【独り言】シティの3-2ビルドアップって無駄が少ない気がする
首位に返り咲いたマンチェスターシティ。
Fリーグのシーズンも終盤に差し掛かり、若干余裕が出来たので久しぶりにサッカーを観るかーということで選択したのが話題のシティ。
注目されているカンセロロールですが、れうす的には3-2ビルドアップが垂涎もの。そんななか「はえーー、よく出来てるぜえ」と感じたのが3-2ビルドアップの変形の仕組みでありました。
▪ボックスビルドアップは無駄が多い??
最近のツイートで私は「ボックスビルドアップがロジック的にはマジ強い」的な趣旨のツイートをしたのですが、シティの3-2ビルドアップを実際に見て、「こっちの方がすげぇわ」とあっさりと考えを転換しました笑
そもそも私がボックスビルドアップを推してる理由は2トップにとっては非常に守りづらいからであります。
ものすごーく、ざっくり話をすると2トップが管理しきれないように配置できて、アンカーやSBへのプレスの逃げ道を用意出来るということです。
で、ボックスビルドアップをするとき、鍵となるのは誰をアンカーの隣に配置するか?です。そういう意味でいわゆる偽SBは最適解になりうる訳です。
しかしながら若干の問題も含んでいます。それが
①被カウンター時に中央が空きやすい
②SBの移動が増える
③GKの正確なフィードへの要求がより高まる
という点。
2CBが開くので中央がポッカリ空きます。したがって被カウンター時に守りづらい。
それを埋めるためにアンカーが降りることもありますが、CBが開いた場合はCBがボールを運んでラインを超えることを要求しないといけないので難しさが出るよなと思ってます。ダメじゃないけどベターじゃない。
2つ目のSBの移動については、例えば右サイドにボールがある時にSBがボランチの位置にいたとしましょう。
そこからCBを経由して左にボールを送ろうとした時に左SBが開きなおさないといけないシチュエーションが結構多い。
GKを経由すれば一応その問題を解消できますが、その場合はスライド間に合っちゃうorCB&GKのどちらにもそれなりに長いレンジのパスの精度が必要という問題が発生するわけです。
また幅をとるSBは基本的には高い位置を取るのが原則。となるとやっぱり帰陣のために移動のコストを払うことになります。
それに、もし左SBは偽SBをするが右SBはしないという場合、左サイドにボールがあると右SBが若干ダブつきます。意味が無いわけじゃないけど、効果的か?と聞かれたら怪しい。
そう考えた時にバックラインスライド型の偽SB3-2ビルドアップはこの問題にある一定の答えをあたえてくれるのではないか?と思ってます。
▪限りなくムダが少ない配置
まずセンターレーンにCBを残しつつ、後ろの3人は全員バックラインにできるのでネガティブトランジションで払う移動のコストはかなり下げられます。従来であれば
①CB絞る②SB戻るの2ステップが必要ですが、これが必要ありません。
また最終ラインを3枚にできるのでSBが開き直すシチュエーションを減らせるし、少なくとも片方のサイドはSBに運ばせることが出来る。
大体のケースにおいてCBにラインを越えさせるより、SBに越えさせたほうがリスクは回避できます。往々にしてCBよりもSBの方が足元のスキルは高いことが多いからです。
つまり、移動のコストを減らすことと適材を適所に置くことを両立しながらも、ビルドアップの肝である2トップ脇と2トップの間に人を配置できるという意味でシティ式の3-2ビルドアップは無駄がないと言えるわけです。
▪まとめ
このあたりの議論はもしかしたららいかーさんが話していたかもしれません。似たようなことを聞いた気もする。
けどまあ改めて。
これからはマルチロールの時代。どんな場所でもある程度のレベルでのプレーが求められる時代が来るでしょう。それはある種フットサルのようになっていくということでもあります。
しかしながらどんなにマルチロールが進んでも選手の特性と適性を無視することは出来ません。ファン・ダイクにインサイドハーフをやらせることはないし、メッシがCBをやることはない。
そういう意味では位置の交換と選手のタスクチェンジ、選手の適性の整合性をとるということの意味を示唆しているかもしれませんね。
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