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誰も知らない

ちっちゃな頃から根無し草。思えば、「定住」とは無縁な人生でした。
転勤族の父といっしょに、一家そろって2、3年ごとにお引っ越し。小学校は3回転校して、中学卒業のタイミングでもう一度引っ越して、以降実家は同じところにあるけれど、大学4年の秋に家出同然で飛び出して、ほぼそれっきり。
六畳ワンルームのアパートで一人暮らしを始めて、そのうち誰かが頻繁に部屋に泊るようになって、また引っ越して、今度は海を渡って、一生そこにいるつもりだったのに、どういうわけかまた日本に帰ってきて。そっからさらに引っ越して、もひとつおまけに引っ越して、今に至ります。

SNSなんてない時代だったから、住む土地が変わるたびに、そこでできた友だちごと、そこで過ごした人生ごと、全部置いてきました。意図せず作っちゃった黒歴史をリセットしまくれたのはありがたいけど、私にはいわゆる「地元」と呼べる場所がない。私という人間を、本当の意味で知っている人は、たぶん、この世にひとりもいない。

わあ~~~、怖い! なんか、改めて文字にしてみると、それってすごく怖い、どうしよう!

根っこがない。軸がない。ここから私は、どこへ行くんだろうなあ。まったくもってわからない。
でも、2020年現在、タイムマシンもタイムリープ技術も、電話レンジ(仮)も発明されてないっぽいので、進んでいける方向はひとつしかない。

来週の今頃にはもう、新しい町で、新しい生活を始めてる私が存在してる。
その存在が、願わくば、誰かにとって、何かにとって、意味のあるものになれればいいなと思う。


【今日のフクイチ】
インタビューを訳してます。インタビューを訳すのは、とても楽しい。今日は直接お目にかかったことのない方のだけど、何度か会って、ある程度、人となりを知っている方のものだと、もっと楽しい。ちょっとしたひと言に、「あー、この前会ったときもこんなこと言ってたなー。ってことは、きっとこんな意味も込めて言ってるなー」ってことが感じられたりして、より「人」を感じながら訳せる。楽しい。
「ニンゲンなんて大キライ」なんて思ってた時期もあるのに、今はニンゲンがすごくおもしろいです。

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