見出し画像

SaaS提供者として、現場を意識し続けること大事だなと(改めて)思った話

SaaSビジネス Advent Calendar 2019、3日目はこが(@kg_yt7)が担当させていただきます。昨日の赤司さんの記事がとても面白くて、プレッシャーを感じているのですがどうぞよろしくお願いします。

誘ってもらって参加することを決めたはいいものの、さてどんなことを書こうかなと考えたときに「SaaS提供者としてこのスタンスは忘れちゃいけないな」と改めて思った出来事があったので今回はその件について書いてみます。

●簡単に自己紹介
ぼくの社会人人生、ずっとそばにSaaSがあります。

新卒で入社したのはシナジーマーケティングという会社で、CRMのSaaSを提供していました。丸6年間、フィールドセールスやカスタマーサクセスの立ち上げ、事業開発などを担当させていただきました。

今年の4月からはスマートドライブという会社で法人車両管理SaaSのインサイドセールス立ち上げを中心に一部マーケティング業務、セールス担当など幅広く担当させてもらってます。ユーザーとしてもMarketoやベルフェイス、FORCASなど多くのSaaSを利用させていただいています。

SaaSは継続が命、だからこそ。

新卒時代、あるセンパイから口酸っぱく以下のような指導をしてもらっていました。

どのステークホルダーにとってもメリットがあるサービス提供を行うこと

例えばぼくが今提供している法人向け車両管理SaaSであれば、「システム管理者」「システム利用者」「車に乗る人」「車を管理している人」など、業務上関わるかたは多岐にわたります。これらすべての人がステークホルダーになります。この人たち全てにメリットがあるような提供方法を考えることが大事、ということです。

おそらくこれは特段SaaSに限らない話で、世の中の提案の多くはこのスタンスが必要だと思いますが、誰かが幸せにならないアンバランスな状態では長続きせず、特に継続が命のSaaSにとってこの視点がないことは致命的です。

今もぼくのスタンスとして重要視しているつもりだったのですが、全然できていないよと、叩きつけられる出来事がありました。

「現場」に踏み込んで感じたこと

それは先日、あるプロジェクトの関係で自社のSaaSユーザーに朝から晩まで張り付いて1日の業務の流れを観察させてもらった日のことです。

すこし具体的に書くと、今回の対象はあるモノを配送している配送担当者、となります。配送担当者のかたが朝荷物を積むところから夜事務作業するところまで、ずっと横にいて全体の業務プロセスを見せていただきました。

そこで、こんなことをその日の帰り道に自問することになりました。

「現場」を理解したサービス提供、本当にできていましたか?

「現場を理解する」=「業務プロセス全体のなかで”誰にどのような課題があるのか"を理解する」

見て聞いて業務を体験して気づいたことは例えばこんなことです。

・これまでのMTGで課題として上がってきていたことは確かにめんどくさいことではあるものの、現場全体の課題からみると些細なことだった

・使っていただけると思って用意された機能も現場の業務に落としてみるとちょっと足りなくて活用しきれなかった

・逆に現場の人達のお給料を増やせるような利用方法もできたはずなのにそういった話ができていなかった 

(都合上、かなり抽象的に書いてしまってスミマセン)

すべてのステークホルダーに対して価値を、と言いながらも実態は運用にのりきっていなかったり、セールスの方法としてもっと伝えるべきところはあったのに伝えきれていないが故にSaaSの価値が出し切れていない(と現場で思われている)状態になっていました。

自分たちのサービスは誰のどのような課題を解決するのか。
これは手前でこそこそやっていても答えが出てこないことであり、全体の業務プロセスを理解した上で落とし込んでいかないとたどり着けないんだと思い知らされたんですね。
そして、うまくオンボーディングがはまらなかったり、めちゃくちゃハイタッチなサービスが求められるケースはこうした現場に対しての手触り感がない状態で進んでいることが原因なんだろうな、と強烈に理解できました。

現場を意識して動き続けることが大事。

話が変わりますが、ぼく的SaaSの好きなところのひとつは

Always in Betaで、アップデートし続けていく必要があること

という点です。これは「アップデートし続けていかないと市場から取り残される」とも言い換えられます。

仮に一度マーケットフィットした感じがしたとしても、数ヶ月もすれば状況は変わるだろうし、サービスの提供方法もアップデートし続けないとすぐにマーケットからずれた感じになってしまう。その中でいかにマーケットフィットし価値を提供し続けていくのか。本当に必要なものを掴む際に「机上でのヒアリング」レベルでは限界がある気がしています。

これからSaaSを提供していく立場として、ぼくはもっと現場を意識して、現場に踏み込んで業務の全体像を把握した上でサービス提供を行っていかなければならない、そんなことを考えています。

今回のように1日、実際に使っている人やそれに関わる人の業務に寄り添ってみることが一番の近道でしょうし、SalesTechやMarTechのSaaSであれば副業先などで自分で運用してみて、もはや自分が現場に立つことだってできるはずです。

とにかく現場を理解する努力をすること。
継続が命のSaaSだからこそ、よりこのことを意識していかないとこのさき生き残っていけないなと思った話でした。

まとめのひとこと

最後に、そんなことを考えてたときにまとめたTweetを貼っておきます。
ぜひみなさま、Twitterでも仲良くしてください(_ _)

最後に明日のご案内

今日ぼくが書かせてもらったのは最近強烈に感じたこと、なのですが明日は一気にそこから離れて、もっともっと上流のお話になります。

ログラスCEOの布川さんによる、「シードSaaSこそ世界観セリングをすべきという話」。

まだまだアドベントカレンダー続いていくので引き続きよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?