「ゆずり車線」って? 沖縄・北部で出合う不思議な道路
車社会、沖縄。
沖縄県に引っ越すため、免許を取り直した(※)私。初心者マークを付けて、日々おっかなびっくり運転しております。
※本当にどうでもいい話ですが、その昔、真っ黒な編プロで働いているとき、免許証の更新に行けず失効したのです
現在、私が住む沖縄県北部のやんばる地方は完全に車社会。路線バスは1時間に1本というエリア。日用品を売っている共同売店へ行くにも、徒歩で片道15分。炎天下には、ちとキツい。
そんな背景もあり、ローカルの皆さま方は本当に運転がお上手。私がいまだに事故を起こしていないのも、周りのドライバーが腕利きで巧みに避けてくれているからでは、と思ったり……。
そんな車社会、沖縄県北部で初めて目にして、新米ドライバーの私が面食らった道路が「ゆずり車線」です。
「ゆずり車線」って何?
字面を見れば、なんとなく意味はわかる「ゆずり車線」。
ですが初めて走る道路(しかも曲がりくねった海岸線)で目にしたら、若葉マークとしてはキョドるしかありませんよね?
(地方ではお馴染みの標識かもしれませんが、私が免許を取り直した横浜の教習所では教えてくれなかったよ!)
「ゆずり車線」は何故あるの?
「ゆずり車線」がどういう道路か説明する前に、まずは沖縄県北部の交通事情を押さえておきましょう。
メインルートはお馴染みの58号線。沖縄本島中心部では複数の車線に分かれているこの道路、北部に向かうにつれて1車線になるのです。
対向車線も、もちろん1車線。しかも大体、センターラインは「追い越しのための右側はみ出し禁止」を意味するオレンジ色。
地形は山道や海岸沿いの曲がりくねった道。想像してみてください、そんな道路を若葉マークのドライバーが初めて走ったら……。「ごめんなさい、怖くてこれ以上、早く走れません!」ってな心情で、見る見るうちに、後ろにはローカルドライバーの皆さま方の車列が……。
「ゆずり車線」は若葉マーク&観光客の味方!
状況を思い出しているだけで苦しくなってきましたが、そんなお待たせして申し訳ない気持ちで走っているとき、目にするとホッとするのが「ゆずり車線」です。
先述の通り、横浜の某教習所では対応策を教わらなかったため、私流となりますが「ゆずり車線」の利用方法をお伝えしたいと思います。
その1. 何はともあれ左ウインカー
後続車に「自分、ゆずります!」とアピール。
これで大体、ローカルドライバーさんは意図を汲んでくださいます。
その2. 元気に左車線へ
目視してから左車線へ移動。
(自転車&オートバイには気をつけて!)
その3. 追い抜いていただく
後続車も「ゆずり車線」に来ないなら、スピードを落としちゃいましょう。
その4. 車列が途切れたら右車線へ戻る
意外と短い区間もある「ゆずり車線」。戻るタイミングを逸しないように、ご注意を。
その5. 無理なく走る
引き続き安全運転で目的地を目指しましょう。
「ゆずり車線」を味方に、楽しい沖縄”やんばる”観光を!
今回は、私が5回くらい遭遇して、ようやく意味を理解した(←遅いわ)「ゆずり車線」についてご紹介しました。地方では、珍しくないものなんでしょうかねぇ?
この「ゆずり車線」、よーく見ると各村のゆるキャラが描かれた愛嬌がある標識もあるんです。
(とはいえ運転中は凝視できないはずなので、助手席に乗ったときに見てみてくださいね)
余談ですが、車道を走るときは野生動物のロードキル(Road kill)にも、くれぐれもご注意を。北部の車道には、天然記念物の鳥・ヤンバルクイナも、たま〜に姿を表すそう。
スピードの出し過ぎには注意して、沖縄の”やんばる”ドライブを楽しんでくださいね。
もしもお気持ちが向きましたら、サポートいただけますと大変有り難いです。頂戴した費用は、芭蕉布をはじめとする伝統工芸品の魅力を発信するための取材活動などに使用させていただきます。ご検討くださいませ。