとえ認知機能に問題があったとしても、こちら側の説明で何らかの変化や理解が得られることがあるので、自分で説明癖を付けていく必要がありますね。
②一回の治療で何回このサイクルを回せるか?
問題点やそれに対する仮説は、どこに着目するかで変わるものです。
歩行の時の問題点と、浴槽をまたぐときの問題点、
もちろん共通の要素もあるでしょうが全く別な問題が見えてくることもあります。
また同じ歩行でも、
「立脚中期の股関節かな…いや体幹かな?」
というように複数の仮説が出てくるのは当たり前です。
なので一度の治療で何回このサイクルを回せるかで、主要な問題点や大きく影響を及ぼしているポイントをなるだけ早く見つけていくことが重要です。
早く問題点が集約できれば、その問題にかけれる時間が増えるからです!
2.仮説の立て方 ~診断的リーズニングと物語的リーズニング~
では仮説を立てるときに、皆さんはどんな思考法になっているでしょうか?
「ひとまず動作を見て、気になったポイントから介入する」
「動作で見えた問題点を証明するために、複数の試験的介入を行う」
パターンとしては上記の二つが代表的と思います。
それぞれメリット・デメリットがあるため見ていきますしょう!
①物語的リーズニング ~気になったポイントから早期介入!~
動作分析が得意な方は、
動作分析⇒動作から仮説の決定⇒治療介入(評価含む)
という流れで主に介入されてるんじゃないでしょうか?
メリットとしては
・(一回のセッションの中で)治療にかけれる時間が長い
・treatment&assessment でリーズニングの展開が早い
デメリットとしては
・問題点を早期に絞るため、当たりはずれがある
・自分のクリニカルパターンに陥りやすい
ということが挙げれると思います。
熟練してくれば介入の間違いも減少してくるでしょうが、気がついたら同じような治療をしていた(@_@)なんてこともあるでしょう。
②診断的リーズニング ~複数の試験的治療を行う~
問題点を決定する際に、複数の視点を持ち、先にテストや試験的治療を行うことで先に問題点を決定する思考法です。
主にCPRのように、フローチャートのように
筋機能・関節機能などを分けながら治療していきます。
とはいっても、定型的に思考法や介入法が決まっている手技も少ないため、主は徒手療法での話かと思います。
なので「自分の中での思考ルール」があるかという話が主になりますが・・
メリットとして
・最初に複数の仮説検証を行うため、問題点自体は明確になりやすい
・治療前に説明ができる
デメリットとして
・最初に時間がかかると、治療時間が少なくなる
まぁどちらも一長一短で、多くの人は場面場面で使い分けたり・混ぜ合わせながら臨床を行っていると思います。
強く言いたいのは「仮説がない、またはなんの証明もないのはダメ!!」
ってことです。
なにもアップデートしなければ、朝から夕方まで同じような治療をしてしまうかもしれません(特に1、2年目は)
メタ認知をやしなうために、書き出すなどして可視化していきましょう!
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