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コミュニケーション力の低下を実感する会話不足

2023年の春に、個人の判断でマスクの着用が推奨され、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されました。この時期を機に、リモートワークが終了し、通勤して同僚との対面が増えた人も多いのではないでしょうか。旅行や飲み会など、レジャーや社交の機会が増えた人もいたことでしょう。

一方で、この過去3年間は、リモートワークなど非対面でのコミュニケーションが一般的になり、マスク着用や黙食など、対面でのコミュニケーションに変化が生じました。ある企業の調査によると、約2割の人がコロナ禍において「コミュニケーション力の低下」を実感し、特に若い世代ほどその影響を受けやすい傾向にありました。人との会話が減少したことで、「コミュニケーション能力が落ちた」と感じている人がいると考えられます。

特に目立って減少しているのは、仕事とは関係のない非公式なコミュニケーションの機会です。例えば、飲み会が減ったり、黙食が推奨されたりしたことで、雑談をする機会が減少した人が多いのではないでしょうか。さらに、リモートワークの増加によってオンライン上でのコミュニケーションが増加したことも影響していると言えます。通常のオフィスで会議を行う場合、対面での会議では会議の前後に自然と雑談が生じることがありますが、ウェブ会議だと通常は業務が終わるとすぐに通信が切断されるため、対面での会議と比べて非公式な会話が生じにくいのです。

若い世代の皆さんにとって、新型コロナウイルスの影響で進学や就職といった重要な局面が重なった方もいらっしゃるかもしれません。例えば、初めての就職先でリモートワークを始め、上司や同僚と直接対面することなく研修や指導を受けることになった方もいらっしゃるでしょう。こうした状況では、雑談の機会も減少し、上司や会社の雰囲気を理解する機会が限られるため、適切な振る舞いや仕事上の疑問が解決できない場合もあるかもしれません。また、十分な経験や職場での人間関係を築いていない若い世代の方々は、同じく社会に出てから長く時間が経っていたり、職場での人間関係がしっかり構築されていたりする年長の方々と比較して、より大きな影響を受けた可能性があると考えられます。

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