66 オープンクエスチョンを含んだクローズトクエスチョン【子どもとの関わり】
こんにちは。
眠り子です。
今回は、私が子どもと関わるときに気を付けていることの一つについて、話をします。
突然ですが、オープンクエスチョンとクローズトクエスチョンという言葉を知っているでしょうか?
簡単に言うと、オープンクエスチョンとは、答えを限定しない質問のことです。
「最近、どんなことが楽しかった?」
「どんな食べ物が好きなの?」
この2つの質問に対する答えはいくつもありうるので、これらの2つの質問はオープンクエスチョンといえます。
一方、クローズドクエスチョンとは、答えを限定する質問のことです。
「映画が好きなんですか?」⇒答えは「はい」か「いいえ」
「1~4の中ならどれがいい?」⇒答えは1~4のいずれか
この2つの質問では、答えの範囲を限定しているので、これらの2つの質問はクローズドクエスチョンといえます。
最初にお聞きした、「オープンクエスチョンとクローズトクエスチョンという言葉を知っているでしょうか?」という質問もクローズドクエスチョンですね。
これらの質問方法には、それぞれのメリットとデメリットがあります。この質問方法自体がもっている一般的なメリット・デメリットについては、気になる方は、下のリンク先のページなどを参照していただくとして、今日はこれらをどのような場面で、何を気を付けて使っているのかについてお話します。
子どもが選択するということ
子どもと関わる場面において、子どもに選択権を与えるということが非常に重要なこととなるときがあります。
病気を抱えている子どもを思い浮かべてもらうと分かりやすいのではないかと思うのですが、自分の気持ちを飲み込んで、大人の決めたこと、大人の指示したことにただただ従うことが「よい」とされることがあります。
そういう子どもたちは、例え、お薬飲みたくないなぁ…とか、痛いの嫌だなぁ…と思っていても、お薬は飲まされますし、注射はされます。
そのような子どもはいつしか、実質的に選択権のない問いを何度も与えられるうちに、選択というものをしなくなります。
表面上はしているのですが、その選択は彼ら彼女らの意志をいったいどれだけ反映したものなのでしょうか。
これはなにも病気の子どもに限ったことではなく、ただただ、教師が、親が、周りの大人が指示したようにするだけの状態になっている子どもは、いつしか選択するということをしなくなってしまいます。
ときには、自分は意見や考えをもってはいけないのだとすら思っている子どもも居ます。
そんな子どもに、選択の機会を与えたり、子どもが自分で選択したことを達成したりすることは、子どもが自分の人生を自分のものだと感じられるようになったり、物事に前向きに取り組むエネルギーに繋がったりします。
そのため、私はよく子どもに問いを投げます。
「今日何する?」では不安
しかし、子どもの主体的な選択を促すといっても、オープンクエスチョンを用いるのが適切でない場面もあります。
例えば、塾などで子どもの学習支援を行っているとき、授業の冒頭や、終わりに少し時間が余った時などに
「(今日)何しよっか?」
という問いかけが考えられます。
ある程度、既に自分で決定する素地がある子どもを相手にしていれば、これでも良い場面もあるかと思います。
しかし、そうでない場合、そもそも自分では何をしたらいいのか分からない状態の時に「何しよっか?」などと訊かれても答えられないですし、それが決められないから塾に来ている場合だったりすると、「この先生で大丈夫なのかな…」と却って不安を感じさせてしまうことも考えられます。
なので私は、基本的にいくつか選択肢を提示して、「この中だったらどれがいい?」と、クローズドクエスチョンを使います。
しかし、その時には必ず「その他(上に書いたこと以外で自分がやりたいこと)」というものを最後に入れます。
こうすることで、自分の意志を表明する機会を確保しつつ、自分で選択をするという経験をしてもらい、選択肢の作り方を知ることができます。
オープンクエスチョンだと答えるのが難しそうな場面では、クローズドクエスチョンを使いたいですが、その際にも必ず、自分の意見を言うことのできる余地を残すこと。
子どもに何かを選択してもらう場面では、必要に応じて意識できるといいのではないかと思っていることです。
お読みいただきありがとうございました。
素敵な一日になりますように。
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