大学の導入科目において非常勤講師として関わる難しさ

少し話題を変えて。

しばらく大学で非常勤講師をしてきた。

まぁ、これが専任へのステップになったので、
今となれば良い経験だったと思う。

担当したことがあるのは、いわゆる大学入学時の導入教育。
少し特殊な科目であるが、
非常勤講師として関わる難しさを感じた経験でもあった。

だいたい今日の大学には、入学してから所属する導入ゼミがあると思う。
自分が大学に入った頃もあったけど、
そんな洗練されていなかったと思う。

勤務校は比較的高偏差値の大学ではあるが、
いかに高校までの学びから大学での学びに転換するか、
を主眼にアカデミックスキルを学ぼうとするもの。

授業(講義や演習)はできる。
でも彼らに大切なのは、
学生同士の関係性をいかに作れるか、
入学初年度の学生の悩みにちゃんとのれるか、
だと思っている。

そこでネックになるのが、「窓口」的な場がないということ。
大学に週に一回しか行かない、
そして、授業が終わったら仕事に戻るので
「ここにいるよ」「なんかあったら来てね」
という場所や時間がない。
(実際には来ないとしても、そう伝え、それに応えることが難しい)

メールという手段があるが、
そもそもEメールを常用しない学生にとって、
Eメールをすることは少しハードルが高い。

なので、こういう授業は非常勤にはあまり向いていないのでは、と思った。

まぁ、大学のレベルにもよるとは思うが、
最近よく聞く担任制的のようなきっちりとした「手取り足取り」は必要ないとしても、

一つはゆるやかな「場」があっても良いとは思う。
(そのための担任制かもしれないが、制度に組み込むとだいたい弊害が大きい)

幸いなことに、非常勤をしている大学では、
複数いる専任の先生がとても積極的なので、
そのあたりのカバーはしっかりしてくれるので、

専任の先生  →自分のクラスをみる・全体もみる
非常勤の先生 →自分のクラスをみる
というような役割分担になっており、
専任の負担は大きくなる。

非常勤としてはありがたいし、
役割の分担といえば分担なので、
そういうものだとも思いつつモヤモヤする。

クラスを選択できない学生はどう思うのか、
ということを考えてしまう。



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